中国では日本製品の人気が高いが、人気が高い商品は「偽物」や「海賊品」が大量に流通するのが中国だ。中国の消費者は買い物をするにあたって「騙されないか」、「偽物をつかまされないか」を常に警戒しており、その点、「代理購入」は日本で売られている正真正銘の日本製品を中国にいながらにして購入できるとあって、ここ数年は「代理購入」が人気となってきた。

 代理購入はいわば「転売」であり、日本に住んでいる中国人のなかには「代理購入」を魅力的な副収入源として捉え、積極的に行う人も少なくないようだ。だが、中国の動画サイト・西瓜視頻は5日、「自分は絶対に代理購入はしない」と断言する日本在住の中国人女性の見解を伝える動画を配信した。

 この配信者は冒頭で「日本に住んでいると言うと、必ず代理購入を依頼される」と紹介する一方、「絶対に代理購入はしないと決めている」のだという。動画では、免税品を大量購入した中国人男性が、消費税1400万円を徴収されるという事件があったことを紹介した。外国人旅行者に適用される消費税法を利用した、転売屋と見られている。

 日本でも転売を巡っては様々なトラブルが起きているが、この中国人女性も「売れるのは分かっていても、代理購入はしない」と決めているのは、脱税行為を恐れるだけでなく、「トラブルが多くて、嫌な思いばかり」するのが目に見えているからだと説明している。過去には故郷の友人らに頼まれて買い物をしてあげたことがあったそうだが、代金や商品をめぐって何度も嫌な思いをしており、損することばかりだったという。友人への代理購入で「嫌な思い」をしたのであれば、見知らぬ相手との取引でさらに嫌な思いをする確率は高そうだ。

 代理購入自体は、日本では違法とはならないが、違法行為となりかねない状況も多く存在するのは事実だ。この点、中国では違法行為に対する罪の意識が低いのか、コメント欄は「大変な思いをして損をする可能性があるなら、やらないほうが良い」という意見がほとんどだった。やはり、中国では損得が基準になっているようだ。いずれにしても配信者のように代理購入はしないと決めるなら、面倒を抱え込まずに済むので賢明と言えるだろう。(編集担当:村山健二)(イメージ写真提供:123RF)