2025年末に行われたドームツアー<B’z LIVE-GYM 2025 -FYOP->に続くかたちで、2026年4月から6月にかけてアリーナツアー<B’z LIVE-GYM 2026 -FYOP+->を開催したB’z。先ごろ公開したライブレポートで記したように今回のアリーナツアー<2026 -FYOP+->は、ドームツアー<2025 -FYOP->とは異なるセットリストも見どころのひとつだった。

それゆえ使用機材にも変化が見受けられた。よりニュアンスを重視した感のあるテイスティーにしてエモーショナルなギタープレイや松本孝弘ならではの上質なギタートーン。キャリアを重ねるにつれてさらに魅力を増している松本孝弘が<B’z LIVE-GYM 2026 -FYOP+->で使用した機材の全貌を紹介しよう。

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【GUITAR編】

アリーナツアー<2026 -FYOP+->では、今回新たに3本のギターが導入されていた。ギブソン製モダーンやマイケル・シェンカーのシグネチャーモデルの使用は、全ギターファンにとっても驚きだったに違いない。まずは全12本がセットされていたギターの詳細をお届けしたい。

Gibson / Custom Shop 1958 Korina Flying V Reissue VOS #841124

コリーナボディー/ネックをはじめ、弦裏通しのV型ストリングプレート、レリーフタイプのギブソンロゴ、1列に配されたコントロール類、ボディ外周端に配置された丸型ジャックプレートなど、1958年製フライングVを忠実に再現したモデル。松本は1958年製Vのリイシューモデルを2本所有しているが、今回のツアーでは<B’z LIVE-GYM 2025 -FYOP->から新導入した本機がチョイスされた。

本機は“これまで幾度かリリースされてきた1958年製Vのリイシューモデルを凌駕するクオリティーでオリジナルを再現する”というテーマのもとに制作されたシリーズの1本で、シェイプのリファインやトゥルー ヒストリック パーツ採用、ピックアップにはロウ漬けされていないカスタムバッカーを搭載するなど、こだわり抜いたスペックを持つ。コリーナ材特有の広いレンジとアタックの効いたトーンが特色だ。今回のツアーではライブのオープニングを飾った「FAITH?」「濁流BOY」で使用。

 

Gibson / Tak Matsumoto Double Cutaway Prototype

松本のシグネチャーモデル“ダブル カッタウェイ”の最新バージョンとして制作され、2025年末のドームツアー<B’z LIVE-GYM 2025 -FYOP->で初めて登場したプロトタイプ。本機はフレイム メイプル トップ/マホガニー バックのボディー構造、マホガニー ネック、ローズウッド指板、ピックアップにはCUSTOMBUCKER AL4 DOUBLE CLASSIC WHITE(Front) / CUSTOMBUCKER PLUS AL4 DOUBLE CLASSIC WHITE (Rear)を採用するなど、“ダブル カッタウェイ”の標準仕様を継承しつつ、バーブリッジ テイルピースが採用されていることがポイントだ。

近年の松本はGibson Jeff Beck 1954 Les Paul Oxblood #10やGibson Les Paul Gold Top 1954 #4-673、Gibson Les Paul Gold Top 1955 #5-9937などバーブリッジ テイルピース仕様のギターを手にすることが多いことから、それを自身のシグネチャーモデルに反映させたプロトタイプ。ちなみに、バーブリッジ テイルピースは、より直線的かつ豊かなサステインが得られることが特色だ。今回のアリーナツアーでは「ZERO」「IT’S SHOWTIME!!」「Hi」「#1090 〜Million Dreams〜」「イルミネーション」「ultra soul」といった多数の楽曲で使用。ギターテック曰く、「今回、ほぼメインと言ってもいいくらいの頻度で弾いています。今の松本さんのイチオシのひとつです」とのことだ。

 

Fender / CUSTOM SHOP Stevie Ray Vaughan Signature Stratocaster Relic 2019 #CZ537894

今回のアリーナツアーでは「おでかけしましょ」で使用したスティーヴィー・レイ・ヴォーンのシグネチャー モデル。『Winter NAMM 2019』で発表されたもので、フェンダー カスタムショップの徹底したプロファイルによってスティーヴィー・レイ・ヴォーンのギターを忠実に再現したレリックだ。本来ピックガードに刻印されている“SRV”を松本は自身の愛称“TAK”にアレンジ。また、オリジナルに搭載されていたサウスポー用のトレモロ ユニットもボディーにザグリ加工を施して右用に交換している。

フェンダー カスタムショップ製のギターにふさわしく、ボディーのアルダーやネックのメイプル、指板のローズウッドなどは厳選された最上級のものが使用されている。また、ピックアップにはカスタムショップの職人が入念にワイヤーを手巻きした“テキサス・スペシャル”を搭載しており、芳醇な中音域と煌びやかな高音域を備えたファットなトーンを引き出すことが可能だ。ブラック ピックガードやゴールド パーツの採用、風格漂うレリック加工などが相まって生まれる強い存在感が印象的だ。

 

Gibson / Tak Matsumoto Double Cutaway Custom Prototype #2007-4

“ダブル カッタウェイ カスタム”と名づけられたシグネチャーモデルのプロトタイプは、ダイヤモンド ヘッド インレイ、マルチ バインディング、ゴールド パーツやブラック パーツ、エボニー指板といったレスポール カスタムに倣った仕様が採用されている。指板以外の木材は従来の“ダブル カッタウェイ”シグネチャー同様、メイプル トップ/マホガニー バックのボディー、マホガニー ネック(ダブル カッタウェイの指板はローズウッド)。

クールなルックスに加え、低音域から高音域までバランスよく鳴るトーンが特徴で、ロッドカバーに“B’z TWENTIETH ANNIVERSARY”の文字が刻印されているとおり2007年に制作されてから現在に至るまで松本が頻繁に手にしていることも頷ける仕上がりだ。今回のアリーナツアーでは「love me, I love you」「ねがい」「今夜月の見える丘に」「イチブトゼンブ」「片翼の風景」「鞭」で活躍するなど、こちらもメインと言っていい1本。

 

Gibson / Tak Matsumoto Les Paul Standard Canary Yellow Prototype 2017 #1

“カナリー イエロー”は日本人初のギブソン製シグネチャー モデルとして、1999年にリリースされた歴史的なレスポールだ。本機はB’z30周年を記念して2018年に新たな仕様で制作された数量限定モデルのプロトタイプ。松本が所有している1959年製レスポールのネック形状を投影したことをはじめ、ボディー内に空洞部が設けられたチェンバード ボディーが採用されていることなどがポイントとなる。

1958年製ほど太くなく、1960年製ほどスリムではないことからベストと称されることも多い1959年製レスポールのネックシェイプとチェンバード仕様による軽量ボディーが生む演奏性の高さ、そして上質なトーンを備えた2017年製カナリー イエローは松本孝弘フリークにとどまらず、幅広い層のギタリストから高い評価を得ている。今回のアリーナツアーでは「ペインキラー」「The IIIRD Eye」「さまよえる蒼い弾丸」で使用した。

 

Fender / CUSTOM SHOP ’69 Stratocaster Relic 2013 #R62497 JB Custom

2013年に米国LAのギターセンターで入手した1969年製のレリックは、前回ドームツアーにも登場した1本で、今回も「INTO THE BLUE」で使用された。

ドームツアー使用時に、ヴィンテージ タイプのシンクロナイズド トレモロ ユニットから2点支持ナイフドエッジ トレモロ ユニットに交換されたほか、ナットはローラー ナットに、チューナーはロッキング チューナーに変更。さらに、ピックアップは’69リイシューからノイズレスヴィンテージに変更されるなど、大幅なモディファイを実施。加えて、ネック ジョイント部はヒールレス仕様にカスタマイズされていて、結果的にヴィンテージ テイストと現代的な優れた演奏性を併せ持つ1本として仕上がった。トラディショナルとモダンを融合させても破綻することのない本機を見ると、ストラトキャスターという楽器の完成度の高さや懐の深さなどを感じずにいられない。

 

Gibson / Les Paul Goldtop 1957 Reissue 1991 #1-5283

松本はギブソン製ゴールド トップ レスポールを数本所有しているが、本機を入手した1991年から現在に至るまで、ライブでの使用頻度が極めて高い1本。本機は1957年製レスポール スタンダードのリイシュー モデルで、レスポールの基本的なボディ構造に加えて、2ハムバッカーのピックアップ配列やABR-1ブリッジ&ストップ テールピース、そしてゴールド トップ フィニッシュといった1957年当時のスペックが再現されている。

長年に亘って愛用する中でピックアップがTAK Burstbuckerに変更されたほか、リフィニッシュも行われたという。また、オリジナルの持ち味を大切にしつつ、ハムバッカーはカバードではなくオープンに、ピックガードを付けていないなど、より松本好みのルックスに仕上がっていることもポイントだ。今回のアリーナツアーでは「ハピネス」「Don’t Leave Me」などで使用。ミドルレンジに特徴がありつつレンジの広さを備えた上質なトーンを聴くことができた。

 

Gibson / 71 Flying V Michael Shenker Black/White #MSFV07

今回のアリーナツアーで初登場して話題を呼んだフライングVはマイケル・シェンカーのシグネチャー モデル。ギブソンが50本限定で制作した中の1本で、インパクトの強いホワイトとブラックのツートーンのカラーリングが鮮烈。オリジナル個体の3Dスキャンデータによる最新技術と職人の匠の技によってオリジナルの個体が長年の使用感まで忠実に再現され、ヘッドストック裏にはマイケル・シェンカー本人の直筆サインが施されている。

マイケル・シェンカーが使用したオリジナルは、通し番号が刻印されたメダル オーナメントをボディーに埋め込んだ“1971 メダリオン フライングV”と呼ばれるモデルで、1971年に約350本のみ生産されたもの。ボディにはマホガニーを採用し、ホワイト ピックガードの一部にブラック塗装が施された。ボリュートを備えた3ピース マホガニー ネックは、スリム プロファイルをオリジナル個体から正確に再現。22ミディアム ジャンボ フレットとセルロース製ドット インレイを備えたワンピース ローズウッド指板となる。またフライングVヘッドストックにもブラック&ホワイトのモチーフが継承されており、ツートーン仕様のトラスロッド カバー、Schaller M6チューナー、Corianナットを装備した。ピックアップはアルニコ5マグネットを採用したカバーレス仕様のT-Top humbucker。今回のアリーナツアーではライブ後半で演奏された「完全無欠」「FMP」「Heaven Knows」「Liar! Liar!」で登場。ミッドハイにピークがある独特の音色を活かしてプレイしていることが印象的だった。

 

Gibson / 1983 Moderne Heritage Korina #F 073

71 Flying V Michael Shenkerと共に今回のツアーで初導入されたギブソン製モダーン。モダーンは1957年にフライングVやフューチュラ(後のエクスプローラー)と共に開発されながらも販売されることがなかったことから“幻のギター”と呼ばれているモデルだ。本機は1982年、“ヘリテージ シリーズ”のコリーナ トリオの中の1本として発表されたもの。なお、モダーンはデザイン画は制作されていたものの、 実際には生産されていなかったモデルで、ヘリテイジ シリーズにて初めて生産されたかたちとなる。

スペック面では1958年製のコリーナVやコリーナエクスプローラーと呼ばれるモデルと同じく、ボディーとネックにコリーナ材が用いられていることがポイント。ユニークなデザインながらトーンクオリティーは高い。また、本機はコンディション良好で、ピックガード保護のためのフィルムが貼られたままなど、ほとんど弾かれていない個体だったと推察できる。アリーナツアーでは「有頂天」で使用され、独創的なルックスや厚みとキレを併せ持った上質なトーンが注目を集めた。

 

Gibson / 55 Les Paul Standard Nugget Gold Murphy Lab Light Aged NH  #55172

アンコールの「その先へ」で使用された本機は、今回のアリーナツアーのためにギブソンが用意したゴールドトップ レスポール。ギターテック曰く、「P-90を搭載したレスポールはありませんか?とギブソンに問い合わせたところ、2本用意してくださいました。松本さんがその2本を弾き比べた結果、使わせていただくことになったのが、このレスポールです。松本さんはP-90を搭載した1954年製のゴールドトップも所有していますが、70年以上前に作られたギターなので、ツアーという過酷な環境に持っていくことが難しいんです」とのこと。

本機は1955年の『NAMMショー』で展示された5色のカスタムカラーのギブソンレスポールを、その誕生70周年を記念して再現したモデルだ。ブリッジがバーブリッジ テイルピースからABR-1ブリッジに仕様変更された時期のリイシューモデルで、ギブソン カスタムショップならではの群を抜いたクオリティーやP-90特有のメロウかつクリスピーな極上トーンなどを備えている。また、経年変化によるグリーンがかったゴールド トップが巧みに表現されていることや精緻かつナチュラルなエイジド加工は、マーフィー・ラボの熟練職人によるライトエイジングによるもの。5色各70本、合計350本の限定生産のうちの1本だ。

 

ERNIE BALL / MUSIC MAN EVH 1995 #85979

アリーナツアー公演の締め括りに演奏された「ミエナイチカラ 〜INVISIBLE ONE〜」で使用。ERNIE BALL / MUSIC MAN EVHはエディ・ヴァン・ヘイレンとアーニーボール/ミュージックマンが共同開発した初のシグネチャー モデルとして、1991年に発表されたモデルだ。

松本が所有しているERNIE BALL / MUSIC MAN EVHといえばトランスピンクのカラーイメージが強いが、今回はトランスゴールドの本機が選ばれた。ギターテック曰く、「松本さんはいつもピンクのERNIE BALL / MUSIC MAN EVHを使っているんですが、実はリハ中、ピンクとゴールドを試しているんです。その2本はトレモロユニットのザグリが違うんですね。ゴールドはストリングロックスクリューに合わせてザグッてあるから、アームアップしてもあたることがないんですけど、ピンクはザグリはありながらストリングロックスクリューがあたってしまう。今回はもう少しアームアップしたいということで、ゴールドを使用することになりました」とのことだ。

 

ERNIE BALL / MUSIC MAN EVH PINK #86255

ERNIE BALL / MUSIC MAN EVHは、1990年代中盤のB’zライブから活躍していた松本孝弘フリークにはお馴染みのモデルでもある。本機はメイプル トップ/バスウッド バックのボディー構造、メイプルネック&指板(ネックは低音弦側に頂点がある非対称グリップ)、本機のためにディマジオの職人スティーヴ・ブルッチャーが手がけたピックアップ、ゴトーガット製フロイドローズタイプのトレモロ ユニットなどが主なスペックとなる。

トーン面ではエディ・ヴァン・ヘイレンが以前から愛用していたPAFが再現されているため、ローパワーがポイント(エディのPAFはワイヤーが断線するなど、経年変化によって劣化した状態だったそうだ)。ERNIE BALL / MUSIC MAN EVHは楽器としての完成度や汎用性が非常に高く、シグネチャーモデルという枠を超えてニュースタンダードとしてシーンに浸透している。本機は、今回のアリーナツアーではトランスゴールドのサブギターとしてスタンバイ。

▶Amp&Effector編へ

松本孝弘サウンドシステムのギター紹介に続いては、アンプ&エフェクター。アリーナツアーのステージ上にはドームツアー同様、3段積み×6セットによるアンプの壁がそびえ立っていた。アンプやエフェクター・システムは前回のシステムを引き継ぎつつ、新機種の導入や細やかな変更があった。ドームツアーからわずか数ヵ月という短いタームながら、変化がもたらされたことは常により良いサウンドを追求する松本孝弘の真摯な姿勢が伝わってくる。

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【AMPLIFIER】

Two-Rock Silver Sterling Signature & Cabinets

ステージ上にはTwo-Rockの3段積みが6台並べられているが、アンプヘッドはすべてダミー、キャビネットも実際に鳴らしているのは中央下段の2台のみだ。そのうち、中央左のキャビネットがクリーン用、右側が歪み用で、TAKはドライ音とウェット音をステレオに振り分けることはなく、常にモノラルで鳴らしている。また、すべてのキャビネットに松本のシンボル“玲”のロゴが配されていることも見逃せない。

Two-Rockは2020年にリリースされた松本孝弘のソロアルバム『Bluesman』のレコーディング時にクリーン/クランチ・トーンで使用して以降、<B’z LIVE-GYM Pleasure 2023 -STARS->ではクリーン用に使用した。その後、クリーン用アンプはTENを使うようになるが、キャビネットは引き続きTwo-Rockを愛用している。

 

AMP& EFFECTOR SYSTEM

アンプヘッドやエフェクター類は、ステージ上に並んだTwo-Rockアンプ/キャビネット群の裏側に配置されていた。向かって左側のラックに入っている4台のアンプヘッドがメインで、右側のラック内の3台はバックアップ用。メインアンプのラック上にはエフェクターボードやセレクター類などが置かれていて、バックアップアンプ用ラック上にはワイヤレスシステムなどが乗せられている。

 

TEN Clean / TEN Distortion

歪みとクリーンで愛用するTENは、松本孝弘の好みに合わせて入念な開発が行われたオリジナルアンプだ。向かって左側の2台はクリーン用アンプで、上段はアルペジオやコードプレイ等で使用、下段はリードプレイで使用する。ドームツアー<B’z LIVE-GYM 2025 -FYOP->の際は上段のクリーン用アンプはより煌びやかなハイが出る仕様になっていたが、音が硬くなってしまうことを踏まえて、今回はふくよかなサウンドに路線変更してツアーに持ち込まれた。

右側の歪み用アンプは上段がバッキング用、下段がリード用。2台共にレンジの広さが光るリッチなドライヴトーンが得られることが共通していながら、それぞれ異なる回路が採用されている。同じアンプのセッティング違いではないということからも、松本の強いこだわりが感じられる。

クリーン用アンプヘッドの下部にセットされているのはRemote Volume Controller (上段2台) と、アンプセレクター。Remote Volume ControllerはTENが開発したもので、長いシールドを使ってボリュームペダルをつないだ際に生じるシグナルの劣化を防ぐことが可能。松本の足元に置かれたペダルの稼働位置をデジタルによって感知して、実際の音量変化はここで行うというシステムだ。テクニシャン曰く「これがないと、もうライブはできません(笑)」とのこと。アンプセレクターは上側がメインで、下はスペア。そして、歪み用アンプの下にはTEN製のアンプチャンネルセレクター(下側はスペア)と、その下にQSC GX3(パワーアンプ)がセットされている。

 

Backup

バックアップ用アンプとして歪み用のTEN Distortion2台とTEN Clean1台(下段)をスタンバイ。TENアンプは“ゲイン+マスターボリューム”仕様の2チャンネルで、EQは両チャンネル共通というスタイルが採用されている。EQがフラットに近い状態にセットされていることからは全てのレンジがバランス良く出ることがうかがえるほか、Gainをそれほど上げていないことからはアンプ単体で深い歪みが得られることがわかる。

 

【EFFECTOR】

EFFECTOR SYSTEM

マルチエフェクターやラックタイプのエフェクターは使わずに、コンパクトエフェクターを使用していることが印象的。厳選した機種をチョイスしていることはもちろん、不要なエフェクターを完全に排除していることもポイント。

 

EFFECTOR

エフェクターボードの左側にセットされているのは、下段左からIndigo Note CHORUS、Indigo Note BOOSTER、Indigo Note FIXED WAH (onにするとワウペダルを途中で止めたトーンが得られる)、KLON CENTAUR(オーバードライブ/ブースター)。中段左からVemuram Splitone(オーバードライブ)、maxon FL301(フランジャー)、MXR Phase90 EVH(エディ・ヴァン・ヘイレンのシグネチャー フェイザー)。その上部にはFree The Tone PT-3D(パワーサプライ)、メインのペダルボードとセンターのペダルボードのJim Dunlop TM95 TAK Cry Babyを切り替えるハンドメイドのラインセレクターをセット。

Vemuram SplitoneはCharとVEMURAMが共同開発したオーバードライブで、2025年に松本とCharが共演したことをきっかけに、Charからプレゼントされたもの。Charの妥協することのないスタンスが生んだ良質なトーンを引き出せることに加えて、ニュアンスの異なった2種類のトーンが得られることも魅力だ。

 

EFFECTOR

エフェクターボードの中央にセットされているのは、下段がIndigo Note COMPRESSOR、上段左からIndigo Note Over Drive(プロトタイプ)、Chicken soup OD(オーバードライブ)。

Indigo Noteは、長年に亘って松本のギターサウンドを支えてきたメンバーによって立ち上げられたギター イクイップメントブランドで、松本がプロダクト監修を務めている。ドームツアー時はプロトタイプだったIndigo Note BOOSTERとCOMPRESSORは今ツアー中に松本の認証が下り、今後製品化される予定。Indigo Noteのエフェクターはブルーの筐体とゴールドやレッド、グリーンといったカラフルなノブの取り合わせも特徴で、ノブの色は松本自身が決定しているとのことだ。

 

EFFECTOR

エフェクターボードの右側にセットされているのは、最上段左からFree The Tone PT-3D(パワーサプライ)、KENTON MERGE-4(MIDI マージボックス)、FREE THE TONE AS-1R(デジタルリバーブ)。中段左からTECH 21 MIDI MOUSE(MIDIフットスイッチ)、BOSS DD500(デジタルディレイ)×2台、下段左から4 in 1 out / Wireless セレクターのラインセレクターとBOSS DD500×2台という構成だ。

BOSS DD500は左側2台が歪み用で、右側2台はクリーン用。ディレイを2台ずつ用意していることについてはギターテック曰く、「松本さんは、いろいろなディレイを細かく使い分けているので、プリセット機能を使って30曲分くらい仕込んでいます。でも曲中、ギターの音が連続している状態でTempoの違ったディレイをプログラムチェンジで切り替えるとピッチがヨレて違和感が生じる。それを解消するために歪みとクリーン2台ずつディレイを使うようになりました」とのことだ。また、あらかじめ多数のプリセットを組んでいることに加えて、ライブ当日には会場の音響特性などに合わせてディレイセッティングの微調整も行っている。

 

RACK SYSTEM

メインのアンプラック最上部には前述のコンパクトエフェクター群ほか、TEN製ループセレクター2台(上がメイン、下はスペア)をセット。エフェクターボード下のラックは、向かって左側にTEN製ボリュームセレクター2台とTONE WORKS DTR-1(デジタルチューナー)2台を収納。右側にはディレイセレクター2台と、その下にSHURE UR4D+(ワイヤレスシステム)が2台セットされている。

 

SYSTEM STATION

エフェクターボード下のラック中央にはTEN SYSTEM STATION (MIDIコントローラー)をセット。本機はアンプやエフェクターを含めたサウンドシステム全体の切り替えなどを一括コントロールできるツールで、テクニシャンがリアルタイムで操作する。テクニシャンとの連携なくしてB’zのライブは成り立たないことがわかる。

 

FOOT PEDAL

ステージ上の松本の足元にセットされているるのは、左からRemote Volume Controllerの信号を変換するBOX、Jim Dunlop TM95 TAK Cry Baby(松本孝弘シグネチャーワウ)、TEN製ボリュームペダル、KORG DT-10(デジタルチューナー)。TEN製ボリュームペダルは前述したTEN Remote Volume Controllerと連動しており、ペダルの踏み込み位置を知らせる役割を担っている。

 

【ACCESSORIES】

MIC STAND

B’zのライブではお馴染みの松本孝弘専用オリジナルマイクスタンド。優美な曲線が美しさと強いインパクトを発している。湾曲したマイクスタンドには市販のピックホルダーを装着できないため、両面テープを使ってセット。ピックホルダーが登場する以前の1970年代を思わせる手法が実にいい。

 

DRILL&HOLDER

マイクスタンドにはシンボル“玲”ロゴ入りのドリルホルダーをセット。ドリルホルダーも特注で、5月30日に行われた横浜アリーナ公演当日に完成したとのこと。「ZERO」で活躍したドリルは、電動ドリルのモーター音をギターのピックアップで拾ってトリッキーな音を出すというもの。スタッフが操作性に優れたものを用意している。

 

PICK

ピックはギブソン製オリジナル。セルロイド素材で厚さ0.72mmを使用。ティアドロップのミディアムタイプで、“玲”のロゴが入れられたものと<B’z LIVE-GYM 2026 -FYOP+->と記された2種類が用意されていた。ギターテックによると、松本は長年に亘ってミディアムピックを愛用しているそうだ。

 

DRINK HOLDER & 松本孝弘 SINGLE MALT WHISKEY「藍音/AION」

ステージ上のアンプ横にセットされたドリンクホルダーには、松本が愛飲するウイスキーブランド“あかし”の老舗メーカー“江井ヶ嶋酒造”とのコラボレーションにより生まれたオリジナルウイスキー“AION”が置かれていた。AIONは、江井ヶ嶋酒造が大切に育んでいるモルトウイスキーの樽数本を松本自身が試飲し、シェリー樽とバーボン樽を掛け合わせたテイストに仕上げられている。日本独自の色である“藍色”と“音”を組み合わせて“AION”と名づけられた。なお、“玲”は“澄んだ輝きや美しい音”を表す言葉で、松本のシンボルとも言えるものだ。

 

構成◎梶原靖夫 (BARKS編集長)
文◎村上孝之
機材撮影◎TOYO
写真 ©︎VERMILLION, ©︎Dynamic Planning・TOEI ANIMATION

 

■<B’z LIVE-GYM 2026 -FYOP+->5月30日(土)@神奈川・横浜アリーナ SETLIST/使用ギターLIST
01.FAITH?
 Gibson / Custom Shop 1958 Korina Flying V Reissue VOS #841124
02.濁流BOY
 Gibson / Custom Shop 1958 Korina Flying V Reissue VOS #841124
03.ZERO
 Gibson / Tak Matsumoto Double Cutaway Prototype
04.おでかけしましょ
 Fender / CUSTOM SHOP Stevie Ray Vaughan Sighnature Stratocaster Relic 2019 #CZ537894
05.love me, I love you
 Gibson / Tak Matsumoto Double Cutaway Custom Prototype #2007-4
06.今夜月の見える丘に
 Gibson / Tak Matsumoto Double Cutaway Custom Prototype #2007-4
07.ペインキラー
 Gibson / Tak Matsumoto Les Paul Standard Canary Yellow Prototype 2017 #1
08.片翼の風景
 Gibson / Tak Matsumoto Double Cutaway Custom Prototype #2007-4
09.鞭
 Gibson / Tak Matsumoto Double Cutaway Custom Prototype #2007-4
10.今では…今なら…今も…
11.#1090 〜Million Dreams〜
 Gibson / Tak Matsumoto Double Cutaway Prototype
12.イルミネーション
 Gibson / Tak Matsumoto Double Cutaway Prototype
13.完全無欠
 Gibson / 71 Flying V Michael Shenker Black/White #MSFV07
14.FMP
 Gibson / 71 Flying V Michael Shenker Black/White #MSFV07
15.有頂天
 Gibson / 1983 Moderne Heritage Korina #F 073
16.Heaven Knows
 Gibson / 71 Flying V Michael Shenker Black/White #MSFV07
17.Liar! Liar!
 Gibson / 71 Flying V Michael Shenker Black/White #MSFV07
18.ultra soul
 Gibson / Tak Matsumoto Double Cutaway Prototype
encore
19.その先へ
 Gibson / 55 Les Paul Standard Nugget Gold Murphy Lab Light Aged NH  #55172
20.ミエナイチカラ 〜INVISIBLE ONE〜
 ERNIE BALL / MUSIC MAN EVH 1995 #85979

 

■アルバム『FYOP』
【FYOP+盤(2CD+アナザージャケット)】
BMCV-8081 5,000円(税込) / 4,545円(税抜)
封入特典:アナザージャケット

▼CD収録曲
●DISC1
01 FMP
 (アサヒスーパードライTVCMタイアップソング)
02 恐るるなかれ灰は灰に
 (TBS系 金曜ドラマ『イグナイト -法の無法者-』主題歌)
03 濁流BOY
04 鞭
 (ABEMAオリジナルドラマ『インフォーマ -闇を生きる獣たち-』主題歌)
05 INTO THE BLUE
 (シチズン ブランド横断コレクション『UNITE with BLUE』CMソング)
06 FAITH?
07 片翼の風景
08 イルミネーション
 (NHK 連続テレビ小説『おむすび』主題歌)
09 The IIIRD Eye
 (映画『LUPIN THE IIIRD THE MOVIE 不死身の血族』主題歌)
10 その先へ

●DISC2 ※FYOP+盤にのみ収録
1 Heaven Knows
 (読売テレビ・日本テレビ系全国ネット『名探偵コナン』オープニングテーマ)
2 FMP
 (ライブ音源<B’z LIVE-GYM 2025 -FYOP- at Tokyo Dome>)
3 恐るるなかれ灰は灰に
 (ライブ音源<B’z LIVE-GYM 2025 -FYOP- at Tokyo Dome>)
4 鞭
 (ライブ音源<B’z LIVE-GYM 2025 -FYOP- at Tokyo Dome>)
5 INTO THE BLUE
 (ライブ音源<B’z LIVE-GYM 2025 -FYOP- at Tokyo Dome>)
6 イルミネーション
 (ライブ音源「B’z LIVE-GYM 2025 -FYOP- at Tokyo Dome>)
7 The IIIRD Eye
 (ライブ音源<B’z LIVE-GYM 2025 -FYOP- at Tokyo Dome>)

 

関連リンク
◆アルバム『FYOP』特設ページ
◆B’z オフィシャルサイト
◆B’z オフィシャルX
◆B’z オフィシャルInstagram
◆B’z オフィシャルFacebook
◆B’z オフィシャルYouTubeチャンネル
◆松本孝弘 オフィシャルサイト