宗教団体エホバの証人」信者の男性が、教義により輸血を受け入れないことを理由に、前立腺がんの手術を断られたのは差別的だとして、名古屋市立大に330万円の慰謝料を求め名古屋地裁に提訴していたことが30日、分かった。1月28日付。大津地裁でも、信者の女性が輸血なしでの白内障手術を断られたとして、同様の訴訟を起こしている。

 男性の訴状によると、2024年8月、前立腺がんの疑いで名市大の東部医療センターを受診。輸血を受け入れない意思を伝えたところ、担当医からロボットを使った出血が少ない腹腔鏡手術が可能との説明を受け、手術を予約した。その後、担当医から倫理委員会に諮ったところ、無輸血での手術ができなくなったと伝えられ別の病院で手術を受けた。

 こうした経緯から、男性側は信教の自由だけでなく、医療を受ける権利や自己決定権を侵害していると主張。「医学的に、宗教上の信念に沿った治療は可能だったはずだ」としている。