清水建設が“3種のロボット”で「3K」脱却へ
建設現場は危険や重労働といった3Kイメージが強い上に、休日が思うように取れないなどの問題を抱え、省人化が急務。自動化機械は適用場所が限られるなどの理由でほとんど活用されていないが、人工知能(AI)や深層学習、IoT(モノのインターネット)の急速な進歩で「ロボットを現場に迎え入れる素地が整ってきた」(印藤正裕常務執行役員)という。
3種のロボットはミリメートル単位以上の精度を実現した。キャリアはフォークリフトに似た形状で、人がいない夜間にボードの置き場に移動してボードを積みこみ、エレベーターに載せたり、エレベーター前でボードを受け取り荷下ろししたりする。
バディーはレーザーセンサーと建物の情報から自分の所在位置を確認、可搬重量30キログラムの6軸ロボアーム2台で天井吊りボルトの挿入や天井ボード取り付け、ビス留めなどの作業を行う。ウェルダーはロボ2台が対になり作業員なしで溶接する。「人がやるより、均一で高精度の溶接ができる」と担当者は語る。
溶接では省人化率79%、資材搬送は75%、天井施工では78%をそれぞれ実現した。ただ建設現場は他に何千もの作業プロセスがあり、三つを合計しても工事全体の省人化率は1・1%。対象面積も30階建て、1フロア面積3000平方メートル以上の高層オフィスビルを想定しており、中小建物にはハードルが高いのが実情だ。
それでも、建設現場作業はロボット化への期待が高い。ロボットは安全規制の関係上、夜間に稼働が限られるが「夜間に資材搬送やコラム溶接が終わっていれば人間は翌朝から次の作業へ取りかかれるので、工期短縮や休日が取れるなどの効果が期待できる」(印藤常務執行役員)。各ロボットが得る情報はデータベース化してロボットが学習できる利点もある。「3年もすればコスト的にもペイできる」(同)と見て、改良を続ける。
(文・嶋田歩)
