「森保監督に聞いてください」冨安健洋が語らなかった理由。"あるべきスタンス"を貫いた鉄のカーテン【W杯】
その姿勢を象徴していたのが、事前キャンプ地モンテレイでU-19日本代表とのトレーニングマッチを終えた翌日の対応だ。記者から「試合で見えた収穫と課題を教えてください」と問われると、「僕が答えるものではない。森保監督に聞いてください」と、きっぱりと言い切った。
何気ないひと言が、日本代表にとって不利な材料になることもある。そうしたリスクを知っているからこそ、冨安は“鉄のカーテン”を引く。それは決して無愛想だからでも、取材を拒んでいるからでもない。チームを守るために必要な線引きを徹底しているだけだ。プロとして、あるべきスタンスと言える。
ブラジル戦が延長戦にもつれ込んでいたとしても120分戦えたという手応え。結局は毎回同じような形で敗れてしまう悔しさ。度重なる怪我を乗り越え、再びサッカーができる喜び--。冨安が率直な思いを口にしてくれたことで、囲み取材は非常に中身の濃いものになった。
きっと話すこと自体が嫌いなわけではない。その時々で何を語り、何を語らないべきかを理解している。それこそが、長年トップレベルで戦い続けてきた冨安が身につけたプロフェッショナリズムなのだろう。
取材・文●白鳥和洋(サッカーダイジェストTV編集長/現地特派)
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