一般財団法人家電製品協会(AEHA)は、2026年6月15日、第6回家電産業交流会を、東京・永田町のザ・キャピトルホテル東急で開催し、約250人の業界関係者が参加した。冒頭には、同日に開催された理事会で、同協会の理事長に新たに就いた大隅英貴氏(日立グローバルライフソリューションズ社長 CEO)が挨拶した。

大隅理事長は、「家電リサイクル法が、2001年4月に本格施行されて、25年を経過した。2025年度だけで、主要4品目(エアコン、テレビ、冷蔵庫、洗濯機)合計で1450万台の家電をリサイクルし、2026年度中には累計引き取り台数は3億5000万台に達する。今後も各種啓発活動を通じて、サーキュラーエコノミーの大切さを発信し、家電リサイクル法を推進することで、良質な再生資源の供給に貢献する。また、新たな資格認定制度として、ZEHコーディネーター試験を、2026年9月から開始する。ZEHの普及に向けて、消費者に最適な提案ができる専門人材を育成するものであり、サステナブルな循環型社会の形成と、消費者に安全で快適な暮らしを届けるために、関係者などとともに取り組む制度となる。これまでの活動を踏襲しつつ、新規事業にも果敢に挑戦したい」と述べた。

家電製品協会の大隅英貴理事長

家電製品協会は、家電メーカーなど25社と、関連11団体が賛助会員として参加。家電製品の安全性の向上、アフターサービスの充実、廃家電製品対策、省エネルギーおよび省資源対策など、家電製品に共通する諸問題を総合的に捉えた活動や調査、研究のほか、政策への提言なども行っている。

2024年9月に創立50周年を迎え、2025年3月に、記念式典を開催。2026年1月には、東京・北の丸公園の科学技術館に、「家電リサイクルワールド」をオープンし、家電リサイクル法の認知拡大に向けた活動につなげている。

なお、理事長に就いた大隅氏が社長 CEOを務める日立グローバルライフソリューションズは、2026年4月に、ノジマへの家電事業の譲渡を発表している。また、大隅社長 CEOが業界団体のトップを務めるのは、全国家庭電気製品 公正取引協議会に続き、2団体目となる。

家電産業交流会で、来賓として挨拶した経済産業省商務情報政策局情報産業課の南部友成課長は、この日午前中のトランプ大統領の発言によって注目を集めていた中東情勢に触れ、「米国とイランが、戦争終結に関する覚書に合意したと発表した。事態の収束に向けた大きな一歩として歓迎している。覚書が着実に実施され、ホルムズ海峡における自由で安全な航行が確保されるとともに、イランの核問題について、最終的な合意が1日でも早く実現することを期待している」と述べた。

経済産業省商務情報政策局情報産業課の南部友成課長

その上で、「日本は関係各国とのエネルギー外交を積極的に進め、日本経済への影響を最小限にすべく全力で取り組んできた。原油については、ホルムズ海峡を経由しない調達に取り組み、先週は、米アラスカから原油が到着した。そのほかにも、中南米、アジア太平洋、中央アジア、アフリカに加えて、カナダからの輸入も決定した。7月にはメキシコからも原油が届く。6月については約8割の代替調達が確保でき、7月は前年比で10割の調達に目途をつけている。米国からは前年比で10倍以上の調達を進める。これまでは、日本の原油輸入の9割が、ホルムズ海峡を通過していたが、7月は全量をホルムズ海峡ルート以外から調達できる。石油業界の努力の賜物である。ナフサについても、中東以外からの代替調達が85%の水準に達している。ナフサ由来の化学製品を含む石油製品についても、前年同期実績を超えた供給が可能となっている。日本全体として必要な量を確保できているが、流通段階では一部物資の目詰まりが発生しているのが実態だ。供給見通しに対する不足や、実績以上の発注などにより、現場では物資不足が見られている場合がある。政府としては目詰まり対策をきめ細かく進めることで、買いだめなどを解消し、市場の混乱の回避に全力で取り組んでいる。もし、なんらかの目詰まりが発生したら、経産省に一報してほしい。全力で対応する」と語った。

また、「家電製品協会は、家電リサイクル法の円滑な施行において、主導的な役割を担ってきた。2026年度中に累計引き取り数が3億5000万台を突破するという大きな成果もあげている。また、家電製品の事故の発生に関する相談や、家電製品アドバイザーなどの資格認定制度にも取り組んでいる。今年も暑い夏が想定され、熱中症予防のためにもエアコンの円滑な流通が重要である。国民生活の重要な基盤である家電製品に関して、円滑な流通、活用に取り組むことを期待する」と述べた。

乾杯の音頭を取った家電製品協会 評議員代表の梅田靖氏(東京大学大学院教授)は、「家電リサイクル法は、ますます日本のモデルケースになっていくだろう。政府は、循環経済行動計画を打ち出し、そのなかで、鉄、銅、アルミ、永久磁石を対象にしたメタルリサイクル推進戦略を示している。ここには、家電業界が先頭に立って、モデルケースを作ってくれるだろうという期待感がある。改正資源有効利用促進法では、海外連携を推進しようとしているが、実行性を持つ形で実装されるかが課題である。そうした点でも、家電製品協会がリーダーとなることを希望している」と挨拶した。

乾杯の音頭を取る家電製品協会 評議員代表の梅田靖氏