裏切れば警察に密告…!すでに10人ほどが殺されている…!ルフィの黒幕「JPドラゴン」の異常すぎる「暴力支配」をすべて明かす

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「ルフィ」を逮捕しても、連続強盗事件は終わりではなかった―。常軌を逸した暴力でメンバーを支配し、凶悪事件を裏で操った「JPドラゴン」の実態とは。

前編記事『警察や政治家と賄賂でつながっている…!あいつらは恐ろしすぎる…!「ルフィ」すら支配下に置く日本人最恐マフィア「JPドラゴン」現地ルポ』に引き続き、気鋭のジャーナリストが徹底取材で暴く。

JPドラゴンが「強盗リスト」を購入していた

筆者は'23年5月に窃盗容疑で逮捕された佐藤翔平・ルフィG元幹部にも取材。「箱」と呼ばれるフィリピン国内の詐欺拠点を管理していた佐藤は、JPドラゴンとルフィGの関係についてこう証言した。

「JPドラゴンは強盗をするためのリストを日本にいる『業者』から買っていました。リストには狙いやすい家の住所が並び、タンス預金がいくらあるか、どこに隠してあるかなど強盗に必要な情報が書かれていた。強盗のリストは特殊詐欺のリストよりも値段が高く、1件10万円はしますが、JPドラゴンの幹部が買い、ルフィGの今村に届けていました」

リストを買っていたこの幹部こそ、「俺たちのことはしゃべるな」と今村被告に語っていたナンバー3の小山容疑者だ。ルフィGの幹部らはフィリピンの外国人収容施設から指示を出していたことが知られているが、小山容疑者は施設にいるルフィG幹部と毎日のように連絡を取り、名簿やスマホ、現金や食料を届けていたという。

佐藤が続ける。

「小山は『あいつらは収容所にいるので、もう捕まることがない。ドンドン(犯罪を)やらせよう』と言っていました。特殊詐欺だけでなく、強盗をやるようになったのもJPドラゴンの指示。やっぱり、詐欺よりタタキ(強盗)のほうが稼ぎがいいですからね。一度に3000万円といった大金が入ることもありました」

ヨシオカらJPドラゴンの幹部による支配の方法は、警察への「密告」だけではない。ときには、日本の暴力団関係者をフィリピンに招いて豪華なパーティを開催するなど、影響力を誇示することもあった。

日常的に殺しが行われる

そして、徹底的な暴力と恐怖によって、メンバーを逃げられない状況に置いていたという。

「ボスのヨシオカや『キング』と呼ばれるナンバー2が、かけ子を監視しながらカネを稼ぐように尻を叩き、ミスをすれば拳銃を突きつけ脅す。パスポートも没収され、『裏切ったら警察に通告するぞ』『日本の実家に行くぞ』と脅されるから、メンバーは逃げることができなかった」(元メンバー)

そんな組織に不満を持ち、裏切りを試みる者もなかにはいたという。前出の佐藤もその一人で、「箱」に置いてあったカネを持ち逃げしようとしたことがある。

別の元メンバーが明かす。

「しかし結局、佐藤の計画は露見し失敗に終わりました。ヨシオカは自身が住む高級ペントハウスに佐藤を呼び出すと、いきなりペットボトルの水を顔にかけ、『お前がカネをとったのか』と凄んだ。佐藤は必死に関与を否定し、なんとかヨシオカの追及を免れました。するとヨシオカの怒りの矛先は、佐藤と一緒に持ち逃げを共謀したAという別のメンバーへと向かいました」

Aはその後、「行方不明」ということになっているが、JPドラゴンの関係者は口をそろえて「すでに殺されている」と断言した。

「ミスをしたかけ子の一人が、みんなの前でいきなり撃ち殺されるのを見た人もいる。それくらい、JPドラゴンでは殺しが日常的に行われていました。しかし、警察にワイロを渡しているため罪が及ぶことはない。『自殺』として処理されたり、『病死』ということになったり……。私が知る限りでも、10人ほどが謎の死を遂げています」(同前)

オンナJPドラゴンも登場

ルフィGを支配下に置き、詐欺や強盗をやらせ、逆らう者は容赦なく抹殺―。まさに最恐マフィアともいえるJPドラゴンだが、彼らの栄華にも最近は陰りが見え始めている。

支配していたとはいえ、JPドラゴンの稼ぎの大半はルフィGの強盗や詐欺によるものだった。それだけに、'23年以降、ルフィGのメンバーや幹部が次々と逮捕されると、勢力は激減。ヨシオカの目を盗んで脱走するメンバーも続出しており、JPドラゴンの正規メンバーは現在、7〜8人ほどしかいないという。

「代わりにフィリピンで台頭してきているのが、『アスカ』と呼ばれるオンナ詐欺師です。アスカもJPドラゴンの脱走組だけに、『オンナJPドラゴン』なんて呼ばれ方もしています。アスカは現在、7人ほどのメンバーとともにマニラ北部で特殊詐欺をして荒稼ぎしています」

そう語るのは、かつてアスカと同じ箱で仕事をしていたことがあるという元かけ子の男性だ。アスカには、天才的な詐欺センスがあるという。

「アスカの詳しい素性はわかりませんが、シングルマザーで、幼い子供をベビーシッターに預けながら詐欺をしていました。体重は100kgくらいあって迫力がありますが、見た目とは裏腹に詐欺の電話をかけるときはソフトなしゃべり方。アスカの詐欺の才能は本物で、『今日は5000万円稼ぐ』と宣言すると、本当に一日で5000万円を稼いでいました」

極悪集団を壊滅させることはできるか

そんな"天才詐欺師"をヨシオカが放っておくはずがない。関係者によると、ヨシオカはフィリピン人の探偵を雇い、アスカの居場所を探って張り込みを続けさせているという。

「才能があるだけに、ヨシオカがアスカを見つけてもすぐに殺すことはない。拉致して詐欺をやらせるでしょう。でも、従わなかったときはどうなるかわかりません……」(同前)

勢力の低下と同時に、フィリピンの現地警察も動き出している。ルフィGの事件以降、日本からJPドラゴンについても逮捕・引き渡しの要請があったとみられ、ようやくナンバー3の小山容疑者を拘束した。

だが、実はこれも、ヨシオカの仕組んだことだという見方もある。

「小山が捕まったのは、JPドラゴンが経営する飲食店。ヨシオカの命令で小山が店に行ったところを逮捕された。自身が逮捕を免れるため、ヨシオカが小山を身代わりとして差し出したのかもしれません」(元メンバー)

現在もJPドラゴンが関与する詐欺事件は多数起きているとされる。極悪集団を壊滅させることはできるか。

「週刊現代」2024年4月27日・5月4日合併号より

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