日ハム栗山監督が熱いエール 引退の木佐貫が持つ「最高の財産」とは
引退セレモニーでは涙を浮かべた指揮官、「もっと長く投げさせたかった」
日本ハムの栗山英樹監督が30日、引退試合を終えた木佐貫洋投手について「まだ現役でいける感じがする」と惜しんだ。
木佐貫は同日のロッテ戦(札幌ドーム)で現役ラスト登板に臨み、5回の1イニングを2奪三振、無安打無失点のパーフェクト投球。栗山監督は試合後の引退セレモニー中、目に涙を浮かべるほどだった。
巨人、オリックスを経て、日本ハムに13年1月にトレードで加入した右腕の引退に涙した理由は、監督から選手への「親心」だった。
「まだいける感じがする。やっぱり監督としては責任を感じる。もっともっと、あいつにやってあげられることはなかったかと。オレの立場としては本当に苦しい。もっと長く投げさせたかったなと。申し訳ない気持ちしかない」
日本ハムは若手を積極的に1軍で使っていくチームだ。先発陣ではリーグトップの15勝の大谷、ドラフト1位・有原、中村らが台頭。オープン戦で防御率0.00も、開幕ローテ争いに敗れた35歳は、2軍で16試合登板で0勝6敗、防御率7.57。チャンスを逃し、引退試合まで1軍へ呼ばれることはなかった。
木佐貫の無念−。だからこそ、栗山監督は試合後に若い先発投手に珍しく激しいゲキを飛ばした。
自身はメニエール病と闘いながら現役生活を全う、「野球選手は長さよりも密度」
4回4失点でクライマックスシリーズ(CS)へ不安を残した吉川には「まだ本当の調整になってない。CSへ必死になると信じている。時間をベストに使って欲しい」と求め、4回無失点も2イニングで先頭を四球で歩かせた中村には「大事な試合では四球が勝敗の分岐点になる。誰が見ても分かること。精度を上げてほしい」と語気を強めた。
「百歩譲って考えれば、木佐貫のように引退する場所をね。オレも引退試合をやってない。そういう選手にチーム全員がなって欲しい」
指揮官は現役時代、プロ2年目の1985年からメニエール病を発症した。原因不明の病と闘いながら、89年にゴールデングラブ賞を獲得したが、右肘の故障、メニエール病再発の不安から90年に現役引退。その後は日本ハム監督に就任する2012年までテレビ解説者などを務めた。 そんな経験を持つ指揮官だからこそ、最後は木佐貫への熱いメッセージで締めた。
「野球選手は長さよりも密度だと思っている。誰もが選手で何年やったとしても、その次の人生の方が長い。それに向かっていけば、(早期引退は)大きな意味を持つはず。木佐貫の真面目さ、一生懸命さは、これからへ最高の財産。野球界に還元していってほしいと思います」

