中小企業の社員「IoTの使い方分かってきた」
同機構によると、研修開始当初の大分県内の製造現場でのセンサー情報活用割合は1・8%。「気にはなるが導入コストが心配」「日々の操作が難しそう」などの声が多かったという。そこで、まずはIoT導入推進の中核となる人材を育成すべきだとの考えから、研修をスタートした。
三和酒類(大分県宇佐市)が所属するAグループは、同社の焼酎製造工程における発酵タンク内に温度把握のためのセンサーと、アラーム機能を備えることに取り組んだ。
「温度の異常で夜中の3時に呼び出されたこともある」と研修に参加した同社製造部の原田武弘さんは打ち明ける。センサーが取得したデータを遠隔で監視し、共有できる環境を今回の研修で実現。温度異常が発生する前の状況が把握できることで、発酵の管理に役立つという。
Bグループの研修の舞台となった古山乳業(大分市)の古山信介社長は「社員から研修テーマ以外のことについても改善提案が出てきた」と思わぬ効果に喜ぶ。
いずれの現場でも市販の数千円のセンサーキットを使い、総額1万円以下でデータ収集と社内ネットワークによるデータ確認が可能になった。
本格的なシステムの運用に向けては課題もある。だが「参加者からは『IoTをどう使っていくか、手段や手法が見えてきた』との声が多かった」(同機構)という。18年度は研修事業と現場導入専門家の派遣を行いながら、企業の具体的課題の解決に向けた取り組みを計画している。
(文・宗健一郎)
