ケアマネジャーの役割とは?利用方法や上手に連携する方法をわかりやすく解説
介護保険サービスを利用する際、身近な介護のスペシャリストがケアマネジャーです。しかし、「実際にどのようなことをしてくれるの?」「相談にはお金がかかるの?」と、初めての介護を前に戸惑いや不安を感じている方も多いのではないでしょうか。
本記事ではケアマネジャーの役割について以下の点を中心に紹介します。
ケアマネジャーとは
ケアマネジャーの利用方法
ケアマネジャーとの付き合い方
ケアマネジャーの役割について理解するためにもご参考いただけますと幸いです。
ぜひ最後までお読みください。
監修医師:
高山 哲朗(かなまち慈優クリニック)
理事長 高山 哲朗
平成14年慶應義塾大学卒業
慶應義塾大学病院、北里研究所病院、埼玉社会保険病院等を経て、
平成29年 かなまち慈優クリニック院長
【所属協会・資格】
医学博士
日本内科学会総合内科専門医
日本消化器病学会専門医
日本消化器内視鏡学会専門医
日本医師会認定産業医
東海大学医学部客員准教授
予測医学研究所所長
ケアマネジャーの役割

ケアマネジャーは介護をする家族にとってどのような存在ですか?
ケアマネジャーは、介護をする家族にとって、知識と経験をもとに不安や困りごとを整理し、必要なサービスにつなげてくれる相談相手です。被介護者や家族の希望を聞き取り、心身の状態や家族の負担も踏まえたケアプランを考えてくれます。ケアマネジャーの主な役割は次のとおりです。
・被介護者や家族の希望を尊重する
・サービス内容が適切か確認する
・家族の思いを事業所へ伝える
・介護に関する悩みを受け止める
以上のように、中立的な立場で支えてくれる存在といえるでしょう。
ケアマネジャーは介護保険制度でどのような役割を担いますか?
ケアマネジャーは、介護保険制度のなかで、利用者の方と家族が必要な支援を受けられるよう全体を調整する専門職です。主な役割は、被介護者や家族の相談を受け、状態や希望を踏まえてケアプランを作成したり、管理したりすることです。どの支援を、どのくらいの頻度で利用するかを整理し、状況の変化に応じて見直しも行います。
・介護サービスの提案や紹介
・自治体や事業者、医療機関との連絡調整
・介護給付費の管理
・要介護認定の申請や更新手続きの支援
制度や費用、サービス内容はわかりにくいことも多いため、疑問に答えながら、利用者の方がスムーズにサービスを利用できるよう支える重要な役割も担っています。
ケアマネジャーは要介護認定の申請を手伝ってくれますか?
要介護認定の申請の手伝いも、ケアマネジャーの役割の一つです。介護保険サービスを使うには、自治体へ申請し、要介護認定を受ける必要がありますが、書類の準備や手続きに迷う家族も少なくありません。そうした場合、ケアマネジャーが被介護者や家族に代わって申請を進められます。主な支援内容は、次のとおりです。
・要介護認定の申請代行
・変更申請や更新手続きの支援
・必要に応じたサービス利用の調整
申請時には主治医意見書が必要になるため、あらかじめ主治医を決めておきましょう。申請後は認定調査などを経て、通常は約1ヶ月で結果が通知されます。
施設入所や在宅介護、介護疲れへの対策も相談できますか?
施設入所や在宅介護、介護疲れへの対策も、ケアマネジャーに相談できます。相談できる内容には、次のようなものがあります。
・在宅介護を続けるためのサービス利用
・デイサービスやショートステイの活用
・将来的な施設入所の検討
・介護者の負担軽減や不安への対応
介護疲れは、家族が悩みを抱え込むことで深刻になりやすいものです。つらさを感じる前でも、早めに相談することで、状況に合った支援や対応策を見つけやすくなるでしょう。
ケアマネジャーに依頼できないことを教えてください
ケアマネジャーは介護に関する幅広い相談に応じますが、職務や権限を超える内容は依頼できません。制度上、対応が難しいこともあるため、範囲を知っておくことが大切です。主に依頼できない内容は、次のとおりです。
・症状や治療、薬など医療の専門判断
・遺言や相続、財産管理など法律や金銭の相談
・家事代行や通院の送迎
・介護保険に関係しない行政手続き
・身元保証人の引き受け
・利用者の金銭管理
ただし、必要に応じて医療機関や行政窓口、地域包括支援センターなどにつないでもらえる場合があります。
ケアマネジャーの利用方法

ケアマネジャーはどのような方が利用できますか?
ケアマネジャーを利用できるのは、介護保険の要介護認定または要支援認定を受けている方です。介護保険サービスを使うにはケアプランが必要となり、その作成や調整をケアマネジャーが担います。対象となる主な区分は、次のとおりです。
・要介護1~5:常時介護が必要な状態
・要支援1・2:日常生活の一部に支援が必要な状態
ケアマネジャーを利用するまでの流れを教えてください
ケアマネジャーを利用するには、まず市区町村の介護保険課や地域包括支援センターに相談します。要介護の方は居宅介護支援事業所のケアマネジャーを選べ、要支援の方は地域包括支援センターが担当します。
【利用までの主な流れ】
①窓口で相談し、事業所リストなどを確認する
②ケアマネジャーと面談する
③要介護認定を申請する
④認定結果に応じた窓口へ連絡する
⑤ケアプランを作成する
⑥サービス事業者と契約する
サービス開始後も、ケアマネジャーが定期的に状況を確認し、必要に応じて調整します。
ケアマネジャーへの相談や利用に料金はかかりますか?
ケアマネジャーへの相談やケアプラン作成に、利用者の方が負担する料金はありません。費用は介護保険から支払われるため、原則として利用者は無料で依頼できます。
ケアマネジャーと上手に連携する方法

介護のつらさや限界を正直に伝えてもよいですか?
介護のつらさや限界は、遠慮せずケアマネジャーに伝えて問題ありません。ケアマネジャーに相談する際は、次のように具体的に伝えると状況が共有しやすくなります。
・夜間介護で眠れない
・体調を崩している
・入浴介助や仕事との両立が難しい
現状を正直に話すことで、サービスの追加や利用回数の見直し、ケアプランの変更につながります。「こんなことで相談してよいのか」と抱え込む必要はありません。早めに伝えるほど対応策を検討しやすくなります。緊急性が高い場合は、定期訪問を待たずに電話やメールで相談しましょう。
ケアマネジャーを変更したい場合はどうすればよいですか?
ケアマネジャーを変更したい場合は、現在の担当者を紹介してくれた窓口に相談するのが基本です。地域包括支援センター、市区町村の介護保険担当窓口、退院支援を受けた病院などが主な相談先です。変更理由や希望も具体的に伝えましょう。変更方法は、次の二つです。
①事業所はそのままで担当者だけ変える
②別の居宅介護支援事業所へ変更する
担当者だけを変えたい場合は、所属する事業所の管理者へ相談しましょう。別の事業所に移る場合は、新しいケアマネジャーと顔合わせをし、納得できれば契約へ進みます。必要な届け出などは基本的に新しいケアマネジャーが対応するため、家族の負担は抑えられます。
ケアマネジャーの対応に不安を感じる場合や合わないと判断した場合は、我慢をせずにケアマネジャーの変更を検討しましょう。
自身に合うケアマネジャーを見極めるポイントはありますか?
自身に合うケアマネジャーを見極めるには、資格や経験だけでなく、相談のしやすさや相性の確認も大切です。介護、医療、福祉のどの分野に強いかはケアマネジャーによって異なるため、必要な支援に合う専門性があるかを見ましょう。主な確認ポイントは、次のとおりです。
・保有資格やこれまでの経験
・話を丁寧に聞いてくれるか
・必要な助言や提案があるか
・対応できる曜日や時間
・自宅から事業所までの距離
相談を重ねるなかで合わないと感じる場合もあります。無理に続けず、変更も選択肢として考えましょう。
編集部まとめ

ここまでケアマネジャーの役割についてお伝えしてきました。ケアマネジャーの役割の要点をまとめると以下のとおりです。
ケアマネジャーは、介護保険サービスの利用を支える専門職で、被介護者や家族の相談を受け、ケアプランの作成やサービス事業者との調整、要介護認定の申請支援などを担う存在である
ケアマネジャーを利用するには、市区町村の介護保険課や地域包括支援センターへ相談し、認定結果に応じて担当先を決めてから、面談後にケアプランを作成し、サービス事業者と契約する介護のつらさや希望は、遠慮せず具体的に伝えることが大切で、相談しやすさや専門性、対応時間などを確認し、相性が合わない場合は変更も検討できる
ケアマネジャーは、介護を受ける方と家族を支える重要な相談先です。役割や利用方法を理解し、困りごとは早めに相談して、無理のない介護体制を整えましょう。
これらの情報が少しでも皆さまのお役に立てば幸いです。
最後までお読みいただき、ありがとうございました。
参考文献
介護支援専門員(ケアマネジャー)|厚生労働省
介護支援専門員とは|一般社団法人 日本介護支援専門員協会(JCMA)
介護支援専門員(ケアマネジャー)の役割|WAM NET
ケアマネジャーの仕事と報酬|大田区
要介護認定・要支援認定の申請|江戸川区
ケアマネジャー(介護支援専門員)の業務と役割|我孫子市

