巨人の外国人選手の昨季成績

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巨人助っ人は豊富? それとも余剰? 高橋新監督が抱える“爆弾”とは

 今オフ、巨人は西武からFAで脇谷亮太内野手を獲得。さらにロッテからルイス・クルーズ内野手を補強し、昨年FAで加入した片岡治大内野手も含めて、セカンドを本職とする実績豊富な内野手が3人も所属する状態となった。

 また、新外国人としては、昨年ヤンキースでプレーし、MLB通算122本塁打の実績を持つギャレット・ジョーンズ外野手も獲得。昨季加入し13勝(3敗)の成績を残したマイルズ・マイコラス投手、8勝(8敗)を挙げたアーロン・ポレダ投手、そして今季5年目を迎えるセットアッパーのスコット・マシソン投手、来日3年目となるキューバ人のレスリー・アンダーソン外野手、飛躍が期待される同じキューバ人右腕のエクトル・メンドーサ投手も新シーズンに向けて契約を更新しているため、支配下登録だけで実に7人の外国人選手が在籍することになる。

 豊富な戦力は通常、チームにとってプラス材料となるが、外国人選手は規定により、同時に4人までしか1軍登録することができず、必然的に3選手が2軍暮らしを余儀なくされる。ヤクルト、日本ハム、阪神、横浜と4球団で捕手として活躍した野球解説者の野口寿浩氏は、“余剰”ともいえる助っ人陣を見渡して「『どうするの?』という話ですよね。このチームの“爆弾”でもあると思います」と、起用法の難しさがデメリットになる可能性もあると指摘した。

「クルーズ、ポレダ、マイコラス、マシソン、ギャレット・ジョーンズ…。これだけ実績のある選手が並ぶと、(21歳のメンドーサと)アンダーソンはかわいそうですが、まずは2軍でしょう」

 昨年6月2日のオリックス戦で初登板し、2回無失点デビューを果たした21歳のキューバ人右腕メンドーサ、来日して2年で22本塁打、打率.289の成績を残しているアンダーソンは1軍にいられない存在と位置付けた。それだけ、今季の巨人の助っ人は豊富にいる。

 ただ、それでもまだあと1選手が2軍暮らしをする必要があるというのだから驚きだ。残り1人のファーム落ち候補について、野口氏は以下のように語る。

西村の状態次第で不動のセットアッパーも2軍へ?

「マイコラスは絶対外せない。あと、巨人の左腕は内海(の力)がだいぶ落ちてきていて、(股関節手術を受けた)杉内が下手すれば夏までダメでしょう。田口も頑張っているけど、まだちょっと長い目で見てあげてほしい選手。なので、本来はポレダを残した方がいいでしょうけど…」

 昨季、1人で貯金「10」を稼ぎ、防御率もリーグ3位の1.92を記録したマイコラスの地位は“安泰”と分析。同じくローテションを守り、防御率2.95と一定の成績を残したポレダも貴重な左腕として必要としながら、こちらは決して“安泰”ではなく、野口氏も苦渋の表情を浮かべた。

 さらに、「西村が今年は大丈夫なら、(勝ち継投は)山口、西村、澤村で、マシソンが落とされる可能性もある」と指摘。かつて守護神を務めながら、昨年は怪我で登板なしに終わった西村の状態次第だが、最速160キロを誇る不動の助っ人セットアッパーも降格候補の1人となってしまうかもしれない。

 他球団なら先発、救援の軸となりえる2人の優良助っ人に2軍暮らしの可能性がある現状は、他球団から見ると贅沢すぎる。ただ、この“嬉しい悲鳴”のために高橋由新監督が苦労することにもなると、野口氏は予想する。

「エース級、もしくは、クリーンナップの1人が2軍に落ちるという、そのあたりのコントロールが…。経験豊富な(前監督の)原さんだったらうまくやりそうな気がしますが…。高橋監督は難しいポジションになると思います」

 MLBでの実績豊富なギャレット・ジョーンズ、ロッテで攻守にわたり実力を証明済みのクルーズを含め、ポレダ、マシソン、アンダーソンら実績豊富な選手のうち、誰かがファーム行きを余儀なくされる。助っ人起用のコントロールは新監督にとって大きな課題となる。

カリスマ性持つ新監督、選手時代同様の求心力を維持できるか

「(実績のある選手に2軍行きを命じることは)周りの選手に危機感も煽ったりすることもできるのでしょうけど、『なんでこの選手がファームで、この選手が1軍にいるの?』という声が出てきてしまうと、(チーム内に)良くない空気が漂ってしまう。しかも、調子が良くても『落とさなきゃいけない』『外さなきゃいけない』という状況も、どうしても出てくるでしょう。難しいと思います」

 現役時代は選手会長も務め、チームメートからの信頼が厚く、巨人のスター選手としてカリスマ性のあった高橋新監督。しかし、こうした障壁があることも踏まえて、野口氏は「(選手時代のように)今まで通りまとまってくれればいいですけど…。立場が変わると、回りの人間の印象が変わるので」と危惧する。指揮官という立場での求心力は、選手時代とは別物であるだけに、始まってみなければどうなるか分からないとの見方だ。

 今季の巨人のように“余剰”とも言える助っ人選手の層の厚さがあることについて、野口氏は「その場しのぎという面では、強いのでしょう」と語る。一方で、「色々と火種が出てきてしまう」と不安要素も挙げる。

 確かに、誰かが不振になった際に替えが効くという面で、今季の巨人は秀でているといえるのかもしれない。しかし、過剰に助っ人選手がいるあまりに、全員が万全の場合、どんなに好調でも2軍行きを命じられてしまう者が出てきてしまうという“歪み”が生まれるのも確かだ。

 強いチームとなるには、個々の能力だけではなく、勝つために選手の士気を高めることも重要となる。高橋新監督をはじめとした首脳陣による選手の運用能力も、2年ぶりの優勝へのポイントの1つとなりそうだ。