何も悪くないのに「謝り続けてしまう…」身長133センチの女性が偏見と戦う社会のリアル【作者に聞く】

【漫画】本編を読む→骨太の漫画「133cmの景色」
月刊コミックバンチに掲載されたひるのつき子さん(@tsukkooo)の読み切り漫画『133cmの景色』は、Xに投稿されるやいなや11万7千いいねを集めた。本作は、主人公への共感や続編を求める声が多数寄せられている。この物語を描こうと思ったきっかけと、その想いをひるのつき子さんに聞いた。
■「小学生に間違われる」25歳の会社員が抱える苦悩


本作は、133センチで成長が止まってしまった女性が、食品会社に勤める会社員として偏見と戦いながら奮闘する物語だ。一見して小学生のような主人公が、見た目で判断されるハンデを乗り越え、自分を取り戻していく様子が繊細に描かれる。テーマは骨太だ。
主人公の吉乃華(よしの・はな)は25歳の会社員。低身長が壁となり、仕事も恋も上手くいかない毎日を送る。能力があっても同じ土俵に立たせてもらえない、恋愛の相手として対等に見てもらえない、それが彼女の悩みだった。
後輩の岩見に、いつも「戦いに行く覚悟で仕事をしている」とこぼす華。失敗をすれば「やっぱり」と言われてしまうからだ。華は、「自分が自分であることを謝り続けてしまう」。何も悪いことなどしていないのに、見た目で判断されるたび、「ごめんね」「すみません」といった謝罪の言葉を口にしてしまう。
■「見た目で判断する他人」と「自分を否定する自分」
落ち込む華に後輩の岩見は、他人から色眼鏡で見られたくないと思っているのに、自分で自分を否定していたら同じ穴の狢ではないかと語る。「見た目とは違う」自分こそが一番よく自分を知っているのだから、胸を張って自分を肯定すべきであり、自分の見た目を恥じなくてはならない理由など誰にもない。岩見の言葉によって華は前向きに進もうとする。
華は、普段クールな岩見が小さな犬を怖がっているのを見て、思わず「かわいい」とこぼす。そこで華は、岩見の見た目に勝手な人間像という偏見を持っていたことに気づく。自分自身もまた、相手を見た目で判断していたのだ。
見た目で判断され嫌な思いをするといった被害を受けることに敏感でも、自分が気づかないうちに誰かを傷つけている可能性を忘れてはいけない。『133cmの景色』はそう、私たちに問いかける。
■創作の原点と読者へのメッセージ
133センチの女性を主人公に物語を描こうと思ったきっかけは、「病気の影響で成長が止まった女性のインタビュー記事を読んだ担当さんからの提案でした」と明かす。「外見によって嫌な思いをしたり、性別によって軽んじられた経験があること、私自身も子どもの頃から病気と共に生きていることなど、同じような体験を通して私にも描けることがあるのではないかと思い挑戦させていただきました」と語る。
主人公のセリフ「いつも戦いに行く覚悟で仕事してるの」に込めた思いについては、「現状、社会で生きることは誰にとってもある種の戦いだと思っています。何が戦いを生むのか、なぜ戦わなくてはならないのか、一人ひとりが考えていければもう少し優しい社会になるのではないか」と、作品に込めたメッセージを語った。
もしこの物語に続きがあるとしたら、華が先に岩見に好意を抱いている。「先に好きになるのは華ちゃんでしょうね。華ちゃんが恋愛に積極的なのに対して岩見くんはそこまでではないので、振り向かせるのはちょっと大変かもしれませんが、頑張ってほしい」と話す。
読者へのメッセージとして、「これからも誰かの心に響く漫画をお届けできるよう邁進していきますので、また読んでいただけましたら嬉しいです!」と語った。
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