「泡」で勝負するビール各社
2017年のビール市場は前年比2・9%減の2億459万ケース(1ケースは大瓶20本換算)と減少傾向が続いており、18年もこの基調は変わらない見通し。ビール各社はビール特有の価値である泡の品質強化により、主力ブランドの良さを消費者に再認識してもらう狙いがある。
サッポロは泡持ちに優れる大麦から「旨さ長持ち麦芽」を開発済みで、これに泡持ちを高めるたんぱく質を維持する醸造方法などを組み合わせて、差別化を図る。直近1―3月の「黒ラベル」の販売は前年同期比10・4%増と好調だ。
少し違ったアプローチがサントリーだ。同社は家庭でもクリーミーな泡をつくれる「神泡サーバー」を「ザ・プレミアム・モルツ」に同梱して販売を始めた。
3、6缶パックに手動式サーバーが、1ケースに電動式超音波サーバーが付く。手動式は小さなスクリューをゼンマイの力で回転させ、泡をつくる仕組みで、超音波の代わりに採用した。同社は好評な同サーバーを約50万個増産し、年間300万個投入する。
また、キリンビールは主力の「一番搾り」のプロモーションで飲食店での取り組みを強化。特製グラスで泡を含めた生ビールのおいしさをPRしている。
ビールの需要減少は消費者のビール離れや嗜好(しこう)の多様化による影響が指摘されている。それでもビールが重要市場であることは変わらない。
ビール各社は、それぞれの主力ブランドに集中してテコ入れする中で、ビールの魅力の一つである泡に着目し、減少に歯止めをかける戦略だ。
(文・井上雅太郎)
