教師の不祥事に詳しい奈良学園大学准教授の中田正浩氏によれば、学校は今も昔も「鍋蓋社会」だという。これはいったい、どういう意味なのか。
 
「鍋の蓋のツマミの部分にあたるのが校長や教頭といった管理職で、その下の蓋の部分は全員横並びのヒラ教員です。蓋からツマミの部分になろうとすると試験を受ける必要があるのはもちろん、校長による推薦状が必要なので、誰も校長にたてつけません。それでなくても、2大学を出て教師になった瞬間から『先生』と呼ばれて定年までを過ごすわけですから、世間知らずで倫理観が欠如するのも当然です」
 
 学校内出世街道のゴールに位置するのが校長だ。そこに立ったとき、“絶倫校長”は学校外であっても何でもできるという誤った万能感に浸ったのではないか。あるいは、その感覚を手に入れるために校長の座を目指したのか。
 
 横浜市立中学校の元校長である高島雄平容疑者(64)は、今年1月にフィリピン・マニラ市内のホテルで少女にみだらな行為をし、その様子をデジタルカメラで撮影した児童売春・児童ポルノ禁止法違反容疑で4月8日に逮捕された。
 
 驚くべきは、過去25年間にわたり1万2660人を買春したというその数だ。高島容疑者は取り調べに対し、「買春の対象は14〜70歳だったが、その1割ほどが18歳未満だったと思う」と供述。かつての教え子と同世代の女性を性的対象にしていたことには呆れるしかない。
 
 高島容疑者が校長を務めた中学校の関係者に話を聞くと、保護者たちは「悪い印象は全くない。気さくな良い先生だった」と口を揃えるが、生徒側の受け止め方はかなり違うようだ。卒業生の女性(19)がいう。
 
「特に怒られたことはないけど、明るくてやさしい先生という印象もない。朝礼や行事のときに女子生徒のほうをじーっと見つめる目が気持ち悪かったのはよく憶えています。どんな気持ちで私たちのことを見ていたのかと想像するとゾッとします」

※週刊ポスト2015年5月1日号