食欲のない日や疲労回復に…料理家・真藤舞衣子さんの梅活用術と、さっぱり「蒸し鶏の梅肉だれ」と「梅ちらし寿司」
暑い季節になると、無性に恋しくなる「梅干し」。
料理家・発酵研究家の真藤舞衣子さんは、毎年欠かさず梅干しや梅エキスを仕込み、日々の料理に活用しています。
食欲増進や疲労回復が期待できる真藤さんの梅干しコラムとレシピを、『別冊天然生活 真藤舞衣子さん 梅仕事と四季の保存食』(扶桑社)から一部抜粋・再編集して紹介します。
梅干しは「万能」食材
「梅はその日の難逃れ」ということわざがあります。
朝に梅干しを食べれば、その日に起こる災難から逃れられるという意味なのですが、たしかに梅干しには、ありとあらゆる体の不調という災難を解消してくれる、万能食材だと思います。
そのままいただくのはもちろんのこと、ふだんの料理にも梅酢や梅干しを使うと、梅の力を毎日手軽にいただきやすいですよね。また、梅酢は酢の代わりに使って、あえものやマリネに。梅しょうゆはポン酢代わりにと、調味料として、どんどん使っていただけたらと思います。
さて、万能食材である梅の効果はというと、梅に含まれるクエン酸には、疲れのもととなる乳酸を分解して疲労回復を促したり、新陳代謝を助けたりする働きがあります。
とくに、じめじめ蒸し暑い梅雨から、猛暑が続くことが当たり前になった厳しい夏にかけては体調をくずしやすく、梅料理が活躍するとき。梅と同じく、疲労回復効果が期待される豚肉と一緒に食べる「豚しゃぶ梅酢だれ」がおすすめですので、ぜひお試しいただきたいです。
夏バテや、病み上がりなどで食欲が落ちてしまったときの食事にも、梅はぴったりな食材。見ているだけで口がきゅっとなる酸味の成分には、唾液の分泌を促し、食欲を増進させる働きがあるのです。
梅エキスや梅酢は使い道いろいろ
「梅エキス」は、江戸時代から民間薬として家庭に根付いている万良薬。ほんの少し、耳かき1杯ほどを口に含むだけで本当に元気が出るので、完成までの道のりはなかなか遠いのですが、つくる価値はあると思います。
また、完熟した梅にはクエン酸やカテキン酸などの有機酸が豊富に含まれているため、抗菌効果があります。食中毒の予防のため、常温で持ち歩くおむすびやお弁当に必ず、完熟した梅でつくる梅干しが入っていたのは、殺菌作用があるからなんです。
そして、防腐効果もあるのですが、効果が強く発揮されるのは梅干しの周りだけなので、白米や曲げわっぱなど木製のお弁当箱を使うときは、白梅酢を霧吹きで薄くふきかけるか、ふきんにとってぬると、より殺菌効果が得られると思います。その点、梅酢や梅干しを使った料理は、その殺菌作用が全体にいきわたるので、お弁当のおかずに向いているともいえますね。
今日も一日、梅の力で体を健やかに。毎日の体調管理に、梅料理をいただきましょう。
【レシピ】蒸し鶏の梅肉だれ
鶏むね肉を使った蒸し鶏は適度な歯ごたえがあります。
梅肉だれの酸味と相まって、唾液の分泌を促し、消化にもよい一品です。
■材料(2人分)
鶏むね肉 1枚
塩麹 大さじ1(または塩小さじ1/2+きび砂糖小さじ1)
長ねぎの青い部分 1本分
辣白菜(※) 適量
(A)
煮きりみりん 大さじ2
しょうゆ 大さじ1/2
梅肉(包丁でたたく) 大さじ2
長ねぎ(みじん切り) 10cm分
米油 大さじ1
■つくり方
1 鶏むね肉はフォークで数カ所刺して塩麹をぬっておく。
2 鍋に1と長ねぎの青い部分、かぶるくらいの水(分量外)を入れて火にかける。沸騰したら裏返し、ふたをして弱火で5分ゆでる。火を止めて冷めるまでそのままおいておく。
3 Aの材料をボウルに入れ、よく混ぜ合わせて梅肉だれをつくる。
4 器に蒸し鶏、薄切りにした2を盛り、3をかけていただく。
【辣白菜】
酸味と甘みのバランスのとれた辣白菜は、蒸し鶏との相性が抜群です。
■材料(つくりやすい分量)
白菜 500g
塩 小さじ1
しょうが(せん切り) 1片分
赤とうがらし(斜め小口切り) 1本分
酢、砂糖 各大さじ3
ごま油 大さじ2
■つくり方
1 白菜の葉を、縦に3等分(小さければ2等分)に切ってから、横に1cm幅に切る。ボウルに入れて塩をふってよくもみ、水けをしぼる。
2 フライパンにごま油、しょうが、赤とうがらしを入れて弱火で熱したら、酢と砂糖を入れて火からおろし、1に加えて混ぜる。冷蔵庫で冷やす。
【レシピ】梅ちらし寿司
寿司酢の代わりに「梅酢」を使用して。さわやかな梅の酸味がよく合います。
具材のれんこんとあえる梅酢を「赤梅酢」にするときれいなピンク色に。
■材料(つくりやすい分量)
炊きたてのごはん 2合分
白梅酢 大さじ3
きび砂糖 大さじ1
玉子焼き(※材料は以下参照)
鯛の刺し身 1さく(15〜20cmくらい))
れんこん 1節(10cmくらい)
梅酢 大さじ1(今回は白梅酢を使用。赤梅酢の場合ピンク色になる)
きゅうり 1本
みょうが(薄切り) 1個分
梅干し(たたいておく) 2個分
青じそ(せん切り) 4枚分
白炒りごま 適量
※玉子焼き
卵 3個
みりん 大さじ2
きび砂糖 大さじ1
しょうゆ 小さじ1
塩 ひとつまみ
■つくり方
1 玉子焼きの材料をよく混ぜ合わせ、玉子焼きをつくり、1.5cm角に切る。
2 きゅうりは薄切りにして塩(分量外)で揉み、ギュッと水けをしぼる。れんこんは縦半分に切ってから薄切りにし、下ゆでして梅酢であえる。
3 鯛は薄切りにする。
■酢飯をつくる
白梅酢ときび砂糖を混ぜ合わせ、炊きたてのごはんに加えて、手早くうちわなどであおぎながら、切るように混ぜ合わせる。
■組み立て
1 酢飯を皿に平らに盛りつける。
2 鯛を満遍なく並べ、玉子焼きを散らす。
3 間にれんこんをのせ、きゅうり、梅干し、みょうが、青じそ、白ごまを散らす。
真藤舞衣子(しんどう・まいこ)
料理家・発酵研究家。料理を通して、環境に配慮した暮らし方や食育を提案している。
