アルプス・アルパイン統合に暗雲、物言う株主と対立
アルパインの経営権を握るアルプスが完全子会社化を進める中、評価の改善を求め、かたくなな姿勢を崩していない。さらにオアシスは、より強硬な株主提案や委任状争奪戦などに向けて次の一手を模索しているようだ。
1月には「当社と見解を同じくする複数の株主と連絡を取り合っている」と明らかにし、アルパインの他の大株主などと意見交換を始めた。
明確な委任状の勧誘という位置付けではないようだが、委任状争奪戦となった場合に備え、情報収集しているとみられる。オアシスは「評価金額が大幅に改善され、TOB(株式公開買い付け)前に株式譲渡の機会が提供されない限り、当社の提案に賛成してもらえるだろう」としており、包囲網の形成に動いている。
一方、アルプス側は「全ての株主に対する期待や責任に応えるつもりだが、両社の株主の利益は相反関係にある」(栗山年弘アルプス電気社長)と訴える。
だからこそ、アルプス側は経営統合のスキームについて第三者を交えた上で検討し、評価金額を決定した。「アルパインの他の株主からは反対の声がなく、当社の株主などからも賛同を得ている」(栗山社長)と強調する。
ただ、膠着(こうちゃく)状態にあるのは間違いない。今後、アルプスとアルパインは協議・交渉を進め、株主に理解を求める意向だ。
経営統合計画の妥当性などを伝えるため、12月上旬にはアルパインのウェブサイト上であらためて統合のシナジーを説明。アルプスが12月下旬に予定していた持ち株会社体制への移行に伴う会社分割契約も延期し、シナジーの創出に向けた議論に時間を費やす。19年4月の完全子会社化や経営統合の計画には変更はないが、18年6月の株主総会までに詳細を詰めて発表する予定だ。
アルプスはアルパインの株式の保有比率が約4割を超えているが、オアシスの保有比率は約1割にとどまる。仮に双方が委任状争奪戦となった場合、獲得しなければいけない委任状の票数に大きく差がある。
だが、オアシスはアクティビスト(物言う株主)として知られている。かつて日本では、パナソニックによるパナホームの完全子会社化のスキームをTOBに変更させたこともある。
オアシスの幹部は、なるべくは避けたいと前置きしつつ「アルパインの株主として訴訟も必要に応じて検討する」と牽制(けんせい)する。
(文=渡辺光太)
