治安戦略アナリストの小比類巻文隆氏が自身のYouTubeチャンネルで「【札幌】連続婦女暴行・懲役20年男、出所後すぐ再犯。6人目を毒牙にかけ鑑定留置に:元刑事が解説」を公開した。札幌市で起きた連続婦女暴行事件において、懲役20年の服役を終えたばかりの男が再犯に及んだ事態を受け、日本の刑務所の更生システムと出所後の支援体制の限界について強く問題提起した。

動画では、過去に女性5人に性的暴行を加え懲役20年の実刑判決を受けた中島国宏被告(50)が、出所後に再び20代女性の部屋に侵入し、同様の犯行で起訴された事件の概要を説明。小比類巻氏はホワイトボードの資料を示しながら、刑務所の役割である「社会からの隔離」と「改善更生」について言及した。法務省が認知行動療法に基づく性犯罪再犯防止指導を実施しているものの、「受講すれば再犯の可能性がゼロになるという制度では全然ない」と指摘した。

さらに、今回の出所が仮釈放であったか満期釈放であったかが報道されていない点を挙げ、満期釈放の場合は保護観察がつかず、強制的な指導や監視ができないという構造的な問題が存在すると解説。また、被告が起訴前に数ヶ月に及ぶ鑑定留置を受けている点に触れ、過去の裁判でも精神疾患を理由に無罪を主張していた背景から、今回の裁判でも刑事責任能力が再び大きな争点になると推測した。

最後に小比類巻氏は、「20年間社会を守ることは、とりあえずはできました」と一定の効果を認めつつも、「20年も刑務所にいたのになぜ更生しなかったのかという疑問だけが残ってしまう」と語った。刑務所内での専門的な治療や指導の実態、出所時の再犯危険性の評価が適切であったかを問い直し、「過去と同じような行動が繰り返されたというのであれば、以前の犯行につながった考えや行動の形みたいなものが残っていた可能性がある」と述べ、再犯防止のための社会的な検証が急務であると訴えた。

チャンネル情報

元警視庁刑事・国際捜査官。1993~2023年警視庁。爆弾処理班配属後、警視庁中国語通訳を経て国際捜査官に。以降、国内外の銃器・薬物犯罪の情報収集、秘匿捜査に従事する。ほか殺人、強盗、誘拐事件などあらゆる捜査に参加。退官後、30年に及ぶ警察人生の知見を世の中へ貢献すべく治安戦略アナリストとして活動中。