近年のAI技術の発展によって、AIを使った合成音声は人間の声と比べても遜色ないレベルにまで達しています。Amazonのオーディオブックプラットフォーム「Audible」では、約4万冊の本の朗読がAI合成音声によって行われていることが報告されています。

AI-Voiced Audiobooks Top 40,000 Titles on Audible - Bloomberg

https://www.bloomberg.com/news/newsletters/2024-05-02/audible-s-test-of-ai-voiced-audiobooks-tops-40-000-titles



40,000 AI-narrated audiobooks flood Audible, dividing authors and listeners | TechSpot

https://www.techspot.com/news/102875-40000-ai-narrated-audiobooks-flood-audible-dividing-authors.html

2023年11月にAmazonは電子書籍や紙の書籍を自費出版できるサービス「Kindleダイレクト・パブリッシング(KDP)」を利用するユーザーに対し、合成音声を使ったオーディオブック作成ツールの提供を開始しました。このツールを使用した作家のハッサン・オスマン氏は「自分の本をオーディオブックにするのに要した時間はわずか52分でした」と報告しています。ナレーションを人間ではなくAIに任せることで費用を削減することも可能で、1タイトル当たり数百ドル(数万円)〜数千ドル(数十万円)を節約することが可能になったと語る作家もいます。

ツールの提供開始から2024年5月までの数カ月間で作成された合成音声のオーディオブックの数は4万冊以上に上ります。以下はAudibleで公開されている合成音声のオーディオブックの一例で、ナレーターを示す「Narrated by」の欄には「Virtual Voice(合成音声)」と記されています。



しかし、一部のユーザーは、Audible上で合成音声が使われたオーディオブックを除外できないことや、人間のナレーターの仕事を奪うこと、品質の低下につながることを指摘しています。XユーザーのKaren Van Drie氏は「Audibleで合成音声のオーディオブックを発見してしまい、とてもガッカリしました。雇用されなくなる人材のことを考えてみてください」と述べています。





また、ナレーターのラモン・デ・オカンポ氏は「仕事が奪われたわけではありませんが、徐々にそうなりつつあります」と指摘しました。





一方でAudibleの広報担当者は「合成音声機能はあくまでベータ版です。このベータ版では、お客様に代わってイノベーションを続ける中で、お客様が何を望んでいるかについてさらに学習を進めています」「合成音声が使われているオーディオブックの平均総合評価は5段階中4以上と、高い評価を受けています」と語りました。