茂木健一郎氏、人生の予測不能性を説く「私たち一人ひとりの中にもバタフライエフェクトがある」

脳科学者の茂木健一郎氏が、「私たちひとりひとりの中に『バタフライ・エフェクト』がある」と題した動画を公開した。茂木氏は、バタフライエフェクトについて、ブラジルの密林で蝶が羽ばたくと、その小さな変化が最終的にテキサスでのトルネードの発達に影響を及ぼすという非線形力学の厳密な結果だと説明する。「1週間後の天気予報が当たりにくいのは、このバタフライエフェクトが影響しているからだ」と述べた。

茂木氏は、このバタフライエフェクトが我々の人生にも存在するとし、「自分がどうなるかわからないというのは、自分たちの中にもバタフライエフェクトがあるからだ」と語る。例えば、子供の頃の夢が大人になっての現実と異なることや、好きなタイプが実際の恋人と違うことも、すべてバタフライエフェクトに関連しているという。

また、健康に関しても、「遺伝子や生活習慣の影響も受けるが、結局バタフライエフェクトで病気になる」と述べ、予測不能性についての思考を促した。さらに、「クリエイティビティやアハ体験もバタフライエフェクトの一例」であり、不意に訪れる創造性の瞬間もこの現象に関連していると訴えた。

動画の最後に茂木氏は、「私たちの人生の計画はバタフライエフェクトの前では小さなものである」と締めくくり、日常生活の中で簡単に決めつけたり予想しようとしない大切さを視聴者に呼びかけた。「私たち一人一人の中にバタフライエフェクトがある」との視点で、人生をより柔軟に受け入れる姿勢が求められているという。