海外からもオファー続々、日本発の新素材“石の紙”の力
石の紙の材料は石灰石。樹脂と一緒に成形し、紙にする。普通紙と同じように文字を書け、印刷もできる。開発した同社は「LIMEX(ライメックス)」と名付けた。
成形可能なため石油由来のプラスチックの代替として化石資源の使用を減らせる。笹木隆之執行役員は「(元の製品より高品質に再生する)アップサイクルができる」と素材の強みを話す。洋服のタグ、レストランのメニュー表、名刺などに採用が広がり、15年には宮城県白石市に工場を構え、従業員は90人を超えた。
海外からも引き合いが来るようになった。独BASFなど1万社以上が参加する団体「CSRヨーロッパ」から声がかかり、5月に開催された「SDGサミット」の公式冊子にライメックスが採用された。CDPの報告書と同様、環境や持続可能性が調達基準になるとライメックスが選ばれる。
TBMの山粼敦義社長はサミットで講演もしており「団体のメンバー1万社と接点を持てた」(笹木執行役員)と手応えを語る。持続可能性への意識が高い欧州企業から調達先に選ばれる可能性が出てきた。
ライメックスはSDGs(持続可能な開発目標)の目標12(生産・消費)など、多くの課題解決に貢献できる。事業そのもので自然体でSDGsに取り組めるが、あえてサステナビリティー推進者を置いた。「起業から間もない今のフェーズでも専任者を抱えて組織としての姿勢を示す。社会課題を社員が共有し、経営理念や使命感を高め続ける」(同)という。
社会が持続可能性を求めるほど新素材のニーズも高まる。TBMも高い意識を持ち続け、社会要請に応えて持続的な成長を目指す。
