宮里藍=2日目、スタートホールで寄せに挑む。なんとかパーで切り抜けた。(写真/JJ田辺)

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 米女子ツアー開幕戦、SBSオープン第2ラウンドが終わり、宮里藍は初日の出遅れを取り戻すことができぬまま、今日4オーバー76、通算7オーバーで予選落ちとなった。

 初日のラウンド後、宮里が掲げた課題はショートパットだった。「フェースが左を向いている」。そこを修正することが今日2日目の課題だった。だが、蓋を開けてみれば、2日目はショートパットの不調は相変わらず、そして小技にも狂いが出た。

 完璧なラウンドなどありえないわけだから、課題は日々、何かしら出てくる。それをいかに減らし、克服していくかが決め手になるはずだが、宮里の2日目は逆に課題(あるいは問題点)を増やす結果になってしまった。

 ゴルフにおいて難しいのは、どんどん出てくる課題をすべてこなそうとすると混乱してしまうという点だ。あれもこれもと欲張らず、一つ一つ問題をクリアしていくしかない。まずはショートパットの狂いを直すこと。短いパットに自信が持てるようになれば、それがきっかけで小技も冴える可能性は高い。パットから小技へ、そんな相乗効果は見込める。

 だが、ショートパットの狂いを直せるまでには多少なりとも時間が必要。それまでの間、決して悪くなかったショットやオフに腕を磨いたはずの小技にまで悪影響が及ばないようにがんばってほしい。そこだけは食い止めてほしい。今日のラウンド後、小技について問われた宮里は「流れが悪いときなので、そういうこと(小技の乱れ)も起こりうる」と語った。確かに、起こりうる。いや、往々にしてそれは起こる。しかし、パットが悪かったから小技も悪くなるという現象を「仕方ない」で片付けてしまったら、彼女が常々目指している「いい流れ」は作れない。パットがダメなら小技やショットで、小技がダメならパットやショットで、ショットがダメなら小技やパットで補うことが、「いい流れ」を作り出すのだと思う。理想論であることは承知の上だが、あえて「高い理想」を宮里に求めたい。(舩越園子/在米ゴルフジャーナリスト)