中国と韓国が結んでいた通貨スワップ協定が10日に終了した。通貨スワップ協定とは、緊急時に資金を融通し合う協定だが、中韓関係が高高度ミサイル防衛システム(THAAD)をめぐって冷え込むなか、通貨スワップ協定は延長されずに期日を迎え、終了することになった。(イメージ写真提供:123RF)

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 中国韓国が結んでいた通貨スワップ協定が10日に終了した。通貨スワップ協定とは、緊急時に資金を融通し合う協定だが、中韓関係が高高度ミサイル防衛システム(THAAD)をめぐって冷え込むなか、通貨スワップ協定は延長されずに期日を迎え、終了することになった。

 中国メディアの参考消息は10日、2009年4月に締結された中韓通貨スワップ協定は2度の延長の後に終了することになったと伝え、韓国国内では「韓国経済と外交は大きな問題に直面している」といった声も上がっていると紹介している。

 中国韓国は2009年4月に1800億元(約3兆717億円)規模の通貨スワップ協定を結び、11年11月には3600億元(約6兆1433億円)規模にまで拡大された。記事は、「韓国の中央銀行は今回も協定の延長に向けて中国側と接触を続けてきた」としながらも、THAAD問題で中韓関係が冷え込んだことを受け、協定は延長されずに終了したと紹介。一部の専門家からは「中韓スワップ協定の終了は韓国の外貨準備の安全性に対してマイナスの影響をもたらす」といった指摘があることを伝えた。

 また、今回の中韓通貨スワップ協定の終了より前に、日本や米国と結んでいた協定もすでに終了していることを強調し、韓国には現時点で大きな外貨準備があるものの、北朝鮮の核問題がエスカレートすれば韓国からの資金引き上げも加速すると推測。そうした事態が起きた場合、中韓通貨スワップ協定がなければ韓国の金融市場はより不安定となりかねないと指摘した。

 記事は、韓国のネット上では「中韓通貨スワップ協定は何としても延長しなければならない」といった声が上がっていたと紹介しつつ、ネットユーザーたちの願いもむなしく、終了することになってしまったと結んでいる。(編集担当:村山健二)(イメージ写真提供:123RF)