『主要食糧価格安定法』改正案が通ったら《お米の価格》は今より上がる?「民間備蓄」が創設されるメリットはあるのでしょうか?

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2024年の夏から秋にかけて、スーパーの棚からお米が消え、価格が急騰した「令和の米騒動」は記憶に新しいところです。主食であるお米が買えない、買えても高くて家計を圧迫するという事態は、多くの消費者に不安を与えました。   こうした事態を教訓として、第221回国会では「主要食糧の需給及び価格の安定に関する法律の一部を改正する法律案」、いわゆる食糧法改正案が提出されました。   この法案によって、これからのお米の供給体制や価格はどうなるのでしょうか。毎日の食費に与える影響と、これからの家計防衛術について解説します。

品薄パニックを防ぐため備蓄制度が見直される

改正案では、備蓄の目的として、需要量の増加などによる供給不足にも備えることが明記されました。つまり、作柄が悪いときだけでなく、急に需要が増えて店頭からお米が消えそうなときにも対応しやすくする狙いがあります。
さらに大きな変更点が、民間備蓄の創設です。国だけでなく、大規模なお米の出荷業者や販売業者にも一定量の在庫を常に保有させ、不足時には国が市場への放出を要請・命令できる仕組みを作る内容です。
これにより、急な品薄が起きたときでも、お米が店頭に並びやすくなることが期待されます。消費者にとっては、「買えないかもしれない」という不安が和らぐ点が大きなメリットです。

備蓄コストがお米の価格に上乗せされる可能性がある

お米の品薄不安が減ることは安心ですが、価格への影響も気になります。
民間事業者に備蓄を求めるということは、事業者側に新たなコストが発生するということです。
たとえば、倉庫の確保、保管費、品質管理、人件費、在庫管理システムの整備などが必要になります。お米は長く置けば品質が落ちるため、ただ倉庫に積んでおけばよいものではありません。
こうしたコストを事業者がすべて負担し続けるのは簡単ではありません。利益を圧迫すれば、最終的には店頭価格に転嫁される可能性があります。つまり、安定供給の仕組みが強くなる一方で、普段のお米の価格が少し高くなることも考えられます。
もちろん、備蓄制度は食料安全保障のために重要です。お米は日本の主食であり、必要なときに買えない状況は避けなければなりません。
ただし、消費者としては「供給が安定する代わりに、一定のコストを価格として負担する可能性がある」と理解しておく必要があります。
家計管理では、お米の価格が以前の水準にすぐ戻ると期待しすぎないことが大切です。毎月の食費予算に少し余裕を持たせ、値上がりしても慌てない買い方を意識しましょう。

お米の価格は高止まりしやすくなる可能性がある

改正案では、これまで国が主導してきたお米の生産調整、いわゆる減反政策を廃止し、生産者が主体的に需要に応じた生産を行うことが規定されています。
一見すると、農家が自由に生産しやすくなり、お米が増えて価格が下がりそうに感じるかもしれません。しかし、「需要に応じた生産」とは、需要が減っているなら生産量も抑えるという考え方でもあります。
お米は需要より多く作られると価格が下がりやすくなります。消費者にとっては安く買えるメリットがありますが、生産者にとっては収入減につながります。そのため、需要を見ながら生産量を調整し、価格を安定させることが重視されます。
この仕組みには、米価を高めに維持する狙いがあるとの指摘もあります。今後、豊作になったとしても、かつてのようにお米が大きく値下がりする状況は期待しにくいかもしれません。
家計にとっては、お米を「安い主食」として当然のように考える時代から、価格変動を見ながら買い方を工夫する時代に変わりつつあります。特売日を活用する、複数の販売店を比べる、ふるさと納税や定期購入を検討するなど、買い方の見直しが必要です。

まとめ

食糧法改正により、お米の安定供給に向けた仕組みは強化される見込みです。国の備蓄だけでなく、民間備蓄の仕組みが整えば、急な品薄や買い占めによる混乱を防ぎやすくなることが期待されます。
一方で、備蓄には倉庫代や管理費などのコストがかかります。その負担が店頭価格に反映されれば、お米の価格が高止まりする可能性もあります。また、需要に応じた生産が進むことで、お米が大きく安くなる状況は期待しづらくなるかもしれません。
これからの食費対策では、お米だけに頼りすぎず、パン、うどん、パスタ、麺類などを価格に応じて組み合わせることが大切です。ふるさと納税でお米の定期便を選ぶ、特売を活用する、必要以上の買いだめを避けることも家計防衛につながります。
主食の価格は、毎日の家計に直結します。制度の変化を知り、買い物の仕方や献立を柔軟に変えていくことが、これからの食費を守るための大切な工夫になるでしょう。
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
ファイナンシャルプランナー