日本文理の“違いを作り出せるストライカー”曾根大輝。新たに身に付けた武器とともに最初で最後の選手権へ
日本文理は13日に新潟明訓との決勝戦を控えている。「(アルビレックス新潟のホームスタジアムである)ビッグスワンでできるので、緊張せずに落ち着いてやることをやろうと思っています」と意気込む曾根には強い思いがあった。
曾根は埼玉県出身で、小学校時代には1FC川越水上公園でプレーしていた。小学校途中で浦和レッズジュニアに加入し、ジュニアユース昇格を手にすることができたが、曾根は1FC川越水上公園に戻る決意をする。再び勝手知ったる仲間たちとサッカーに打ち込んだ彼は、メキメキと頭角を現し、中3になると全国の名だたる強豪校から誘いを受けるまでになった。
しかし、中3の夏に高円宮杯の関東大会に1試合出場するも、椎間板ヘルニアが悪化して長期離脱を強いられることになった。強豪校の誘いが消えて行くなかで、「もう一度浦和レッズでプレーしたい」と強く思った曾根は、完治したら浦和ユースの練習参加をして合格をもらう決意を固めた。これにより、推薦を待ってくれる高校は日本文理だけになった。
「日本文理だけが『ユースの合否が出るまで待つ』と言ってくれて、本当に申し訳ない気持ちはありましたが、嬉しかった」
怪我から復帰したのは12月の頭。すぐに浦和ユースの練習に参加するも、思うようなパフォーマンスが出せずに不合格。曾根は日本文理に進むことになった。
「正直、あまり知らなかったのですが、いざ入ってみるとフィジカルの強さやスピード感が凄まじくてついて行けなかった。でも、『ここでフィジカルやスピードを磨けば成長できる』という手応えを感じましたし、周りの選手たちの技術レベルも高くて、しっかりとパスを繋いだり、アイデアを出し合いながら攻撃できる。すごく自分に合った環境だと思った」
2年になり台頭してくると、守備面でも成長を日に日に実感するようになった。
「中学までの僕は前線からの守備をサボってしまう傾向にありました。前から追うことをあまりしないで、どんどん仕掛けるタイプ。でもここではチームのためにプレスに行く姿勢が大事で、どんどんスプリントして相手を追い込んでは、味方をより前向きにプレーさせることを意識するようになりました」
帝京長岡戦のゴールも前線からプレスに行くアクションが相手のミスを誘発し、生まれたものだった。前線からの献身的な守備が身についたことで、1FC川越水上公園で磨いたテクニックやアジリティがより生きるようになり、前線で違いを作り出せるストライカーとして、卒業後は関東大学1部リーグの強豪大学への進学が決まった。
「決勝戦は良い準備をして挑みたい。最初で最後の選手権。必ず出場をして、有終の美を飾りたいです」
4年後にプロを目ざすタレントは、まずは中学時代にチームメイトだった根津元輝(前橋育英)、網代陽勇(尚志)らが待つ選手権の舞台へ立つことが目の前にある1番の目標として、高校最後の冬に臨まんとしている。
取材・文●安藤隆人(サッカージャーナリスト)
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