埼京線での集団痴漢容疑で逮捕された羽賀聡明容疑者(本人SNSより)

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 帰宅ラッシュのJR埼京線。新宿駅を発車した満員電車は次の池袋駅まで約6分間ドアが開かない。ひとりの20代女性の下半身に複数の“卑劣な手”が伸びた。

【写真】スリリングな挑戦を前に興奮を隠せない容疑者、難易度の高い山を登ってきた“山男”で…

「今年4月4日の火曜日。帰宅を急ぐ通勤客らで混雑する午後6時40〜45分のことです。被害女性は下着を下ろされ、下半身を無理やり触られたといいます。女性客の普通ではない様子などから痴漢行為に気付いた周囲の乗客がひとりの中年男の腕をつかみ、電車が池袋駅に到着するとホーム上で駅員に引き渡しました。駅事務室に連行する途中、男は隙をみて周囲を振り切り、線路に飛び降りて逃げていました」(全国紙社会部記者)

痴漢被害から約半年後に執念の逮捕!

 痴漢事件として捜査を進めてきた警視庁池袋署は約半年後の10月6日、氏名不詳者と共謀して20代女性の下半身を触ったとして東京都足立区古千谷本町の無職・羽賀聡明容疑者(38)を強制わいせつの疑いで逮捕した。

「被害女性は同時に複数箇所を触られたと話しており、集団痴漢の可能性が高い。捜査当局はほかにも仲間がいるとみて調べています。羽賀容疑者は線路内を数百メートル逃走したあとフェンスを乗り越えて敷地外に出たとみられ、この影響で埼京線を含む3路線が約20分運転を見合わせました。線路内侵入による鉄道営業法違反の疑いでも書類送検されています」(前出・記者)

 容疑者は取り調べに対し、「やっていません。警察がでっちあげたウソの逮捕です」などと否認しているという。

「共謀が事前に示し合わせた計画的なものかどうかなど犯行態様の詳細は今後の捜査に委ねられます。羽賀容疑者は当時の状況について“女性の前に立って目をつむっていただけです”などと話しているようです」(前出・記者)

 容疑者宅は最寄り駅から徒歩十数分の賃貸アパート。近隣住民らによると、妻と幼い子ども2人との4人家族という。

「見かけたことはあるが会話を交わしたことはない。生活上のトラブルはなかった。いたって平凡なタイプの男だ」(同住民)

 地元・足立区の出身。東京を離れていたが数年前にUターンし、現在のアパートで暮らすようになるまでは区内の実家にしばらく身を寄せていた。実家周辺の住民が振り返る。

「いつもニコニコとやさしい笑顔で、子煩悩なパパです。夏場には“公園に花火をしに行こっか”と言ってお子さんを喜ばせたり、休日には駐車場で一緒に洗車するなど楽しそうでした。奥さんは感じのいい女性だし、夫婦仲もよさそうだったので逮捕は信じられません」

 アパートに引っ越してからも、実家にときどき顔を出すなど親孝行だった。

「ちょっと危なっかしい面はありましたが、友人思いのいいヤツです。父親になって自覚も芽生えていたみたいなので逮捕は何かの間違いであってほしい」(小・中学の同級生の男性)

子煩悩パパの別の顔「自己中心的」「やんちゃ」

 その一方、別の知人や同級生からは「自己中心的」「やんちゃでいい印象は持っていない」などの声も聞かれた。

 現在は無職だが、SNSでは多彩な趣味を公開している。特に登山にのめり込み、アマチュア登山家のあいだで“憧れ”とされる標高3000メートル級の山を次々に踏破。難易度が高く、冬季や荒天など悪条件下で危険性を伴うスリリングな登山に挑戦してきた。

冬山への挑戦をあきらめない、スリルを楽しむ一面

 例えば台風直撃の中、南アルプスの3000メートル峰・聖岳に登頂。

《この日しかチャンスがなく土砂降りの中、寒く辛い登山をしてきた》

 と投稿している。あるいは、ほとんどの一般登山客が山開き期間中の7〜9月だけに登る富士山は、積雪の多い3月に八合目を目指して深夜3時からアタック。

《富士山・御殿場ルート(中略)真っ暗の樹海で寝る、歩く。その恐怖だけで心が折れます。ケガ、死、それだけは注意》

 登り10時間、下り4時間半かける豪脚ぶりも冬の富士山には通用せず、

《真っ白な世界、あと少しが遠く。そして、かじかむ寒さ…敗戦です》

 と七合目で断念。それでも翌4月には、

《御殿場口手前からリベンジ(中略)3月より雪が減ってますね。八合目危険エリアに挑んできます》

 と諦めなかった。ほかにも、3泊4日で北アルプス縦走に挑み3000m級の9座に登頂するなど脚力、体力があるのは確かなようだ。

 逮捕容疑の何がどのようにでっちあげなのか。容疑者の言い分などを聞くため実家を訪ねた。母親とみられる女性が「はい」とインターホンで応じたが、事件について取材を申し込んだ途端に切られてしまい、二度とインターホンに応じることはなかった。捜査の進展が待たれる。