30日、中京競馬場で行なわれたGI高松宮記念は、新星ファイングレインのGI初制覇で幕を閉じた。陣営は手放しで喜んだが、嬉しい陣営とは対照的に悲しい陣営もあった。直線で一時は先頭に立ち、あわやのシーンを演出したフサイチリシャールが、レース中に故障し、引退に追い込まれたのだ。

この事故に関しては、馬場状態をめぐり、一部関係者のあいだでJRAの責任を指摘する声も出ている。中京競馬場の今開催は変則10日間開催(例年は8日間)。開催が2日増えたことに焦ったJRAが、馬のことを考えず芝の状態を守るあまり、超高速馬場を作り出してしまったというのだ。

たとえば、3月開催最終週に行なわれるようになってから、高松宮記念の勝ちタイムは例年1分8秒台が相場だった。最高でも1分7秒9だ。それが今年は、開催が2日増え、レース直前から雨が降ったにも関わらず1分7秒1。12着の馬が1分7秒9だ。そんな常軌を逸した馬場状態にありながら、高松宮記念の週半ばには馬場にローラーまでかけ、高速馬場に拍車をかけている。これでは故障する馬が出ても仕方ない。

今開催、中京競馬場に限らず、月日が経過するごとにレースの高速化が進んでいる。だが、高速化と比例するようにレースでのアクシデントが増えているのも事実。JRAは、ビジネスパートナーであるはずの競走馬のことも、もう少し考えたほうがいいのではなかろうか。
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