記事のポイント
Googleは2025年3月に今年初のコアアップデートを実施。検索結果やトラフィックに対する影響は不透明で、パブリッシャーは対応に苦慮している。
パブリッシャーのあいだでは、アップデートの影響が見えにくいことや変動の激しさへの戸惑いが広がっており、SEOのベストプラクティスを維持する以外に有効な対策が見つかっていない。
専門家はアップデート終了後まで静観することを推奨。変化への過剰な対応は逆効果になる可能性があるため、冷静な判断が求められている。


2025年3月28日、Googleによる今年最初のコアアップデートが完了した。しかし、それがパブリッシャーにとってどのような意味を持つのかは、しばらくのあいだ明確にならないといえる。

Googleのコアアップデートは年に複数回実施されており、検索アルゴリズムやシステムの変更により、パブリッシャーのトラフィックに大きな影響を与える可能性がある。2024年のコアアップデートでは、多くのパブリッシャーが混乱に陥った

2024年3月に実施された、Googleの検索結果におけるスパムや低品質コンテンツの排除を目的としたコアアップデートは、ニュースパブリッシャーに大きな打撃を与え、多くのサイトが検索における可視性の低下を余儀なくされた。

さらに、2024年末にもGoogleのアルゴリズムが変更され、製品レビュー系パブリッシャーの多くが壊滅的な被害を受けた。

パブリッシング業界のタウンホールセッションで浮き彫りになった懸念



こうした背景のなか、パブリッシング業界の幹部たちは、3月末にコロラド州ベイルで開催された米DIGIDAYの「DIGIDAY PUBLISHING SUMMIT」の非公開タウンホールセッションにおいて、今回のコアアップデートについて活発に意見を交わした。

彼らのあいだで一致していたのは、Googleによるアップデートが毎回同じようなパターンで繰り返され、何が起きたのかわからないまま振り回されているという感覚だった。

GoogleがAIによる検索機能「AI Overviews」を発表してから約1年が経過しているが、パブリッシャーは、たとえばそれが自社の参照トラフィックに具体的にどのような影響を与えているのかについて、依然としてほとんど把握できていないのが現状である。

ある幹部は次のように述べた。「Googleの新しいコアアップデートが再び実施された。我々のチームはサイト上のテキストを一部修正しはじめたが、それほど大きな改善はみられていない」。

また、別のパブリッシャー幹部は「コアアップデートについては、誰も何もわかっていない」と率直に語っている。

パブリッシャー側の対応をさらに難しくしている要因は何か。2024年末の発表によれば、Googleは今後、コアアップデートをより頻繁に実施する方針のようだ。

実際、Googleは2024年に4回、2023年にも4回、2022年に2回、2021年に3回のコアアップデートを行っている(出典)。

今回、2025年3月13日から3月27日にかけて実施されたコアアップデートについて、GoogleはLinkedInの投稿にて、「あらゆるタイプのサイトから、検索者にとって関連性が高く、満足度の高いコンテンツをより適切に表示することを目的とした定期的なアップデート」と説明している。

コアアップデートによる影響と慎重な対応を求める声。静観こそ最善策か



別の幹部は、Googleのコアアップデートが特定の業種のコンテンツや、特定のURLへのトラフィックに影響を与えていると指摘する。

「私は主にスポーツジャンルを担当しているが、あるバーティカルでは明らかな変化がみられる一方で、変化がみられない領域もある。そのため、本当に理解するのが難しい。設定を変更してみたうえで、元に戻すにはどうすればよいのかを考えたり、あるいは以前と同じ対応を取っただけでアクセス数が回復したので『これはうまくいった』と感じたりもする。何が正しいのか、皆目見当がつかない」と語った。

SEOコンサルタントであり、デジタルエージェンシーのヘネシー・デジタル(Hennessy Digital)を創設したジェイソン・ヘネシー氏は、今回のアップデートにより複数のフォーラムサイトが影響を受けた様子を目の当たりにしている。たとえば「DIYチャットルーム(DIY Chatroom)」と呼ばれるサイトは、15万人の月間訪問者を失い、アップデート後の訪問者数は20万人を下回っているという。

ヘネシー氏は、Googleの今後のコアアップデートに備えるうえで、パブリッシャーにできることは限られており、基本的にはSEOのベストプラクティスに従う以外に方法はないと語る。

一方、DIGIDAYに匿名で語ったあるパブリッシャー幹部は、2025年3月のコアアップデートが自社サイトにどのような影響を及ぼしたかを判断するには時期尚早だと述べた。

アルゴリズムによる回復を急ぐ必要はない。我々のような大規模サイトが適切な対応を取るには、いずれにしても数カ月はかかる」と述べ、コアアップデートの実施中は、たとえトラフィックに増減があっても、サイトに手を加えないほうがよいと付け加えた。

「アップデートの最終日には、トラフィックが落ち込んだ直後に急上昇することもあれば、逆に急増したあとに急落することもある。また、アップデート期間中に実施した変更は、アップデート終了までは反映されない可能性があるため、下手に動くと、リカバリーの施策を考える際にかえって混乱を招きかねない」と語る。

つまり、行動を起こすのであれば、アップデートの完了を待つことが最善であるというのが彼らの意見だ。さらに、Googleのコアアップデートが完了しても、その影響がサイトにどのように及んでいるのかを実際に把握できるのは、数日後、あるいは数週間後になる場合がある。

ヘネシー氏もこう述べる。「すぐに修正して、すぐに回復できるということはない。多くの人はパニックになって、即時対応できる方法があると思い込むが、そんなものは存在しない。Googleは定期的にアップデートを実施するのだから、まずは状況が落ち着くのを待ってから調整すべきだ。(中略)決断を急いではいけない」。

[原文:Publishers left guessing how Google’s March 2025 core update will reshape search ]

Sara Guaglione(翻訳:藤原聡美/ガリレオ、編集:藏西隆介)