「あらべっぴん!」病気の早期発見にも…広がる″介護美容″施術者の活動に密着
皆さんは『介護美容』という言葉をご存知でしょうか。「高齢者や介護を必要としている人にメイクや肌の手入れ、つまりはおしゃれをすること」です。受けた人は気持ちが前向きになるだけでなく、病気の早期発見にもつながるなど健康維持の効果もあるとして、今広がりを見せています。県内で介護美容の活動を行う女性を取材しました。
熊本市の特別養護老人ホーム。出本麻奈美さん。『介護美容』を行う一般社団法人「KUMA.」の代表理事を務めています。老人ホームなどでメイクやエステなどを行う『介護美容』。
高齢者の笑顔を引き出す出本さんの活動に密着しました。介護美容を行う一般社団法人の出本麻奈美さん。この日は看護師や介護福祉士などの資格を持つ3人と入所者たちにエステや爪のケアをしました。元々言語聴覚士として15年ほど働いていた出本さん。やりがいを感じる一方で、入院してきた高齢者を限られた時間で元気にすることに難しさを感じていたといいます。そんなときに出会ったのが『介護美容』でした。
■出本麻奈美さん
「髪型とかお洋服とか褒められたりとかした時に、すごく喜ばれる高齢者の方が多いなっていうので調べていたら介護美容っていうのがあるっていうことを知って」
年々、全国的に広がりを見せている介護美容。利用者の数は2025年9月までの5年間で9.5倍ほどに増えています。
■野田美恵子さん
「よろしくお願いします」
野田美恵子さん(99)。始めは美容に前向きではありませんでしたが…
「色はどうですか」
「いいです。上等です」
徐々に表情が明るくなっていきます。
本人の自信につなげるために口紅など、できることはやってもらう。出本さんたちが大切にしているポイントです。
■野田美恵子さん
Qエステやってもらってどうでした?
「幸せです」
老人ホームなどの個室や個人宅への訪問も行います。
■出本麻奈美さん
「お顔のマッサージよろしいですか」
97歳の池内節子さん。去年1月からこの老人ホームに入居していて、介護美容を利用するのは3回目です。出本さんとの会話は良い刺激になっていると家族は話します。
■娘・坂田裕子さん
「だんだんおしゃべりが増えてきたんですよ。前向きになったっていうんですか。ここ(老人ホーム)にいますので介護美容の人が来るとお店に行った気分を味わえるんじゃないでしょうか。とっても肌つや良くなったから母が喜ぶことが一番嬉しいので」
介護美容を通して家族の安心にもつながっていました。
さらには、話を聞いたり肌の状態を見たりとひとりひとりに時間をかけることで病気の兆候に気付けることもあるといいます。
■出本麻奈美さん
「これはちょっとご家族に診察や受診を促した方がいいかもしれません。とかですね。そういったことをちょっとお伝えすることは今までも結構ありました」
これから介護美容がどこの施設でも当たり前に受けられるようになることが目標だという出本さん。活力になっているのは受けた人たちの笑顔です。
■出本麻奈美さん
「だんだん年取ってできることが少なくなって、お世話になってばっかりっていう、そういう思いがあられる方は結構多いと思うんですけど、そういう中で自分で選んだ色だったりとか、自分でまだできることがあるというか、自信につながるケアを届けていきたいなと思います」

