スタバのドーナツの特長は、ビッグボリュームでありながら甘さ控えめであること
 ドーナツは、多様化の時代へ。

 食文化研究家のスギアカツキです。『食は人生を幸せにする』をモットーに、食トレンド、スーパーマーケットやスタバ、ダイエットフード、食育などの情報を“食の専門家”として日々発信しています

 星の数ほどある食べ物の中で、常に新たなブームを巻き起こしているのが、ドーナツ。2025年5月15日、東京・代官山にオープンしたロサンゼルスで大人気のドーナツショップ「ランディーズドーナツ」は、1か月経った今も連日行列を作っています。

 先日私は雨の日に店を訪れましたが、開店前からの整理券配布と行列には驚きを隠せませんでした。

◆それでもドーナツは“専門店一強”ではない

 ドーナツと言えば、日本発の生ドーナツ専門店「I’m donut?」(以下、アイムドーナツ)がニューヨークのタイムズスクエアに出店するというニュースもありましたし、国内でもアイムドーナツの人気はいまだ陰りが出てくる気配すらありません(どの店舗も連日大行列!)。

 しかしもう少し俯瞰して、ドーナツの人気傾向をX上での反応で見ていくと、スターバックスドーナツがなかなかの人気であることに気がつくのです。つまり、ドーナツは専門店一強ではなく、ミスタードーナツも含めて多様な進化を遂げているのです。

 そこで今回は、ドーナツ専門店がなぜ多くの人を行列させるのか?をひも解きながら、「ドーナツはスタバで十分!」と言わせるほどのスタバドーナツの魅力についてご紹介していきたいと思います。

◆専門店ドーナツは、ワクワクドキドキを満たしてくれる

 まずは、アイムドーナツやランディーズドーナツが、多くの人々に“並んでも買いたい”と強く思わせ、行列を生み出す理由について考えてみましょう。

 店舗のロケーションを整理すると、アイムドーナツは中目黒、渋谷、原宿、池袋(東京)と天神(福岡)、ランディーズドーナツは代官山。訪問目的は、観光もしくは休日の娯楽になるような場所ばかりで、そこで話題のドーナツを購入することは、観光欲(行ってよかった)と買い物欲(買ってよかった)を同時に満たしてくれるのです。

 お土産に持ち帰れば、老若男女が喜ぶでしょう。またドーナツに人が集まる理由は、顧客単価の低さにもあります。高級ブランドを購入するほど高価でもなく、有名レストランの食事と比較してもリーズナブル。

 1個であれば500円ワンコインで購入でき、数時間並ぶことさえできれば、誰もが憧れのドーナツを手にすることができるのです。これって、本当にものすごいことです!

◆スタバは、もっとも身近なオシャレドーナツ

 それでは次に、スタバのドーナツについてです。

 スタバでは2002年から、パン・菓子類の生地の大部分の製造や焼成取引先に対する技術指導を、大手ベーカリーチェーンであるアンデルセングループが担当しています。

 アンデルセンと言えば、デパ地下のベーカリーショップとして歴史が長く、食事パンやデニッシュ系の菓子パンのおいしさに定評がある専門店。

 現在(2025年6月13日時点)で販売されているドーナツは4種。実際に食べてみると、スーパーやコンビニで並ぶドーナツよりも大ぶりで、各段においしいことがわかります。

「シュガードーナツ」はシンプルながらもモチモチ感のある食べ心地。シーズンごとにさまざまなフレーバーが登場するクリーム入りドーナツは、程よいしっとり感とチョココーティングのバランスが良く、甘すぎないのが魅力。

◆価格もリーズナブルで、行列しない

 中でも「ティラミスマラサダ」は、マスカルポーネカスタードクリームとココアクリームが入ったハワイで人気のドーナツで、他店ではなかなか食べられないユニークさが際立つ商品です。