ハイドレーションブレイクを過ごす米国代表【写真:ロイター】

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連載「ワールドカップ・トリビア」第3回

 地球規模のスポーツの祭典、サッカーのワールドカップ(W杯)北中米大会が11日(日本時間12日)に始まった。「THE ANSWER」は期間中、今さら人に聞けない素朴なギモンに回答する連載「ワールドカップ・トリビア」を展開。スポーツ新聞社の記者としてJリーグ開幕前からサッカー取材を続けてきたスペシャリスト・荻島弘一氏が、ズバリ答える。第3回は「給水タイムが設けられたワケ」。

 ◇ ◇ ◇

Q.どうして試合中に休憩時間があるの?

A.暑さで選手が危険だから

【解説】

 今大会では前後半に1回ずつ、ハイドレーションブレイク(給水タイム)という3分間の試合中断時間が設けられています。通常は温度や湿度など暑さが厳しい時にとられる休憩時間ですが、今大会は公平さが考慮されて、すべての試合でとることが義務付けられています。

 ルール自体は決して新しいものではありません。FIFAは12年に暑さから選手を守るため、前後半45分の中で主審が試合を止めて選手を休ませることを認めています。14年のW杯ブラジル大会でも採用されるなど、真夏の試合には欠かせないルールになっています。日本ではFIFAよりも早く、11年には小学生年代の試合で給水タイムをとることが認められています。

 3分間の休憩で選手は水分を補給し、暑さから体を休めます。選手交代をしたり、戦い方を確認したり、戦術的に使われる貴重な時間でもあります。前後半の間のハーフタイムで布陣や戦術を変え、戦況が一気に変わることは珍しくありませんが、これが給水タイムで行われる可能性もあります。給水タイムの前後でまったく違うチームに、そういう試合も増えてくるはずです。

「サッカーがクォーター制になる」という指摘もあります。アメリカで人気のあるNFLやNBAは試合時間を4分割したクォーター制。もともとのルールでは前後半だったのですが、競技として発展する過程でクォーター制になりました。今大会のサッカーも試合を4分割したクォーター制の戦い方が必要になるというわけです。

 3分間の休憩時間はテレビ放送にとってもCMを入れるのに好都合。採用が決まった当初は「CMタイム」と揶揄されました。これも、スポーツの商業化が進んだアメリカらしい話ではあります。

 ちなみに、試合が中断された3分間は「空費された時間」としてアディショナルタイムに加算。今大会、試合時間は最低でも前半48分、後半48分は行わるということです。

(荻島 弘一 / Hirokazu Ogishima)

荻島 弘一
1960年生まれ。大学卒業後、日刊スポーツ新聞社に入社。スポーツ部記者としてサッカーや水泳、柔道など五輪競技を担当。同部デスク、出版社編集長を経て、06年から編集委員として現場に復帰する。山下・斉藤時代の柔道から五輪新競技のブレイキンまで、昭和、平成、令和と長年に渡って幅広くスポーツの現場を取材した。