19や20歳でもうF1表彰台ってどうなってんだ!? どんどん低年齢化が進むF1界「驚異の新人」はどうやって上り詰めたのか

この記事をまとめると
■2025年シーズンのF1は近年まれにみる実力派ルーキードライバーが多く輩出されている
■なぜ驚きの若さでF1へ上り詰めて入賞を果たせるのか4人のドライバーを比較する
■現代F1トップチームはマシン開発より速いドライバーの囲い込みが定番になってしまった
現代F1トップチームが発掘したダイヤの原石たち
今シーズン、2025年のF1は近年まれにみるルーキードライバーの当たり年といわれている。
メルセデスAMGのキミ・アントネッリ(19歳)は、F1デビュー戦となった開幕戦のオーストラリアGPでいきなり4位入賞。また、日本GPではレースをリードした史上最年少ドライバー(18歳7カ月12日)と、ファステストラップの史上最年少記録を更新。第10戦カナダGPでは3位表彰台も獲得している。

レーシングブルズのアイザック・ハジャー(20歳)は、第15戦F1オランダGP決勝で3位に入って、初の表彰台をゲットした。

ハースのオリバー・ベアマン(20歳)は、2024年の第2戦サウジアラビアGPで、虫垂炎になったカルロス・サインツJr.の代打で急遽フェラーリからF1デビュー。FP3からの急遽出場ながら予選は11位、決勝は7位入賞と鮮烈なデビューを果たしている。

キック・ザウバーのガブリエル・ボルトレート(20歳)も、第14戦ハンガリーGPで予選7番手、決勝ではアロンソとフェルスタッペンというチャンピオン経験者にサンドイッチされながら、最後は現役王者フェルスタッペンを抑えきって6位入賞。

いずれも驚くほどの若さでF1まで上り詰め、早くも入賞を果たしている。この早熟ぶり、F1ドライバーの低年齢化はどこから来ているのか?
4人のドライバーのレースキャリアのスタートをみてみよう。
才能あふれる若き天才ドライバーたちのレースキャリア
・アントネッリ:7歳でカート、15歳でイタリアF4選手権デビュー
・ハジャー:8歳でカート、15歳でフランスF4選手権デビュー
・ベアマン:8歳でカート、15歳でADAC・F4選手権とイタリアF4選手権デビュー
・ボルトレート:8歳でカート、15歳でイタリアF4選手権でデビュー

つまり、4人ともほぼ同じような経歴で、4輪レースデビューからレーシングカートで7〜8年のレースキャリアがあり。いずれも非凡なリザルトを記録して、自動車の運転免許を取得出来る18歳よりも早く、15歳でジュニアフォーミュラへステップアップしている。

そこで、それぞれ優勝やポールポジションを記録していくわけだが、F1のシートを射止めるための決定打になったのは、以下のように有力F1チームのジュニアチームに抜擢されたことだろう。
・アントネッリ:13歳のカート時代、2019年に「メルセデス・ジュニア・チーム」へ加入。当時から神童と呼ばれ、2020年と2021年に「CIK-FIAカート欧州選手権」2連覇。
・ハジャー:「FIAF3」のデビューレースで初出場初優勝を果たし、2021年に「レッドブル・ジュニアチーム」へ加入
・ベアマン:「BRDC・F3(GB3チャンピオンシップ)」デビュー戦2位、次戦でポールtoウィンを果たし、2021年に「フェラーリ・ドライバー・アカデミー」へ加入
・ボルトレート:2022年にフェルナンド・アロンソのドライバーマネジメント会社に加入。参戦初年度で「FIA F3」のチャンピオンになった2023年、「マクラーレン・ドライバー・デベロップメント・プログラム」のドライバーに

このように、現代のF1のトップチームは、非常に長期的な戦略を考えているのだ。テクノロジーがこれだけ進化しても、F1でコンマ1秒を縮めるには、マシンの開発よりも速いドライバーにハンドルを託すほうが、コスパがいいことを熟知している。カート時代からダイヤの原石を見つけ出し、ジュニアフォーミュラ時代には囲い込みをかけるのが定番になってしまった。

そして、実際そうして見出したドライバーたちが、F1で結果を出してくるのだ。いまやF1ドライバーになるのは、大人になってからでも目指せる宇宙飛行士になるよりも、ずっと狭き門だともいえるだろう……。
