左からマックス・ナッタポン、シントー・プラチャヤー、トゥン・パーコーン

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12月24日(金)に、シントー・プラチャヤーと、マックストゥンと呼ばれるペアのマックス・ナッタポンとトゥン・パーコーンのタイ俳優二組による、日本向けクリスマスオンラインイベントが開催された。先に配信されたのは、ドラマ『Manner of Death』をはじめとする数々のドラマでカップル役を演じたマックストゥンの『MaxTul X’mas Online Event』。その直後にシントーの日本公式ファンクラブ「Samoonjaopa JAPAN」主催の会員限定のクリスマスオンラインイベント『Singto X’Mas Online Event』が配信された。シントーはドラマ『SOTUS/ソータス』シリーズで一躍有名になり、現在放送中の『Paint With Love』や『Baker Boys』でメインキャラを演じている人気俳優で、日本でも多くのファンを獲得。12月1日(水)には日本公式FCが立ち上がり、タイ俳優初の快挙を成し遂げた。クリスマスイブに自宅にいながら、愛するタイの俳優達と素敵なイブを堪能できるなんて、一年前には想像すらしなかった。しかし今年は、そんな夢が叶ってしまう。ファンに寄り添い、喜びを共有する素敵な二組によるオンラインイベントをレポートしよう。

『MaxTul X’mas Online Event』

パーティークラッシャーの名の通り、最後まで飛ばしまくる『MaxTul X’mas Online Event』

飛び切り素敵なアバンタイトル(本編前動画)が幾度となく回り、期待をそそる中、黒で統一されたシックなスタジオに司会で通訳のアキが登場。今年4月に開催された在東京タイ王国大使館主催の『タイドラマフェスティバル2021』での名司会もさることながら、マックストゥンのオンラインイベントになくてはならない存在。2人との相性が抜群で、「マックストゥン=パーティークラッシャ―」の名付け親でもある。

『MaxTul X’mas Online Event』

「皆さんこんばんは! お元気ですかー?」と流暢な日本語で登場するマックスとトゥンの2人。そう、彼らはかなり日本語が上手。今日も底抜けに明るいテンションで日本語を操るのだろうとニヤニヤしてしまう。トゥンはマックスの顔を持ち上げ「クリスマスイーブイ」「ポケモン! ポケモン!」と想像の斜め上行く挨拶。そしてハグ。嗚呼、聖夜なり。開始早々寄ると触るとハグする2人に、即座に突っこむアキという通常運転でファンミーティングはスタートした。

まずはウォーミングアップのフリートーク。「日本で行きたい場所は?」との問いに「表参道。イルミネーションが綺麗だったよ。トゥンをカメラマンとして連れて行きたい」と満面の笑みで答えるマックス。

『MaxTul X’mas Online Event』

近況を問われたトゥンは「コモ(飼い猫)の餌やりで大忙し。あとはインテリアデザインの仕事も多い。あ、ドラマはありません」とニヤリと答える。世界のプロデューサー達! 今すぐにトゥンにドラマを! 一方マックスは新作ドラマの為にボートの練習をしていると披露。とにかく日常が愛猫一色のトゥンに「マックスがNo.1。コモはNo.2」とマウントを取るマックス。「そうそう。コモはNo.2」と頷くトゥンに、思わずアキから「2人でイチャイチャしちゃって」と鋭いツッコミが。

『MaxTul X’mas Online Event』

続いて、日本でも人気を博した『Manner Of Death』にまつわる話に。お気に入りのシーンや難しかったところを細かく伝えてくれる。もちろんハグ付きで。印象に残ったのはお気に入りの台詞。マックスが挙げたのは10話の「僕の悪い子に戻って」。日本語で復唱しながらまた2人でハグ。聖夜なり。トゥンは5話の「こんなことに金(税金)を使うな!」と警察に激怒する台詞がお気に入り。これは、コロナ禍におけるタイ政府の在り方に物申すという意味でも、ドラマと現実がリンクしたと話す。

「以心伝心ゲーム」では、ゲーム開始前にハートを書きファンに披露するお茶目なトゥンにマックスも思わずにんまり。「はいはい、もういいですよ」と鋭く突っ込むアキの名司会ぶりに2人も爆笑していた。

『MaxTul X’mas Online Event』

お互い抱き合いながらエプロンを着け(こんなエプロンの着け方見たことない)、陽気に日本でかつて放送されていた『TVチャンピオン』の真似をする二人が次に挑むのはクリスマスケーキデコレーション。「すごい! 先輩!」「うまい!」など、マックスが日本語で盛り上げ、トゥンもご機嫌にケーキをデコレーション。出来上がったケーキの名前はずばり「トゥンさんのお気に入り」。マックス、トゥン、そしてコモの似顔絵をデコレーションした世界で一つのケーキが出来上がった。

『MaxTul X’mas Online Event』

そしてここで重大発表が。来年、日本でマックストゥン公式ファンクラブが誕生することが発表されたのだ。ファンにとって、こんな嬉しいクリスマスプレゼントはない。2人がファンから愛され続ける理由がよくわかる。『Manner Of Death』の成功と日本公式FCの立ち上げを喜ぶ2人に目頭が熱くなった。

『MaxTul X’mas Online Event』

最後は『Manner Of Death』の挿入歌(OST)である「Secret Love」を二人で熱唱。間奏中にトゥンが昨晩書いたというメモを取り出しながら「僕とマックスからクリスマスプレゼントがあります」という。そのメモには、日本のファンのためにトゥン自身が翻訳した日本語歌詞が書かれており、その努力とダイレクトに歌詞が伝わってきて胸を打たれた。そして「愛している! ありがとうございます。皆さん、よいお年を! またね」と日本語で挨拶し、素敵に愉快なファンミーティングは幕を閉じた。

シントーの優しさが溢れ出る『Singto X’Mas Online Event』

『Singto X’Mas Online Event』

「皆さん、こんばんは。シントーです」。満面の笑みを称え日本語で挨拶をするシントーの第一声で、日本公式FC「Samoonjaopa JAPAN」メンバー限定のファンミーティングがスタート。司会はマックストゥン同様、アキが担当。スタジオは白一色で飾られ、シントーの鮮やかな紺色のスーツが一層映える。

「Samoonjaopa JAPAN」は、日本からだけでなく世界各国から登録できる開かれたFCである旨を本人が丁寧に説明し、メンバー限定のコンテンツや写真を用意していることも報告。1日で撮り上げたというFC限定カレンダー写真を見ながら「衣装は6~7着用意されていた。とても暑かったです」と笑顔で振り返る。上半身裸の写真が画面に映るとアキと二人で「オホー」(タイの感嘆詞)と笑顔で叫びながらも「実はこの時も衣装をちゃんと着ているんですよ」とニッコリ笑う。カレンダーオーダーの締め切りに間に合わなかったという問い合わせに応え、近々予約再開するとアナウンスもなされた。

『Singto X’Mas Online Event』

様々なアニメで日本語に親しんだというシントーは、「いただきます」「ただいま」「おかえり」と覚えたての日本語を次々と披露。途中アキとの寸劇も挟まれ、「ただいま」、「おかえり」でこんなに盛り上がるか!?」と吹き出す場面も。

『Singto X’Mas Online Event』

その流れでジェスチャーゲームがスタート。シントーのジェスチャーにあわせ、アキが日本語を教える。「カッコ良い」から派生した「超カッコ良い」にシントーも思わず爆笑。聞いたばかりの日本語を「忘れないように後でメモします」という生真面目な一面も見られた。

「1分間クイズ」では、日本で好きな場所やファンと一緒に行きたい場所、好きな食べ物などを教えてくれた。

『Singto X’Mas Online Event』

「これを作るなら一時間欲しい」と言いながら彫刻家のような真剣さでジンジャーブレッドデコレーションに取り組むシントー。「僕はいじるのが大好きだから、ファンのみんなやスタッフを連れて遊園地に行きたい。すごい顔をして絶叫マシーンに乗るスタッフを撮影したいんだ」と笑いながらジンジャーブレッドを作り上げていく。

ここで、サプライズVTRタイム。『Paint With Love』で共演しているテー・ダーウィットや、『Baker Boys』で共演しているリー・ターナットとプルーム・プリム、ミュージックビデオで共演したコプター・パーヌワットの登場に「いつ撮ったの!?」と、嬉しそうにVTRを観る。リーから「シントーは熱心に台詞を覚えていますが、ゲームもやっています」と暴露され、またもや吹き出してしまうシントー。

『Singto X’Mas Online Event』

「まだあるの!?」というアキの声と共にVTRに登場したのは、我らがクリス・ピーラワット! クリスとは『SOTUS』で共演してから「クリスシントー」として親しまれ、2人で来日してファンミーティングをしたこともあるほどの不動のペア。そんなクリスのコメントにシントーも作業の手を止めVTRに見入っている。「P’シントー(年上の人を呼ぶときには名前の前にP'をつける)の頭の中にあるものすべてが早く叶いますように」と語るクリスを柔らかい眼差しで見つめ、こちらも思わず幸福のため息が漏れる。

そして完成したジンジャーブレッド。テーマは「ジャングルの王者(Samoonjaopa)ライオン(シントーはタイ語でライオンの意)」。「(デコレーション用のアイシングを絞ることが)本当に難しいんだから! アキさんもやってみて」と、まさかの無茶ぶりでアキを困惑させていた。

『Singto X’Mas Online Event』

その後、FCメンバーから募ったQ&Aコーナーに突入。「サンタさんに何を願いますか?」という質問に「コロナを消し去ってもらう。ありがとうサンタさん」と茶目っ気たっぷりに笑う。「最近、一番笑ったことは?」という質問には「自分の顔。本当に笑っちゃうんだ。表情がコロコロ変わるから」と言ったその瞬間、スタジオの背面にFCメンバーたちがズラリとZoomで登場。ファンたちの笑顔が溢れ、スタジオが一気に華やぐ。映し出されるファンたちの姿を嬉しそうにのぞき込むシントー。「プロデュースするならどんな作品?」という質問に間髪入れずに「ホラー」と即答すると、後方のファンたちが頷いている。なんという一体感。

『Singto X’Mas Online Event』

そして始まった、けん玉ゲーム。1分以内にけん玉を乗せるというゲームで「アニメなら簡単そうなのに」と言いながらも、開始30秒で成功させるシントー、あなたはやっぱり神だ。

『Singto X’Mas Online Event』

「ファンサービスですよ、皆さん」と言うアキの粋な計らいのもと、罰ゲームで用意されていたシントーサンタが登場。世界に10個しかない本人の写真がプリントされた枕とサイン入りカレンダーのプレゼント。「枕は本当に10個しかなくて、僕も欲しいから9個プレゼントですね」と笑う。

『Singto X’Mas Online Event』

最後は、『A Tale Of Thousand Stars』の主題歌で有名なガン・ナパットの「For You」を初披露。「この曲を聴くと家族を思うんです。FCのメンバーも僕の家族。なのでこの曲を選びました」と、心を込めて大切に歌ってくれた。

「本当なら日本でバレンタインのイベントをしたかった。コロナの影響で難しいですが、またオンラインでバレンタインデーのイベントをやりますね」という嬉しいお知らせも。常に笑顔を絶やさず、どんなゲームにも真正面から挑むシントーの人柄に惚れ惚れするファンミーティングはこうして幕を閉じた……と思いきや、まさかのマックストゥンの乱入で二次会がスタート! 夢のようなコラボが実現した。夢しかないのかタイランド。夢しかないのよタイランド!

マックストゥン、シントーのイベントへの乱入でパーティークラッシャーの本領発揮

『Singto X’Mas Online Event』

自身のファンミーティングで作った「トゥンさんのお気に入りケーキ」を持って乱入したマックストゥンは、「猫がいる」とコモの似顔絵に即座に気づいたシントーを担ぎ上げて大喜び。奇跡のような3ショットに全世界が泣いた。

『Singto X’Mas Online Event』

シントーとマックスが同じ年だということがわかり、盛り上がると「僕は18歳!」と張り切って加勢する29歳のトゥン。気持ちの上では間違いなく18歳である。お得意のほんのりイヤらしい日本語をシントーに教えようとして全力でマックスに止められ、しゅんとするもすぐに立ち直り「私の心はピンクです」とこれまた流暢な日本語を話しながら、チェキにサインするなんて、どう考えても18歳のトゥン。トゥンの暴走を「P'、P'、P'、P'!」と大慌てで止めるシントーもきっとそう思っているに違いない。

『Singto X’Mas Online Event』

「シントー、これあげる」とトゥンが使っていたタンブラーをプレゼントすると、「え!? 僕、何も用意していないんだよ……あ! これをあげる」と世界に10個しかない枕のうち、自分用の一つをプレゼント。「僕のは?」というマックスに「一緒に使って」と枕越しに3人で寝る図が出来上がり、スタジオも爆笑。

『Singto X’Mas Online Event』

いよいよ最後の御挨拶。「来年、状況が良くなれば日本で、或いはタイで会いましょう」と話し、日本語で「来年もがんばります! 良いお年を」と挨拶するシントー。「幸せになってねー! 良いお年を!!」と日本語で挨拶するマックストゥン。最後はアキさんも交えて「メリクリー!」「じゃあな」(マックス)と締めくくり、約3時間にわたる豪華なファンミーティングは幕を閉じた。

左からマックス・ナッタポン、シントー・プラチャヤー、トゥン・パーコーン

日本で公式FCを立ち上げてくれた先駆者2組によるファンミーティングのアーカイブは1月5日(水)まで。時間の許す限り何度でも視聴したい。

取材・文=渋谷のりこ