中2でHカップ→「デブ」「奇形」と言われ→胸のせいで高校は1日で退学…バスト130cmグラドルが大きすぎる胸を“さらしとガムテープ”でぐるぐる巻きにした学生時代〉から続く

 胸囲130センチMカップでグラビアを中心に活躍するねぎとろまるさん。小5で胸のサイズがDカップ、中学2年の時にはHカップになった胸の大きさにずっと苦しめられてきたという。

【特別グラビア】「手術をしてでも取りたい」と思っていた130cmのバストが、現在はグラビアで活躍する武器になったねぎとろまるさん。

 男子に「デブ」「奇形」とバカにされ、高校の入学式では「こいつは柔道部」と揶揄されるなど体型に関する悩みを深めていたが、「まったく相談できる状況じゃなかった」という家庭環境も悩みを深くしていた。

 母親はうつ病でオーバードーズを繰り返し、浮気相手とのラブホテル代まで娘に借り、果てはねぎとろまるさんの教育ローンにまで手をつけて男性に貢いでいた……。生まれ育った過酷な家庭環境と、母親から離れるまでの話を聞いた。(全3回の2回目)


精神的に不安定な母親の面倒を小学生の頃から見るしかない家庭環境に苦しんだねぎとろまるさん ©文藝春秋 撮影・細田忠

◆ ◆ ◆

--学校での悩みを相談できないくらい親との関係は悪かったんですか?

ねぎとろまる 関係が悪い以前に、そもそも家庭環境がボロボロだったんです。父親はパチンコ依存で、母親がキャバクラで働いて生計を立ててたんですけど、私が2歳のときには両親が離婚して母子家庭でした。数年後には再婚予定だった相手を友達に略奪されてうつ病になり、お母さんは毎日「死ぬ」って言いながら泣いていました。

オーバードーズで倒れる母親を見て「私が助けなきゃ」

--5歳の子どもが直面するにはハードすぎる環境です。

ねぎとろまる お母さんはその後別の人と再婚したんですけど新しいお父さんが放置型の人で、お母さんがオーバードーズして泡吹いて倒れててもあっけらかんとしてるんです。

--でも倒れてるのを放っておけませんよね……?

ねぎとろまる 母方のおばあちゃんが近所に住んでいたんですけどまだ働いていて日中はいないし、きょうだいもいなかったので私がやるしかなかったです。

--どんなことをしていたんでしょう?

ねぎとろまる オーバードーズして倒れたら救急車を呼ぶし、お母さんが不安定な日は自殺するんじゃないか心配で学校を休んで見守ったり。死んじゃいそうなお母さんを見て「私が助けなきゃ」って思ってました。

 小学生のときからよく「落ち着いてるね」って言われてたんですけど、たぶん誰にも頼れないから落ち着くしかなかったんだと思います。

--確かにそんな状況だと体型の悩みを相談するどころではないですね……。

ねぎとろまる そうですね。なので、小3のときに友達の親戚のおじさんに性的なことをされたことがあったんですが、その時も何も言えませんでした。

--何があったのですか。

ねぎとろまる 友達の家に放課後に遊びに行ったら、その子の親戚のおじさんがいて。こたつで座ってたらおじさんに膝の上に乗せられて、そのときに下着の中に手を入れられました。

 子どもだったから何が起きてるのかはよくわからなかったんですが、「これは絶対によくないことだ」と思いました。でもお母さんはあんな状態なのでとても打ち明けられなくて。

--ほかに相談できた人は?

ねぎとろまる 仲のいい友達に相談したら学校の先生に説明してくれたんですけど、話を聞くだけで何も進展がなくて。代わりに親に伝えてくれるわけでもないし、おじさんが逮捕されるわけでもない。大人って何もしてくれないんだなって思いました。

--親にも、学校にも頼れない。

ねぎとろまる その時から、結局大人を頼っても何も変わらないんだなと失望しちゃった気がします。それ以降は、体型や胸のことで悩んでも大人に助けを求めるって発想自体がなくなっていきました。お母さんの面倒を見るのに疲れ果ててしまって、小6の終わり頃には学校へも自然と行かなくなりました。

「6000円貸して」とラブホテル代を娘にねだる母親

--精神的にかなり追い詰められていた?

ねぎとろまる キッズ携帯で「自殺」「死に方」と調べたり、ハサミでリストカットもしてました。もう全部どうでもいいというか、何も考えられなくなっていたような気がします。

--母親の状態はその後よくなったりしたのですか?

ねぎとろまる むしろ悪化する一方でしたね。2番目のお父さんにはなついていたんですけど、私が中学に入った頃にお母さんの浮気がわかってからはもう帰ってこなくなっちゃって。結局そのまま離婚。お母さんは離婚の原因になった彼氏に夢中で、私のことそっちのけで彼氏のところに入り浸ってたので、もうお母さんはいないものだと思って学校での悩みごとも1人で抱え込んでいました。

--中学生で実質1人暮らし状態に?

ねぎとろまる たまに帰ってはくるんですけど、別に家事をしたりしてくれるわけじゃないんです。帰ってくるたびに「6000円貸して」と言われるようになって、最初は「6000円ってなんだろう?」と不思議だったんですけど、すぐにそれが彼氏とのラブホテル代なんだとわかっちゃって……。彼氏がお金のない人で、お母さんがお金を出してあげてたんです。

 でもお母さんもお金がないから、娘の私に「貸して」って。おばあちゃんからもらったお小遣いを渡すんですけど、一度も返ってきませんでした。

--思春期の娘に、母親がラブホテル代を借りに来る。

ねぎとろまる 普通の家庭じゃないですよね。離婚する前からお母さんが他の男の人と遊んでるのを日常的に見て育ったので、性的なことも他の子より早く知識がつきました。

 でも正直、オーバードーズとか他に大変なことがありすぎてラブホテルの件ではそこまでショックを受けなかった気がします。その辺はもう諦めてたというか。

「私のこともういらないのか」と絶望した母親の一言

--感覚が鈍くなっていった。

ねぎとろまる ただ中2のとき、今でも鮮明に覚えてるくらい心がえぐられた出来事があったんですよ。お母さんと彼氏と3人で車で移動してる時に、突然お母さんが軽いノリで「この人と住むから、あんたおばあちゃんち住まん?」って言い出して。

--それは……。

ねぎとろまる 「えっなんで?」って頭が一瞬真っ白になりました。それまでだって母親らしいことはほとんどしてくれなかったし、ひどいお母さんだと思ってたけど、それでも私のことは愛してくれてるとどこかで信じてたんです。なのにそんなこと言われて、こんなよくわからない男のところに行くから私のこともういらないのかって……。信じていたものが一気に崩れ落ちました。

--最後の一線を超えてしまった。

ねぎとろまる さすがにそのときはショックが大きすぎて、泣きわめきました。それでもお母さんはその彼氏とは別れず、私の教育ローンまで使って何百万も貢いだあげくに数年で別れました。それでさらにメンタルが不安定になったお母さんの世話をしながら2人で暮らす生活に逆戻りしました。

--まだ中学生なのに、誰にも頼れないどころか親の世話までしなければいけなかったんですね。

ねぎとろまる 近所のおばあちゃんの家に行くことも考えたんですけど、私はすでに不登校になっている時期で、おじいちゃんが不登校を許さない人だったので難しくて。ただお母さんは彼氏と毎日のようにラブホテルに行って家にいないので、高校を1日で退学した後は1人でずっとオンラインゲームをするようになって、アメーバピグで知り合ったたまたま近くに住んでいた10歳上の男性と付き合い始めました。

--15歳と25歳だといろいろ問題がありそうですが。

ねぎとろまる いま思えば法律的にもアウトなんですけど、初めて好きになって初めて付き合った人だったので舞い上がっていました。私の家庭環境を見て「俺がちゃんと働いて一緒に暮らせるようにするから」と言ってくれたり。

--支えになっていたんですね。

ねぎとろまる まともに仕事はしてない人だったんですけど、10歳年上だから大人に見えるし車も持ってて。親がくれなかった安心感や甘えたい気持ちをその人で埋めていたんだと思います。浮気性だったんですけど、それでも完全に依存してしまってました。男性に依存するお母さんを見て「絶対ああなりたくない」って思ってたのに、気づいたら私も同じことをしてたんです。

--ねぎとろまるさん自身に変化はありましたか?

ねぎとろまる 当時は体重もかなりあったんですけど、「この体型でも私のことを好きだと言ってくれる人がいる」というのは驚きでした。出会ってからも外に出る時は胸にさらしを巻いてたんですけど、彼氏に「別に巻かなくていいじゃん」って言われて、巻かなくても大丈夫なのかもしれないと初めて思えました。それでさらしをやめて、ブラジャーをつけられるようになりました。

--高校を退学して、彼氏ができて、どんな生活をしていたんですか?

ねぎとろまる 数年は完全に引きこもりで、彼氏に会いに出かける時だけ外に出るような感じでした。19歳の時にさすがに焦って手に職をつけなきゃと歯科衛生士の専門学校に行くことにしました。もともと人のためになる仕事がしたくて、医療系の仕事に興味があって。専門学校はどうにか3年で卒業できました。

--卒業後は歯科衛生士に?

ねぎとろまる クリニックに就職はできたんですけど、先生と合わなくて9カ月で辞めようとしたら「家族だと思ってたのに、裏切り者!」って急に怒鳴られたんです。ショックで翌日から出勤できなくなっちゃったら、一緒に働いてた友人にも「気持ちはわかるけど飛んじゃうのはどうなの?」と非難されて、仕事も友達も一気に失いました。

「このままじゃダメだ、母親から逃げないと」

--辛いですね。

ねぎとろまる 少し前に彼氏とも別れていたので、22歳でまたひとりぼっちになったことに絶望しました。中学時代の死にたい気持ちが戻ってきちゃって、市販薬でオーバードーズしておばあちゃんの家の2階から飛び降りました。緊急搬送されたんですけど、かかとの粉砕骨折だけで死ぬこともできず。

--無事で良かったです。

ねぎとろまる 入院している間にいろんなことを考えて、飛び降りた直接の原因は仕事と友達を失った孤独感だったけど、メンタルがずっと不安定なのはやっぱりお母さんの近くにいるからじゃないか、って気づきました。小さい頃からずっとお母さんのお世話をして振り回されてきて、お母さんが不安定になると、私も引きずられて調子が悪くなる。それで「このままじゃダメだ、母親から逃げないと」って強く思ったんです。

--ついに逃げる決心を。

ねぎとろまる それで23歳のときに家族に上京宣言して、その2週間後には5万円を握りしめてキャリーケースひとつで夜行バスで奈良を離れました。

〈「結局乳で稼いでるやん」と言われたことも…Mカップグラドル・ねぎとろまるがコンプレックスだった“130cmの胸”を“自分の武器”に変えられた理由〉へ続く

(雪代 すみれ)