24日、仏ラカノーのビーチの向こうから立ち上る煙/Stefan Rahmstorf

CNN)気候科学者のステファン・ラームストルフ氏が家族旅行中に撮影した写真には、フランスのビーチで遊ぶ子どもの姿が写っている。ただ背景の空は不気味なオレンジ色で、濃い煙が一面に立ちこめるディストピア的な様相を呈している。

独ポツダム気候影響研究所の教授を務めるラームストルフ氏は先週、仏ジロンド県のラカノーに滞在していた。ラカノーは、22日に同国で発生した大規模な山火事の発生地点から約19キロの距離にある。

ラームストルフ氏が陸地側から立ち上る煙に初めて気づいたのは22日、海でサーフィンをしていたときだった。そして24日、「風向きが変わり、煙がラカノーに流れ込んだ。その時、あの不気味なオレンジ色の写真が撮れた」とラームストルフ氏は語る。

ラームストルフ氏と家族はその日の夜、ボルドーへ避難することを決めた。しかし、ボルドー市内でも「空気は澄んでおらず、燃える木の匂いがした」とCNNに語った。

異様な光景を目の当たりにし、休暇も短縮せざるを得なかったラームストルフ氏だが、今回の山火事の規模と激しさに驚きはないと語る。「このような災害がますます現実のものとなることは、何十年も前から十分に認識していた」

フランス各地で山火事が猛威を振るい続ける中、当局は国内のほとんどの地域で住民に対し、大気汚染への警戒を呼びかけ、可能な限り屋内にとどまるよう促している。

フランスの大気質監視団体ネットワークであるアトモ・フランスによると、現在「平均的な」大気の質が維持されているのは、フランス全土45地域のうちわずか3地域のみ。10地域では「劣悪な」大気質となっているという。

アトモ・フランスによれば、29日の大気汚染はさらに悪化する見通しで、現在「平均」の大気質が予想されているのは北西部のブレストのみ。45地域のうち少なくとも24地域の大気質は「劣悪な」ものになると見られている。

大気科学者のリチャード・ポープ氏は27日、CNNの取材に答え、南西部ボルドーの大気汚染レベルが世界保健機関(WHO)が安全とみなす基準値の6倍にまで急上昇したと明らかにした。