世界初の高速鉄道は1964年の東京五輪の開催9日前に開業した東海道新幹線だ。その後、日本は40年以上にわたって高速鉄道の総延長距離で世界一の座を維持してきたが、中国が高速鉄道の建設を急ピッチで進めた結果、現在の総延長世界一は中国となっている。(イメージ写真提供:(C)Ping Han/123RF.COM)

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 世界初の高速鉄道は1964年の東京五輪の開催9日前に開業した東海道新幹線だ。その後、日本は40年以上にわたって高速鉄道の総延長距離で世界一の座を維持してきたが、中国が高速鉄道の建設を急ピッチで進めた結果、現在の総延長世界一は中国となっている。

 総延長では中国に負けたものの、技術力や安全性、信頼性では新幹線のほうが優れていると考えられるが、中国メディアの今日頭条はこのほど、高速鉄道を自国で製造できる技術を持つ国は世界でも限られていると伝えつつ、「中国高速鉄道はもはや日本やフランス、ドイツの高速鉄道に完勝している」と主張した。

 記事は、世界広しと言えども、高速鉄道技術を掌握している国は数えるほどなく、そのなかでも経営にも成功している国はアジアでは日本と中国しかなく、欧州ではフランス、ドイツなど少数であると指摘した。

 続けて、新幹線について、「世界でもっとも早くに開業した高速鉄道」であり、日本は試験車両によって時速443キロメートルを達成するほど高い技術を持つと指摘した。続けて、総延長距離は2600キロメートルに達する新幹線の強みは「オリジナルの技術と整合性があるうえに完備された高速鉄道システムにある」と指摘したほか、開業以来、重大な事故を起こしていないことは高い安定性と安全性を示す証左であると論じた。

 中国高速鉄道は日本など諸外国から技術を導入して生まれた存在であることは広く知られているが、記事は「中国高速鉄道は後発中の後発であるにもかかわらず、2008年に開業した北京と上海を結ぶ京滬(けいこ)高速鉄道は世界一流であると同時に、中国が完全なる知的財産権を持つ高速鉄道である」と主張した。

 さらに、中国は広大な国土と複雑な気候があることを指摘し、さまざまな環境で高速鉄道を建設し、運行する経験は日本にはない強みであると主張。中国高速鉄道はすでに後発者から業界をリードする存在になったと主張したうえで、2016年9月にドイツで開催された国際鉄道技術専門見本市「InnoTrans2016」で、ドイツの交通コンサルティング企業「SCI Verkehr」が発表した交通インフラ関連の企業ランキングで、中国の中国中車が1位になったことを伝え、「中国高速鉄道は日本やフランス、ドイツの高速鉄道に完勝したことを示す」などと伝えている。(編集担当:村山健二)(イメージ写真提供:(C)Ping Han/123RF.COM)