ぼくを食べてよ!「食べられるロボ」は何に役立つ?
東北大学の多田隈建二郎准教授と清水杜織大学院生らは、羊の腸と高野豆腐で硬さを切り替える機構を開発した。袋状の羊腸に5ミリメートル角の高野豆腐を詰めロボットの指のようなパーツを作成した。羊腸袋から空気を抜くと高野豆腐同士が密着して堅く締まり、お煎餅程度の硬さになる。空気が入っていれば高野豆腐はバラバラに動くため、片栗粉の袋くらいの軟らかさになる。
大阪大学の増田容一助教らは、かまぼこやちくわなどの、魚のすり身を使ってソフトロボットの材料を作る。でんぷんの添加率を変えることで硬さを表すヤング率を2―3倍変えることに成功した。増田助教は「かまぼこの製造技術は900年以上の蓄積がある。これをソフトロボに応用する」と意気込む。
3Dプリンターの要領で硬い部分と軟らかい部分を積層すれば特定の形に変形するブロックを作れる。腱駆動と組み合わせると、生き物のように動く機構になる。トカゲの尻尾のように、身体の一部を食べられても逃げる能力を失わない生き物の生存戦略を、ロボットで定量的に検証できるようになる。増田助教は「ロボットが腐り、捕食される。真の意味で食物連鎖の中に入り込めるようになる」と説明する。
現在はアクチュエーターやセンサーなど個々の要素技術が開発されている段階だ。情報処理や制御を含め、ロボット全体を食材で作ることは難しい。それでも誤飲対策や生物研究などのニーズをつかみ、着実に研究が進んでいる。
