ジャイアンツ・青木宣親【写真:田口有史】

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6月の死球で28試合戦線離脱の青木に再びアクシデント、米メディア「恐ろしい瞬間」

 ジャイアンツの青木宣親外野手が9日(日本時間10日)のカブス戦に「1番・レフト」で先発出場し、3回1死1塁の場面で頭部に死球を受けて途中交代する一幕があった。6月20日のドジャース戦でも右足首に死球を受け、右腓骨亀裂骨折で戦線離脱していたリードオフマンを再び襲った死球の恐怖を地元メディアも大きく報じている。試合はジャイアンツが0−2で敗れた。

 MLB公式サイトは「ビーンボールを受けた青木が退場」と特集。3回に相手の先発右腕ジェイク・アリエッタが投げた92マイル(約148キロ)が、低く構えた青木のヘルメットの右側面を直撃したことを伝えている。

 鈍い音がフィールドに鳴り響くと、カブスのミゲル・モンテロ捕手はジャイアンツのダグアウトに向かってすぐに救助を呼びかける。そして、ヘッドトレーナーのデイブ・グロシュナー氏、ブルース・ボウチー監督、通訳の3人が駆け寄った。青木は自力で立ち上がったものの、そのままクラブハウスに戻り、アンヘル・パガン外野手が代走で出場した。

 青木はドジャース戦の死球による骨折で28試合欠場。それまで打率、出塁率、盗塁でいずれもリーグ10傑に入る大活躍を見せ、自身メジャー初のオールスター出場を目前にしていたが、この死球で惜しくも選出を逃していた。7月27日に故障者リストから復帰後は12試合に出場している。

本人は「少し頭痛がする」も「大丈夫」

 地元テレビ局「CSNベイエリア」の実況もこのシーンを衝撃とともに伝えていた。「青木にビーンボールです。ヘルメットの右側を直撃しました。恐ろしい瞬間です。自分で立ち上がって大丈夫だと思っても、気をつけなければいけません。通訳がいます。脳震盪の恐れがありますので、質疑応答や視線の動きのチェックなど手順を踏むことになります」と報じている。

 自力で立ち上がった青木には敵地の観衆からスタンディングオベーションが送られ、実況は「問題ないことを祈るばかりです」と声を絞り出した。

 試合後、地元メデイアの取材に応じた青木は、最初は吐き気もあったことを明かした上で、通訳を介して「今は大丈夫。少し頭痛がする。ビデオを見たけれど、ボールは顔にまっすぐ向かっていた。これが最後の死球であってほしいです」と話したという。ダメージが残らないことを願うしかない。