【独占インタビュー】「栗山さんの姿を見ているだけで」西武の新戦力・平沢大河の覚醒を促したもの

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「拾ってもらえてラッキー」

「いま、チームはすごく状態が良くて優勝争いができています。これから夏場を迎え、この球場(ベルーナドーム)はかなり暑くなります。そこで落ちないよう、最後までチームのために貢献する1年にしたいと思っています」

そう表情を引き締めるのは、埼玉西武ライオンズの平沢大河(28)だ。

西武移籍2年目の今季、4月5日に1軍に昇格すると抜群の存在感を発揮。4月は14試合に出場し、47打数17安打、打率3割6分2厘。1本塁打5打点で不動の6番打者として西武の打線を牽引した。プロ11年目となる今季、ついに覚醒したと言っていいだろう。

宮城・仙台育英高時代、’15年夏の甲子園で3本塁打を記録。決勝では小笠原慎之介(現巨人・28)擁する神奈川・東海大相模高校に敗れるも、大会を盛り上げた選手としてその名を全国に知らしめた。

同年のドラフト会議で2球団から1位指名を受け、ロッテに入団。大型内野手として球団の顔になるべく、大きな期待を担った。しかし、9年間で1軍での出場試合数は306試合にとどまり、通算打率は2割に満たなかった。

選手生命の危機にあった平沢に転機が訪れたのは、’24年12月9日のこと。現役ドラフトで埼玉西武ライオンズに移籍したのだ。

「『たぶん、僕が(現役ドラフトの候補に)選ばれるだろう』と覚悟はしていました。ただ、そのシーズンの西武はあまり勝てていない年(49勝91敗3分でリーグ最下位)だったので、逆にすごくチャンスなんじゃないかなと。いい球団に拾ってもらえてラッキーだなって思ったんです」

ただ、昨年は開幕当日にぎっくり腰で登録抹消。夏場にも発症し、1年を通してほとんど戦力になれなかった。それもあってか、好調であっても平沢は慎重な姿勢を崩さない。

「怪我で離脱だけはしたくないので、日々トレーナーの方に見てもらって身体のケアをしっかりしています。野球の面では、やはり打てなくなったらダメなので、しっかりとバットで結果を残さなくてはなりません。僕はホームランバッターではない。練習では高いフライを打つのではなく、外野の間を抜けるような強いライナーを意識しています。今年はそれが試合で出せていると思います。

守備でもいろんなところを守れるのが僕の強みでもあるので、ポジションが空いたところでしっかり守って、そのうえで、バッティングでも結果を残すという気持ちで臨んでいます」

ただ5月以降、成績は下降気味だ。5月は2割5分3厘。6月7日の試合は腰の張りで欠場した。それでもインタビュー取材を行ったこの日(6月11日)、5日ぶりにスタメン復帰して2安打。早速、結果を残した。

「ベテランの選手なのにあんなに」

ロッテ時代との違いはいったいなんなのか。5月29日に配信された『文化放送』のインタビューで、平沢は次のように語っている。

〈昨年、ライオンズに入団してすぐの春季キャンプで、僕がロッテ2軍の時に仁志さん(敏久野手チーフ兼打撃コーチ・54)はDeNAの2軍監督をしていて、いろいろ見ていたなかで気づいたことを言ってもらって、それを取り組んでやっている感じです。(中略)ロッテの時と違う視点でしたし、それをひとつのアドバイスとして僕のなかで噛み砕きながらやっていました〉

それ以外は、ロッテ時代とさほどの違いは感じないという。

「似ています。若い選手が多いですし、チーム一丸となってという雰囲気がある。勢いに乗ったらガーンと行くような感じが近い。みんなの勢いに助けられながら、という感じでリラックスできる雰囲気がいいのだと思います」

チームの顔であるベテラン選手の影響も大きいと平沢は言う。

「栗山(巧・42)さんは見ていてすごいです。やっぱり準備ですね。練習でもすごいバットを振っていて。僕らが守備、走塁練習をやっている最中もマシーンを1時間くらい打っている。ベテランなのにあんなに練習してるんだって、本当にびっくりしました。

ロッテ時代、福浦(和也・50)さんもすごくバッティング練習をしていましたし、鳥谷(敬・44)さんが朝早くからストイックにトレーニングしている姿も見ていました。心からすごいなって。いま、間近で栗山さんの練習をする姿を見られるだけでも本当にありがたいです。準備と練習量って大事なんだなって、心から思います」

好調の要因はまだある。西武に移籍した一昨年末に年上の一般女性と結婚。妻との日常がフィジカルだけでなく、メンタル面にも大きく影響しているという。

「食事面のサポートで身体も変わりました。筋肉量が増えたり体脂肪率が減ったり。すごくいい身体になっている。トレーニングもしていますが、食事は大きいかなと思っています。外食はほぼしてないですね。基本的には家で食べて、月一くらいで都内に行った時に外食でもしようかという感じですね。お酒も飲まないですし。

休日は家にいて何にもしないんです。趣味もないですし、テレビも見ないし。ぼーっと過ごして、気がつけば一日が終わっていて。ほんと、野球だけに集中できるようにあらゆる面でサポートしてもらってます」

リーグ優勝と日本一を狙うチームの一員として、今や欠かせない存在となった平沢の活躍に引き続き期待したい──。