#3 昨対150%を達成する、小霜流デジタル広告のやり方

写真拡大

 今回は、広告を出すにあたっての、ベースとなる考え方といいますか、僕がプロとして企業のデジタル広告をどのように設計しているかのお話をしておこうと思います。その考え方を元に、それを個人経営の方や中小企業が応用すればどうなるかという理解をしていただきたいので。

「自分ごと化」が超重要
 今回は、「自分ごと化」が超重要、というお話をします。この「自分ごと化」のパワーを最も使えるメディアがSNSです。ターゲットを小刻みに分けて、彼らの視点で「これは自分に取って価値がありそうだぞ」と感じてもらうような広告の出し方をするということです。

 たとえば#2のケーキ屋さんの例(リンクは下記にあります)でいいますと、最近は男性も仕事の一服でコンビニスイーツを食べたりしますよね。お店の近くで働く男性ビジネスマンに向けて、いかにも男性が好きそうなスイーツを用意しましたよ、とか。逆に男性向け商品を好む女性も多いので、それをあえて女性ビジネスウーマンにも配信するとか。ママにはママ友ランチにぴったりのケーキがありますよ、とか。

 前回はあまり触れませんでしたが、InstagramやFacebookの「詳細ターゲット設定」を使えばさらに広告を配信する先を職業や興味関心などで絞ることもできます。近くに大きな病院があれば、看護師さんに絞って、夜勤明けの疲れを取るのにこんなケーキはいかがでしょう、とか。ターゲットは小刻みに細分化して、彼ら彼女らの気持ちに刺さるように、商品を用意し、ターゲティングし、メッセージを変えていけば、同時にお店の「認知」も獲れ、「刈り取り」もできていくということです。

自分ごと化してもらうには
 デジタル広告が登場する前、TVや新聞などいわゆるマス広告と呼ばれるものの役割は大きく2つでした。「認知」してもらうことと、「自分ごと化」してもらうことです。広告の敵は他の広告です。生活が広告で溢れかえる中、他よりも目立つことをやらないとその広告はスルーされてしまいます。それを防ぐために、斬新で奇抜な表現や旬のタレントを起用することによって伝えたいことやものを記憶に留めてもらいます。これが「認知」。

 ただ、記憶に残ったからといってそれが自分にとって価値のないものと思われてしまってはいけません。たとえば一眼レフカメラの広告で、すごく美しい画が撮れるようになったところで、「自分はスマホでじゅうぶんだな」と思われては買ってもらえません。「入学式などのイベントではこのカメラが大活躍しますよ」と言えば「じゃあ買っておこうか」と思う人が出てきそうです。これが「自分ごと化」。

 しかし、この「自分ごと化」には、なかなか克服できない問題がありました。

 先ほどの例で言えば、そのカメラに価値を感じる人は入学式などのイベントに使う人だけではありません。もちろんプロや根っからのカメラ趣味の人も見込み客に入るはずですし、インスタ映えを追求する人や、撮り鉄の人たち、いろんな人たちが漏れてしまうのです。しかしデジタル広告ならこれを解決できるのです。

大きな効果が出るやり方
 僕が設計するデジタル広告は、「認知」と「自分ごと化」をできるだけ分けます。どういうことかというと、「こんな商品が出ましたよ」という強いお知らせをTVCMやTrueView、バンパーというYouTube広告などで流します。ここは自分にとって価値がある「かも」ぐらいで構いません。

 そして、見込み客を細分化します。その人たちが自分にとって価値があるなと感じてくれることに徹して、SNSで広告を出し分けるのです。カメラの例でいえば、撮り鉄の人たちには「西武鉄道の新型特急を撮るならこのカメラで」といった広告の方が、漠然と画質がいいよとか入学式にとかいった広告より商品に興味を持ってもらえるのは当然といえば当然ですよね。