マハティール公式フェイスブックページより

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 マレーシアで9日、総選挙が実施される。最大の注目点は、1981年7月から22年間にわたり首相を務め、現在92歳のマハティール氏が率いる野党連合の希望連盟(PH)が、ナジブ現首相が主導する与党連合の国民戦線(BN)に挑んでいる選挙戦の行方だ。同国は、日本はもとより中国にとっても中東から原油を輸入する上で生命線となるマラッカ海峡に面する地政学上の重要なところに位置する。ナジブ政権は中国の「一帯一路」政策に乗り、対中重視策を強めている。一方、マハティール氏はこのところ、中国への過度の依存に警鐘を鳴らす。選挙結果は、中国のみならず、日本の対東南アジア政策に影響する。

 マレーシアの国会は、下院と上院の二院制。上院議員は任命制だ。下院と州議会議員の選挙が半島部の11州とボルネオ島のサバ、サラワクの両州を加えた13州、それに連邦直轄の特別区であるクアラルンプール、行政都市のプトラジャヤ、ラブアンで行われる。

 「国民院」とも呼ばれる下院の選挙結果が民意となる。選挙制度は小選挙区制だ。下院議員の任期は5年で、各州選出の議席数では、サラワク31、サバ25は別格的な扱い。

 マレー半島部で議席数が多いのは、シンガポールトと橋(実際は人工道路)でつながるジョホール州の26、ペラク州24、セランゴール州22、マハティール元首相の地元であるケダ州15、ナジブ首相の地元であるパハン州と、ケランタン州の14の順。各州選出の合計下院議員数は222となる。

 与党のBNは、マハティール元首相もその創設に動いた半島部のマレー人による統一マレー国民組織(UMNO)、華人系のマレーシア華人協会(MCA)、インド系のマレーシア・インド人協会(MIC)、それにサバ、サラワク州の地元政党で構成されている。

 歴代のUMNO総裁は皆首相となり、第4代首相についたマハティール氏は初の平民宰相だった。第2代首相は、ナジブ首相の父親であるラザク首相だ。

 野党では、2013年の前回総選挙で当時の野党連合の一角を担った汎マレーシア・イスラム党(PAS)が今回、独自の戦いを展開し、150人の立候補者を擁立している。

 PHは、アンワル元副首相を指導者とする人民正義党(PKR)、MCAに反発する華人系中心の民主行動党(DAP)、PASからの離反組が組織したパーティー・アマナ・ネガラ、それに、マハティール元首相がUMNOとたもとを分かち、16年に結成したマレーシア統一プリブミ党(PPBM)で構成する。

 プリブミとは「大地の子」を意味し、マレー人、インド系などマレーシアの地に生まれた民を指すとされる。

 PHの首班候補はマハティール元首相で、首相時代に開発に力を入れたケダ州の観光地・ランカウイ島選挙区から立候補した。選挙戦では、マハティール氏の長男はケダ州から立候補しているが、PHの選挙戦でのロゴは、PKRのものを使っている。

 そのPHは、前期のマハティール政権時代、教育相、蔵相に指名され、次期首相と目されながら、同性愛疑惑などで起訴され、獄に入ったアンワル氏の妻が率いる。

 総選挙に勝利し、国民的人気の高いアンワル氏が恩赦で政治活動ができるようになったら、「禅譲」するとの見方がもっぱらだ。

 マハティール氏は、敵対に至ったアンワル氏と和解し、PHを蘇生させた。ナジブ首相は地元のパハン州ぺカンから出馬した。

 同国の選挙委員会によると、4月28日に立候補届け出をし、認められたのは、下院選挙と同時に実施の州議会議員(総数505)選挙立候補者を含め、新記録の2333人。

 13年の総選挙では、BNが133議席、野党連合が89議席を占め、野党は3州の州議会で過半数を獲得した。野党は、得票率では52%と、BNの47%をしのいだ。