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 ◇W杯北中米大会決勝トーナメント1回戦 ブラジル ― 日本(2026年6月29日 ヒューストン)

 サッカーのW杯北中米大会決勝トーナメント1回戦(29日=日本時間30日午前2時)で日本(FIFAランキング18位)と対戦するブラジル(同6位)は言わずと知れたサッカー王国だ。W杯では最多優勝5度。欧州の強豪クラブで活躍する選手も多いが、近年の成績だけに限れば苦戦している感は否めない。

 W杯は1930年から唯一、全大会に出場しているが、94年を最後に5大会優勝がなく、これは3度目のワーストタイ記録。今回も戴冠を逃せば新記録となる。南米選手権では2019年に優勝しているが、その後の2回はアルゼンチンが連覇。メッシを擁して前回22年W杯を制した宿敵に差をつけられていることは否定できないだろう。

 ただ、南米予選5位と苦戦の末にたどり着いた今大会は右肩上がりに調子を上げている。モロッコと対戦した1次リーグ第1戦は前半32分にFWビニシウス(Rマドリード)の同点弾で追いつくまで前回4位の難敵に圧倒され、地元メディアは1―1で引き分けた試合後も猛烈に批判。一部では「2014年の準決勝でドイツに1―7で惨敗した時以来、ブラジルがW杯で演じた最悪の45分間」と報じられた。

 W杯で初めてブラジルを率いる外国人となったイタリア出身のアンチェロッティ監督もメンバー選考などで批判にさらされた。しかし、ハイチとの第2戦、スコットランドとの第3戦でいずれも3―0の快勝。Rマドリードで重用して世界屈指のアタッカーに成長させたビニシウスを本来の左ウイングだけでなく、中央寄りの位置でプレーさせるなど高い決定力をより生かす戦い方でさらに力を引き出し、エースは3戦連発の4得点と最高の結果で応じている。ビニシウスは「世界最高の監督」と恩師を称え、アンチェロッティも愛弟子を「彼がこのレベルに到達できることに疑いはなかった。世界最高峰のトップクラスの選手」と賛辞を惜しまない。

 2戦目から先発組に入ったFWクニャ(マンチェスターU)も3得点。第3戦で初先発した19歳のFWラヤンは先制アシストで貢献し、負傷欠場したFWラフィーニャ(バルセロナ)の穴を埋めた。過去の日本戦で5試合9得点と圧倒的な実績を誇る34歳のFWネイマール(サントス)も第3戦で2年8カ月の代表戦出場を果たして試運転を終えている。

 最終ラインは欧州チャンピオンズリーグで優勝したパリSGのラフィーニャと準優勝したアーセナルのガブリエルがそれぞれ統率力と対人能力の高さを生かして引き締める。

 昨年10月の親善試合で3―2と逆転勝ちした森安ジャパンだが、高い壁であることは間違いない。