中国のEV産業が創り出す物は車だけではない―中国メディア
中国メディアの参考消息は、取引信用保険大手「コファスグループ」のアジア太平洋地域チーフエコノミストのバーナード・アウ氏がシンガポール紙ストレーツ・タイムズに寄稿した「中国EV産業が創り出す物は車だけではない」を基に、中国の電気自動車(EV)関連産業の成功がもたらしたものについて論じた。
記事は初めに「中国のEV産業の発展は、それより前の造船業の発展をなぞるように、政策面での持続的なサポートと規模の拡大を通じて、世界市場をリードする地位を得た。EVやバッテリー、人工知能(AI)などの先端技術と深く融合し、国力を支える技術的な基礎の一部となっている。その発展の源は単純なインフラ設備ではなく、AIやセンサー、GPSやソフトウェアなどの技術的進歩だ」と紹介した。
続けて「中国のEV分野の成功がさまざまな能力を養うことになった点に疑いの余地はないだろう。EV分野の台頭で中国はリチウムイオン電池の分野でもトップランナーとなった。さらに20年をかけて産業エコシステムを形成した」と紹介。これは、国家資金の投入、インフラへの投資、国内市場開拓からサプライチェーン協力まで、中国の自動車メーカーが打ち立てたものは乗用車の組み立てラインだけではなく、バッテリー製造や鉱物加工、レアアース製錬、ソフトウェア開発や物流まで至る完全なエコシステムであるとする。さらに、「たとえリチウムやコバルト、グラファイトなどの原材料が他の地域で採掘されたものでも、製錬と加工の段階で中国企業が関わることになる。ほかにも、中国には専門工程の知識や製造技術の経験に富んだ職人や安定したサプライチェーン、素早いイノベーションを実行する能力がある。これらは別の分野への経済的利益の確保と蓄積へも応用可能だ。中国の産業エコシステムをコピーする事は簡単ではない」と述べた。
記事は最後に「中国がEV分野をリードする立場にいることは、広範囲の競争の一部として見た方がいいだろう。その競争は世界経済のあり方を変える技術と、それを支える産業エコシステムの主導権を巡って展開している」と指摘した。(翻訳・編集/原邦之)

