排ガス不正スキャンダル「ディーゼルゲート事件」でフォルクスワーゲンの元従業員4人が詐欺罪で有罪判決

ドイツの大手自動車メーカーであるフォルクスワーゲンが、ディーゼル車の検査で不正をしていたことが発覚した2015年の「ディーゼルゲート事件」をめぐる裁判で、フォルクスワーゲンの元従業員4人が詐欺罪で有罪となりました。
Landgericht Braunschweig: Haft für frühere VW-Manager wegen Dieselaffäre! | Geld | BILD.de
Four Former VW Managers Found Guilty in Emissions Trial - The New York Times
https://www.nytimes.com/2025/05/26/business/volkswagen-emissions-trial.html
German court sends VW execs to prison over Dieselgate scandal - POLITICO
https://www.politico.eu/article/german-court-vw-execs-prison-dieselgate-scandal-volkswagen-environment-illegal-pollution/
アメリカの環境保護庁は2015年9月に、フォルクスワーゲンのディーゼル車の多くに、排気ガス検査の時だけ有害な排出物質を減らす違法なディフィートデバイスが搭載されていることを発見しました。
フォルクスワーゲンの自動車に搭載されたディフィートデバイスは、車両が排気ガス検査を受けていることを検知し、テスト中だけ環境基準を満たすよう性能を調整していましたが、実際に車両が路上を走る時は基準を大幅に上回る汚染物質が排出されていたとのこと。

2017年に、フォルクスワーゲンがアメリカで排出ガスデータを不正に操作していたことを認めると、ヨーロッパの自動車産業全体を巻き込んだ史上最大級のスキャンダルとなりました。
近年のEV不振により、EVシフトで日本やアメリカの自動車産業をリードしてきたヨーロッパの自動車産業は軌道修正を余儀なくされていますが、そもそも欧州車がEVへと傾倒するようになったのは、このディーゼルゲート事件が発端だとされています。
2019年、ドイツの検察当局は、当時のフォルクスワーゲンのCEOであるヘルベルト・ディース氏および会長のハンスディーター・ディース氏と、ディーゼルゲート事件の発覚直後にCEOを辞任したマルティン・ウィンターコルン氏の3人を、排出量詐欺に関連する市場操作の罪で起訴しました。
その後の2020年に、フォルクスワーゲンがディース氏とディース氏のスキャンダルに関する罰金として1人当たり450万ユーロ(約7億3000万円)、2人合わせて900万ユーロ(約14億6000万円)を支払ったことで、ドイツの裁判所は両人に対する訴訟手続きを終結させました。なお、ウィンターコルン氏は容疑を否認し続けているとのこと。

そして、2025年5月26日の裁判でブラウンシュヴァイク地方裁判所は、ディース氏らとは別に起訴されていたフォルクスワーゲンの元従業員4人を詐欺罪で有罪としました。判決の読み上げは4時間に及んだとのこと。
これにより、不正ソフトウェアに深く関与した元ディーゼルエンジン開発責任者であるイェンス・ハドラーには4年6カ月、元駆動系エレクトロニクス責任者のハンノ・イェルデンには2年7カ月の実刑が言い渡されました。
また、元ブランド開発責任者のハインツ=ヤコブ・ノイサーは、4人の中で職位が最高ですが、不正との関係性が比較的小さいため、執行猶予付きで1年3カ月の刑が言い渡されました。そして不正ソフトウェアの開発に関与した下位の管理職で、氏名の一部が非公開となっているトルステン・Dは執行猶予付きの1年10カ月の判決を受けました。
なお、今回の判決は確定していないため、4人は控訴することが可能です。
裁判には当初、ウィンターコルン氏も証人として参加する予定でしたが、健康上の理由で2021年9月に辞退して以来、保留となっているとのことです。
