公正取引委員会

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 巨大IT企業に対する規制や中小企業の取引の適正化への対応を強化するため、公正取引委員会は、来年夏にも組織体制を抜本的に強化する方針を固めた。

 局を新設して、競争政策の企画・立案やM&A(企業の合併・買収)の審査などを担う「経済取引局」の業務を再編し、二つの局が集中して専門的な業務を行えるようにする。実現すれば、1996年以来、約30年ぶりの大幅な組織改編となる。

 公取委には現在、経済取引局と、カルテルや談合を含む独占禁止法違反の事件の調査などを担う「審査局」の2局がある。来年夏以降は現状を維持する審査局を含めて計3局体制とする。組織体制は独禁法で規定されており、公取委は来年の通常国会に改正案を提出する方針だ。新設する局などの名称は今後検討する。

 経済取引局は現在、大企業に比べて立場の弱い中小企業やフリーランスの取引の監視、スマートフォンの基本ソフトウェア(OS)などを支配する巨大IT企業に対する規制、M&Aの審査といった幅広い業務を担当している。組織改編により、今年1月に施行された「中小受託取引適正化法」(旧下請法)の運用など、中小企業分野を主に担当する局と、デジタル分野とM&Aの審査を主に担当する局を設ける。

 また、地方の拠点も従来の「地方事務所」を、より規模の大きい「地方事務局」に格上げすることを検討する。全国的に監視体制を強化し、コスト上昇分を中小企業が取引価格へ転嫁する動きなどを後押しする狙いがある。

 公取委は社会のデジタル化や経済状況の変化で運用する法律が増え、近年は「フリーランス取引適正化法」(2024年施行)や巨大IT企業を規制する「スマホソフトウェア競争促進法」(25年に全面施行)などが加わった。1996年度に約530人だった職員の定員も、2026年度には約2倍の約1000人に増加した。

 こうした状況を踏まえ、自民党の競争政策調査会(会長・鈴木淳司元総務相)は今年5月、政府に対して、「局の新設といった体制の抜本的な強化を行うべきだ」などと提言していた。