日産「新型エルグランド」受注好調で納期は約6か月! ライバル「アルファード」より“実質65万円高”でも「走りの良さ」で選ばれる!? 販売店に聞いた最新状況とは!
「新型エルグランド」が受注好調!
日産のラージサイズミニバン「エルグランド」が、2026年7月16日に発売されました。すでに販売店では、約2か月前の5月中旬に価格を公表して販売活動を開始しており、同月28日からはメーカーへの注文受付もスタートしています。
その甲斐あってか、7月中旬には大々的な宣伝なしで約6000台を受注したとのこと。驚くほどの数字ではないものの、新型エルグランドは最新のハイブリッドシステムや4WDを搭載しているため価格が高く、「X・e-4ORCE」で689万7000円、上級グレードの「G・e-4ORCE」に至っては757万9000円に達します(いずれも消費税込、以下同)。
【画像】超カッコいい! これが「新型エルグランド」です!(30枚以上)
これほどの高価格車であることを考えれば、正式発売前の受注実績としては十分順調といえるでしょう。
そうなると、やはり心配なのが「納期」です。日産の販売店に現在の状況を聞いてみました。
「エルグランドの受注は想定以上に好調です。それに伴い納期も延びており、X・e-4ORCEは4か月、受注の多い人気グレードのG・e-4ORCEは6か月となっています。さらにカスタムカーの『オーテック』と『VIP』は生産台数が限られるため、7か月を要する状況です」
今後、新型エルグランドを街中で見かける機会が増えれば、さらに受注が伸びて納期が延びる可能性も否定できません。購入を検討しているなら、早めの契約が賢明です。
では、この新型エルグランドは一体どのようなユーザーが買い求めているのでしょうか。
「一番多いのは、先代エルグランドを所有するお客様です。長年にわたり新型の登場を待っておられました。『セレナ』からのステップアップや、他社ミニバンからの乗り替えではトヨタ『アルファード』『ヴェルファイア』、ホンダ『オデッセイ』が目立ちます。『ハリアー』などのSUVからの乗り替えも散見されます」
新型エルグランドと、ライバル車のアルファードやヴェルファイアを比較して買うことはあるのでしょうか。
「先代をはじめとする日産車からの乗り替えですと、ライバル車と比較されることはほぼありません。一方、他社からの乗り替えではアルファードと比較されるケースが多いです。
エルグランドはスポーティなミニバンゆえ、性格的にはヴェルファイアに近いのですが、実際の競合相手はアルファードという構図です」
販売店からは「一番人気はG・e-4ORCE」との声がありましたが、これは初期受注ならではの傾向といえます。
発売直後は待ち望んでいたファンが動くため、装備が充実した上級グレードから売れていくものですが、時が経つにつれ、じっくり検討するユーザーが増えるため、コストパフォーマンスに優れた買い得グレードへ人気がシフトしていきます。
そして、新型エルグランドにおける「買い得グレード」こそ、ベーシックなX・e-4ORCEで、なぜなら、各種の安全・快適装備がしっかり網羅されているうえ、価格も手頃に抑えられているからです。
もちろん上級のG・e-4ORCEには、X・e-4ORCEにはない魅力的な装備が並びます。車間距離を適正に保つインテリジェントディスタンスコントロール、渋滞時のハンズオフを可能にするプロパイロット機能、1/2列目シートのベンチレーション、スライドドアのハンズフリー機能、100V・1500Wの電源コンセント、さらにはETC2.0など盛りだくさんです。
加えてシート生地は合成皮革から、ナッパレザー並みの触感を持った新素材「テーラーフィット」へ上級化され、ディスプレイサイズも12.3インチから14.3インチへと拡大されます。
ただ、これらの追加装備によって価格差は68万2000円になります。内容を照らし合わせれば十分つり合うものの、すべての人にとって必須の装備とは限りません。そこで注目したいのがオプションです。
G・e-4ORCEに装着される機能のうち、プロパイロットのハンズオフ機能、インテリジェントディスタンスコントロール、14.3インチディスプレイ、ETC2.0といった人気装備は、X・e-4ORCEにも24万9700円のセットオプションとして設定されています。
つまり、最もおすすめしたい買い方は「X・e-4ORCEにこのセットオプションを組み合わせる」という方法です。これなら車両価格と合わせても714万6700円に収まります。
まずはX・e-4ORCE+オプションを検討し、もしテーラーフィットのシート生地やベンチレーション機能まで欲しいというなら、G・e-4ORCEへのグレードアップを考えれば十分です。これらの上級な装備はX・e-4ORCEに後付けオプション装着ができないからです。
アルファードと「実質65万円差」!? 何が違う?
一方で、今後の日産の課題といえるのが「標準装備の充実」でしょう。
例えばインテリジェントディスタンスコントロールは、トヨタでは「プロアクティブドライビングアシスト」の名でコンパクトミニバンの「シエンタ」にまで幅広く標準採用されています。安全を高める機能だからこそ、標準化が望まれるところです。
災害時にも重宝する100V・1500Wの電源コンセントにしても、トヨタは「アクア」などのコンパクトカーを含め全車標準にしています。高級ミニバンである新型エルグランドなら、全車標準であって当然の装備といわざるを得ません。

ちなみにライバルのアルファードは、これらの装備をしっかり標準化済みです。新型エルグランド X・e-4ORCEに相当する「アルファード ハイブリッド Z・E-Four(4WD)」の価格は661万9800円と、新型エルグランドよりも27万7200円も安価な設定となっています。
しかもアルファードの方が装備は手厚く、前述のコンセントやアシスト機能、ベンチレーション、ETC2.0などをしっかり装備。2列目には豪華な両側アームレスト付きエグゼクティブパワーシートを備え、天井にはダウンライト付きオーバーヘッドコンソールまであしらわれる充実ぶりです。
これらを考慮すると、新型エルグランド X・e-4ORCEとアルファード ハイブリッド Z・E-Fourの実質的な価格差は「約65万円」にまで広がります。装備と価格のバランスという点では、明らかにアルファードに軍配が上がるでしょう。
しかし、エルグランドにはアルファードを凌駕する強力な武器があります。それが「走りの質感」です。
アルファードハイブリッドの動力性能がガソリン2.8リッター相当なのに対し、新型エルグランドの「1.5リッター3気筒ターボ×第3世代e-POWER」は5リッター級に迫る圧倒的なパフォーマンスを発揮します。
さらに走行状態に応じて減衰力を変える電子制御のショックアブソーバーにより、乗り心地を犠牲にすることなく高い走行安定性を実現。全高1900mm超のミニバンでありながら、まるで全高1600-1700mmクラスのSUVを走らせているかのような一体感を味わえます。静粛性の高さも特筆ものです。
この「走りの気持ちよさ」に65万円以上の価値を見出せるかどうかが、新型エルグランドを選ぶ大きな境界線といえます。
要するにアルファードはラージミニバンの王道をいく豪華仕立てのモデルであり、新型エルグランドは「ミニバンだからこそ走りにこだわりたい」と考えるクルマ好きのための一台といえそうです。

