ノルウェー科学技術大学の研究チームが、1961年〜2020年に発表された357件の頭痛に関する研究結果を分析したところ、「毎年なんらかの頭痛を経験する人は世界人口の50%以上、ある特定の1日に頭痛が生じる人は15.8%」との結果が明らかとなりました。

The global prevalence of headache: an update, with analysis of the influences of methodological factors on prevalence estimates | The Journal of Headache and Pain | Full Text

https://doi.org/10.1186/s10194-022-01402-2



Not tonight dear - more than half of us suffer from headaches - Scimex

https://www.scimex.org/newsfeed/not-tonight,-ive-got-a-headache-global-estimates-suggest-headaches-impact-over-50-of-the-population

Over 50% of World's Population Is Likely Affected by This Health Disorder Every Year

https://www.sciencealert.com/over-50-of-world-s-population-is-likely-affected-by-this-health-disorder-every-year

研究チームは頭痛の世界的な有病率を推定するため、1961年〜2020年末に発表された357件の疫学的頭痛研究をレビューしました。対象となった研究に含まれていた被験者は医療機関の受診者や企業の従業員や大学生、病院スタッフで、年齢層は大部分が20〜65歳の成人でしたが、中には5歳までの子どもや65歳以上の高齢者を対象にする研究もあったとのこと。

そしてこの分析の結果、世界人口の52%が毎年何らかの頭痛を経験していることが判明しました。頭痛の内訳としては、頭部の片側に脈打つような痛みを感じる片頭痛を経験する人は14%、心身のストレスが原因で締め付けるような圧迫感のある緊張型頭痛を経験する人は26%でした。また、1カ月に15日以上の頭痛を経験する人々も4.6%存在したほか、1日あたり世界人口の15.8%が頭痛に苦しむ計算になるそうです。

また、すべてのタイプの頭痛が男性より女性に多く見られ、特に片頭痛を患う男性は8.6%だった一方、女性では17%が片頭痛だったとのこと。1カ月に15日以上頭痛があると回答した人は、男性では2.9%でしたが、女性は6%だったと研究チームは報告しています。



研究チームが調べたいくつかの尺度から、世界的に頭痛や片頭痛の発生率が増加している可能性が示唆されているそうですが、研究間における変動のうち現在のモデルで説明できる割合は30%に満たないとのこと。論文の筆頭著者であるLars Jacob Stovner氏は、「頭痛が決定的に増加していると結論づけるのは時期尚早です」と断っています。

また、今回レビューした研究は大部分が質の高い医療制度を持つ高所得国家からのものであるため、研究結果はすべての国を反映したものではない可能性があるとも研究チームは認めています。そのため、中・低所得国家に対するさらなる調査は、より正確な推定値を割り出すのに役立つとみられています。

頭痛の世界的な有病率については曖昧な部分もありますが、今回の研究結果は頭痛が世界中の人々にとって大きな負担になっていることを示すものです。Stovner氏は、「頭痛の有病率は世界的に高く、さまざまなタイプの頭痛による負担が、大勢に影響を与えている可能性があることがわかりました。私たちは予防とよりよい治療を通じて、この負担を軽減するよう努力する必要があります。このような取り組みの効果を測定するには、社会における頭痛の広がりと負担を監視できなければなりません。今回の研究は、どうすれば私たちの方法を改善できるのかを理解する役に立ちます」と述べました。