「転職活動でAIを使いましたか?」面接官が"アンチAI"か"推進派"かわからない時のウマい答え方
※本稿は、中谷充宏『《AI対応版》20代〜30代前半のための転職「面接」受かる答え方』(秀和システム新社)の一部を再編集したものです。

■AI、なぜ使ったのですか?
転職活動でAIを使いましたか? なぜ使ったのですか?
トレンドを押さえて意見を
肯定だけでなく納得できる説明も
採用選考シーンでAIを活用する企業が増えている中、応募者側が対策としてAIを使ってはいけないという理屈は通りません(たとえば論文作成のようにAI活用に制約があるなら別ですが、それなら求人情報にその旨を表記してあるはずです)。
とはいえ、今はまだ過渡期ですし、こうした論文作成時の制約のように、AI活用についてネガティブな企業、面接官も一定数は存在するでしょう。
その逆で、積極的に活用すべきだとポジティブな企業、面接官も存在します。
求人情報等でネガ側かポジ側か読み取れれば合わせた回答が無難ですが、わからないことも多い。
したがって、ネガ側でも納得できるようなわかりやすい説明が求められます。
例:30歳男性、大卒。経理の経験が長い。最新トレンドは苦手。
「自分では言葉が浮かばないので友人に相談したらAIを勧められて。AIが考えた文章は素晴らしくてそのまま使えるので重宝しています」
↑単にAI活用のきっかけと使った感想を述べているだけになっています。
○OK!
「自分では気づかない視点からのアドバイスもあり、面接でより良い話ができるなら活用した方が良いとの判断で今回使ってみました。私の勤務先はアナログなやり方も随分残っていて、こうしたテクノロジーを活用するシーンが乏しいところでしたが、経理がAIによって代替される職業にも選ばれるようになって、非常に危機感を覚えるようになりました。
そこで勤務先とは別で、自分なりにAIを触ってみるうちに、その便利さというか、すごさを実感することになりました。AIがあらゆる分野、領域に浸透していくのは時間の問題で、こういうのは疎い、使えない、では済まされなくなると私は思います」
↑現職で活用していなくても自分で試行するのは「あり」ですし、自分の体験から一般論に展開すると説得力が増します。
■AI、個人的にはズルいと思いますが…
転職活動でAIを使いましたか? 個人的にはズルいと思いますが、あなたの考え方を聞かせてください
日和らず意見を
詰問に冷静に対処できる?
意地悪な質問ですが、こうした深掘りや圧が強めの質問には、感情的になったり日和ったりせずに、冷静に自分の意見を語るのがセオリーです。
「確かにズルいですね。申し訳ないです」「えっ? 今じゃAIを活用するのは当たり前だと思うのですが〜」だと思考停止的な回答になります。面接官が納得できる回答をしてください。
反論するには、「YES〜BUT法」が効果的。つまり「確かにそういった面も〜」といったん受けておいて、「ただ、どの分野であっても、こうしたテクノロジーの進化をうまく使っていくのは〜」と自分の意見を丁寧に説明していくのです。
また、あなたの表情を面接官はしっかりチェックしています。いくら回答内容が良くても、イラついたり困惑した表情で回答したのでは説得力を欠くことになります。ビジネスシーンなら共通して言えることですから、心を落ち着かせて回答してください。
例:30歳男性、大卒。経理の経験が長い。最新トレンドは苦手。
「特段ズルいとは思いません。使いこなせる人はアドバンテージを得る、そうでない人は得ることができない。これはどの世界でも同じと思うんです」
↑言いたいことはわかりますが、もう少し丁寧に説明しないと、ぶっきらぼうな印象を与えてしまいます。
○OK!
「確かにまだAIを活用できない人もいますので、差が出るとなるとズルいということになるかもしれません。ただ、機械でも人間でも、専門家の知恵を借りるのは決して悪いと思っていません。
たとえば、いま会計ソフトを使うのは当たり前で、紙面で帳簿をつけるところはレアでしょう。便利で正確、処理も速いものを使わない手はないのと同じと考えています。
依存しすぎて自分で何も考えられないなら別ですが、程よい距離感で活用するのは、今の時代、充分に有効だと考えております」
↑「YES〜BUT法」を用いて意見を展開するのは効果的です。また会計ソフトのように汎用的な事例を用いて具体的に説明するのも納得性が高くなります。

■どんなシーンで使いましたか?
AIを使ったことがありますか? どんなシーンで使いましたか?
動じずに回答を
今後、どう向き合っていく?
さらに深掘りが続きます。

ここでは使ったことがあるか、どこで使ったかの2要素を回答しなければなりません。
最初の2択は、使ったことがなければ正直に伝えつつ、今後は活用していきたい旨を宣言するしかありません。使ったことがないことに負い目を感じて動揺しすぎ、言い訳じみた話を長々と続けるのはマイナス評価につながりかねないので、堂々と手短に回答しておきましょう(このように回答しないように、ビジネスシーンを含めAIを使ってみることをお勧めします)。
次に、使ったことがある場合。ここも正直にイエスと回答した後に、活用したシーンを粛々と語れば大丈夫です。特にビジネスシーンにおいて、たとえば新規事業の成長性分析に活用してきたなどの高度な活用、もしくは今回の応募職種に役立ちそうな活用ならば、それを詳細に説明することで、プラス評価に働く可能性が高まります。
なければ「OK例」のような簡易な活用、それもなければ私的な活用でも良いので、きちんと触れておきましょう。
例:30歳男性、大卒。経理の経験が長い。最新トレンドは苦手。
「まだ使ったことがありません。今の勤務先でも使っている人はいませんし、機会が全くなかったのです。プライベートでも活用するシーンがありませんでした」
↑変に細工せずに正直に回答するのは良いですが、今後このように活用していこうと考えている的な表現は最後に盛り込んでおきましょう。
○OK!
「同僚に教えてもらう形で、『こうした場合の経理処理はどうすれば良い?』などと聞いたことはありますが、残念ながらまだAIを使いこなせてはいません。ただ、実際に活用してみて、私の想像を超えた、非常に細やかで具体的な回答をする点に感動すると共に、自分の仕事がなくなるかもという恐怖感も覚えました。現職ではAIをどの分野でどの程度まで利用するかのガイドラインをまとめている最中だと聞いております。
情報漏洩や虚偽などのリスクを踏まえながらも、今後は私もこうした時流にきちんと乗ってAIを使いこなせるレベルを目指したいと思います」
↑あまり使ったことがないけれども、具体的に使った内容を伝えて、AIを取り巻く職場環境も踏まえて、今後の活用の意思をPRするのは間違いない回答と言えます。
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中谷 充宏(なかや・みつひろ)
キャリアカウンセラー(キャリアコンサルタント)、社会保険労務士、行政書士
同志社大学法学部卒。NTT(日本電信電話株式会社)などを経て2004年にキャリアカウンセラーとして独立。マンツーマンで依頼者の転職を支援する転職のパーソナルコーチを務め、米国MBAホルダーや代表取締役などのエグゼクティブ層から、転職回数が多い等のハンデがある人まで幅広い転職支援を実施している。また、社会保険労務士として人事採用コンサルティングも行い、人事部長として企業人事を一任されるケースも多数。著書に『《AI対応版》30代後半〜40代のための転職「面接」受かる答え方』、『20代〜30代前半のための転職「書類」受かる書き方』(秀和システム新社)など多数。社会人向け転職支援
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(キャリアカウンセラー(キャリアコンサルタント)、社会保険労務士、行政書士 中谷 充宏)
