横浜・桜木町駅前の「餃子の王将」で、見慣れないメニューを見つけた。「昭和の男達に愛される酒」とのキャッチコピーが眩しい、「ドラッピー」なるお酒だ。


ドラッピーとは?

どうやらこのドラッピー、ノンアルコールビールの「アサヒ ドライゼロ」を焼酎で割って飲むという、「ホッピー」の類種ともいえるお酒らしい。

そう考えるとこのドラッピー、なんだか本末転倒というか、「もう、普通のビールを飲めばいいのに......」といったツッコミが聞こえてきそうだが、いやいやこれがどうにも「ホッピーをマイルドにしたような味でウマい」のだという。

歴史を辿れば、ビールが高級品として扱われていた大正時代に、代用品のノンアルコールビール(ノンビア)で焼酎を割った飲み方が大流行したことがある。現在ではビールとは全く違う飲み物として人気を集めるホッピーも、当時起こったブームの流れを受けて生まれたビールの代用品なのである。

通好みの味「ドラッピー」を再現してみた

調べてみると、現在では関東のごく一部の居酒屋でしか提供されておらず、まさに知る人ぞ知るお酒といえるだろう。自宅でも手軽に再現できるとあって、酒に目のない編集部員はさっそく挑戦してみた。

大型スーパーや酒屋にしか置いていないホッピーと比べ、必要な材料がコンビニで全て揃うのがドラッピーの魅力。割り物のベース向きという麦焼酎とドライゼロを購入し、これで準備万端だ。


スーパーやドラッグストアなら100円程度で購入できる

キンキンに冷やしたグラスに氷を入れ、そこに焼酎を注ぐ。そこにドライゼロを加えれば、もうドラッピーの完成だ。


見た目は完全に「白ホッピー

飲んでみると、噂通りホッピーよりも確かに飲みやすい。炭酸がきめ細かいためか、口当たりがよくマイルドな印象。キレや爽快感も十分で、揚げ物や焼き物などとの相性も良さそう。カロリーゼロ、糖質ゼロと身体にやさしい点も、お腹の脂肪が気になる酒好きには嬉しいところ。その一方で、ホッピーよりも炭酸が弱いためか、気が抜けやすいのが難点かも知れない。

個人差はあるだろうが、350ミリ缶のドライゼロ1本あたり2、3杯のドラッピーが楽しめるだろう。同量のビールを飲もうとすれば、おそらく倍近い金額になるはずだ。また、瓶詰のホッピーと比べ、酔った頭でも処分が簡単な点も魅力だろう。

「安さ」「手軽さ」「美味しさ」の3つを兼ね備えたこのドラッピー。まだまだマイナーなお酒ではあるが、自宅飲みでの新たな定番としていつ流行してもおかしくなさそうだ。