14日、それぞれ警察に出頭したV.I(右)とチョン・ジュニョン=(聯合ニュース)

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【ソウル聯合ニュース】ソウルのクラブ「バーニングサン」などを巡るスキャンダルにK―POP界が揺れている。問題になった歌手たちが所属グループを次々に脱退し、これらグループの他メンバーたちの活動も当面は不透明になりそうだ。また、K―POP界スターたちの捜査に関するニュースが海外で逐一報道され、韓国社会にはびこる性犯罪が改めて視線を集めている。

◇BIGBANGやHighlight 「空中分解」の可能性も 

 スキャンダルに関与したメンバーが抜けたグループは、関連の警察捜査と検察の起訴、そして裁判が終わるまで実質的に無期限で活動を停止することになりそうだ。

 まず、大手芸能事務所YGエンターテインメントに所属し、日本や中国でも人気が高い男性グループのBIGBANG(ビッグバン)は、この先5人組での活動が不可能になった。メンバーのV.I(ヴィアイ、28)は、暴行や薬物取引、性犯罪、警察との癒着など数々の犯罪の疑いが浮上したバーニングサンの実際の所有者だった疑惑や海外投資家への性接待仲介疑惑に絡み売春あっせんなどの容疑者として立件され、11日に芸能界引退を発表した。YGエンターテインメントは13日、本人の要請を受け入れV.Iとの専属契約を終了すると発表した。他メンバーの4人は年内に兵役を終えるが、一緒にニューアルバムをリリースするのは難しいとの見方が優勢だ。

 また、5人組男性グループHighlight(ハイライト)のヨン・ジュンヒョン(29)は14日に脱退を発表した。V.Iに対する捜査の過程で、歌手兼タレントのチョン・ジュニョン(30)がわいせつ動画を隠し撮りしてインターネット上に流した疑いが浮上、ヨン・ジュンヒョンはコミュニケーションアプリ「カカオトーク」でチョン・ジュニョンと動画を共有したことを認めた。13日には参考人として警察の事情聴取も受けた。

 メンバーらは芸能事務所のCUBEエンターテインメントから2009年にBEAST(ビースト)としてデビューし、専属契約を巡る紛争を経て17年にグループ名をHighlightに改め独立した。それほどの苦労を味わって守り抜いたグループが一瞬にして揺らいだことに、支え続けてきたファンは動揺している。メンバーの1人は兵役に就いており、他の2人も軍入隊を控えているため、活動再開はしばらく難しそうだ。

 さらに、V.I、チョン・ジュニョンがメンバーだったカカオトークのグループトークに加わっていた5人組バンドFTISLAND(エフティーアイランド)のチェ・ジョンフン(29)は、16年に飲酒運転で摘発され罰金と100日間の免許停止処分を受けていた事実が判明。この際に報道をもみ消した疑惑が浮上し、所属事務所のFNCエンターテインメントは14日、チェ・ジョンフンの脱退と芸能界引退を発表した。

◇海外でも逐一報道 盗撮はびこる韓国社会にフォーカス

 海外メディアは一連のスキャンダルについて、単なる数人の有名人の不祥事ではなく、道徳教育をおろそかにしているK―POP界のスター育成システム、女性を「性商品化」する韓国社会の病理的現象が絡み合って起きた惨事だと評している。

 AP通信は「韓国警察、セックス・スキャンダルに関与したK―POPスターを捜査」と題した記事で、韓国芸能界の構造的な問題点を指摘した。スキャンダルは韓国芸能界の暗い一面を見せるものだとし、「韓国の歌やドラマ、映画はアジアやその他の地域で大きな人気があるが、男性スターは性暴力の疑いが持たれており、女性の芸能人と練習生は権力のある男性に対する性接待を強要されているようだ」と報じた。

 ロイター通信も「セックス・スキャンダルに揺れるK―POP」と題した記事で、業界関係者の言葉を引用し、「韓国の芸能界は若いスターたちの生活にいちいち関与することで悪名高い」と伝え、「人気の歌やダンスは彼らが道徳教育を受ける時間を犠牲にして誕生する」と分析した。

 また、AFP通信は、韓国では隠しカメラでの盗撮が横行しているとし、「学校や公衆トイレ、オフィスで女性の体を隠し撮りするのはもちろん、『リベンジポルノ』まで広範囲に広がっている」と報じた。