《遺族への謝罪より前に》イオン爆発で従業員死亡 ハビタは親会社のHPから「エリート社長の写真」削除の“逃げ姿勢”、担当者が取材に見せた「動揺」
《この度の地震並びにその後に発生した爆発事故により、イオンモール熊本で勤務する当社従業員2名の尊い命が失われる事態となりました》
8月3日、公式サイトでこう声明を発表したのは、コスメや雑貨を扱う株式会社ハビタ(所在地:熊本県熊本市)。九州を中心に店舗を展開しており、7月28日に震度7の地震が発生した熊本県には最多となる7店舗を出店している。
地震発生直後に爆発事故のあった「イオンモール熊本」(嘉島町)では7人が犠牲になったが、その内の2人はモール内にあった同社の店舗で働く従業員だった。
「亡くなった従業員の大竹玖瑠美さん(享年22)は、地震発生直後にモールから屋外に避難していました。しかし会社から『売上金を金庫に入れるように』と指示を受け、モールに戻ったことで爆発事故に巻き込まれています」(全国紙社会部記者)
同社の上野景真代表取締役社長ら幹部は2日夜、大竹さんの通夜に参列。対面した遺族に直接謝罪し、会社側が地震発生後に大竹さんに館内に戻るよう指示したことを認めた。
通夜に参列した同社の湯瀬剛二営業部長の説明によれば、「可能であれば、売上金を金庫に入れてくれないか」「もし(モールに)入れるのであれば」と打診したという。しかし入金の指示に関する説明をめぐっては、事故発生当初に会社側が説明した内容と食い違う点もあったのだ。
「ハビタ社は事故発生当初、売上金を金庫に入れるよう依頼する前に、大竹さんから“荷物を取りに戻りたい”との申し出を受けていたと説明していました。しかし実際には、順番が逆だったというのです。湯瀬氏は『情報が錯綜していた』と釈明していましたが、大竹さんの遺族は『私から電話があって、詰められてすり替えただけでしょ』と憤りを露わにしていました。
また、湯瀬氏は『(館内に)入るときは必ずイオンモールの許可を得てから入ってください』と強調したようですが、大竹さんが許可を得て入館したかどうかは不明です。ただ、 イオン側は『避難後の再入館は社内ルールとしては認めていない』としており、ハビタ社の従業員に対する指示はイオンの方針に沿うものではありませんでした。たとえ爆発事故が予測できなかったとしても、従業員の命を守る行動を優先すべきだったはずです」(前出・全国紙社会部記者)
■親会社の公式サイトからページ削除も…担当者が本誌取材に語ったこと
ハビタ社の対応に批判が集中するなか、親会社である「株式会社同仁グループ」(本社所在地:熊本県熊本市)の“異変”も波紋を呼んでいる。
「同仁グループは化学、医療、バイオ関連のグループ企業を複数統括しており、代表取締役はハビタ社と同じ上野景真氏。同仁グループの公式サイトに掲載された上野氏のプロフィールを見ると、外資系金融機関『モルガン・スタンレー』、超大手戦略コンサル『ボストン・コンサルティング・グループ』を経て’15年に現在のポストに就任したとあります。このほかハーバード大学MBAホルダーという経歴も記され、顔写真とともに紹介されていました。
しかし上野氏のプロフィールと顔写真は、7月31日までに削除されていたのです。さらに同じタイミングで、グループ企業として名を連ねていたハビタ社のリンクも同仁グループの公式サイトから消えていました。遺族に謝罪するよりも先に一連のページが削除されていたため、SNSでは“逃げているのではないか”と批判が上がっています」(WEBメディア記者)
いったいなぜ、公式サイトから上野氏のプロフィール及びハビタ社のリンクが削除されたのか?そして、それらはいつ削除されたのか? 本誌が4日に同仁グループを取材したところ、担当者はやや困惑しながらこう話したのだった。
「具体的な回答ができず、大変申し訳ないのですが、その辺りの経緯は私どもの方では分かりかねまして、現状では経緯などの具体的なお答えが難しい状況になります」
その上で担当者は、「私が聞き及んでいる範囲ですと、今後、しかるべき時に、しかるべき情報を公開できるように準備をするということを聞いています」と説明していた。
なお、公式サイトから上野氏のプロフィール及びハビタ社のリンクが削除された時期については、「従業員のメンバーにも知らされてなかった部分があり、具体的にいつ(削除されたか)というのは把握ができておりません」とのことだった。
とはいえ担当者は、記者が取材を申し込む前から、公式サイトのページ削除を把握していたという。しかし、記者が担当者に「把握したのは、地震発生前もしくは発生後のどちらですか?」と尋ねると、「そうですね、うーん……。ちょっと申し訳ないですけど、お答えは差し控えさせてください。申し訳ないです」と言葉を詰まらせていた。
前出の社会部記者は言う。
「ハビタ社の湯瀬氏は4日に報道陣の取材に応じ、熊本県内にある他3店舗の従業員にも『イオンモール熊本』と同様の指示を出していたと明かしました。湯瀬氏の説明によれば、地震発生後に避難していた従業員に対して、『(施設の)許可が出て入れるのであれば、金庫に入れてほしい』と依頼したとのことです。
イオン以外の店舗では爆発事故がなかったとはいえ、一律に同じ指示をしていたとなれば、“従業員の命より売上金を重視していた”と捉えられても仕方がないですし、もし他の店舗でも爆発が起きていたらさらなる犠牲者が出ていたかもしれません。現場で働く従業員にリスクを背負わせた企業の危機管理の欠如は、今後さらに追及されるものと思われます」
新たに判明した事実を報じるニュースのコメント欄には、次のように批判する声が改めて上がっている。
《会社の利益を優先したのか知らんけど… 利益優先で命は後回しかい!》
《この考えだと、地震あっても貴重品を金庫に入れるのが最重要って事になる。避難指示って何なのか全く理解してないですよね》
《人命よりも売上を優先してしまう企業はどうかと思う。イオンは明確に一旦出たら、中に入らないようにって規約があるにもかかわらず、許可が出るならといい訳するな、会社の指示が無ければ命はあったはず》
